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2013年12月6日金曜日

[CDレビュー]  ガガガSP「オラぁいちぬけた」


ガガガSP「 オラぁいちぬけた」
(2003/3/5)

1. 国道二号線
2. ローアンドロー ~土着的な愛の唄~
3. 津山の夜
4. 満月の夕
5. 家路
6. オラぁいちぬけた
7. 夏の思ひ出
8. 日本語パンクロックの諸君達を語る
9. 一人ぼっちの世界 
10. 晩秋
11. 声
12. ハードコア組曲
13. 冬色  
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)





2003年にリリースされた、ガガガSPの3rdアルバム。
前作同様、パンクに昭和のフォークを融合させた独自の音楽スタイルで
ひたすら突っ走るアルバムとなっています。
先行シングル曲にもなった10曲目「晩秋」は約2分半という短い収録時間の間に、
失恋をたまらなく悔やむ気持ちを、早口でまくしたてるかのように歌いつつも
ラストにはそれでも「死ぬまで生きてやろうじゃないか!」という
熱い叫びを聴かせてくれる。彼らの曲の持つ魅力が存分に詰め込まれた名曲です。

そして今作は、今までの作品以上に尖ったものを感じる。
6曲目の「オラぁいちぬけた」を聴けば一目瞭然。
この曲は当時流行した、前向きな夢や希望しか歌わないような青春パンクバンドとは
俺達は違うと宣言した曲で、これぞロックな精神を感じる。
「後ろにも俺は目があるんだ」というフレーズは特に印象的。これには、
そうだよな、そりゃ誰だって時には後向きな気持ちになることもあるよな!
と思わず共感してしまう。失恋体験や過去の悔しい思い出などを
未練がましく歌いつつも、しかしそれでも頑張って全力で生きていこうと歌う姿に、
心を打たれる。彼らは人間の持つ光と影の両面を、力強く歌うことができる
バンドであることが、あらためて実感できる曲でした。

そんな今作の私的ベストトラックは2曲目「ローアンドロー ~土着的な愛の唄~」。
最初は失恋を歌った曲かと思いきや、途中から話題があっちこっちに飛びまくるという
まさにパンクな内容の曲ですが、それでもその歌詞の全てにインパクトがあり、
「下から突き上げろ」というサビのフレーズと共に、心に飛び込んでくる。
その中でも終盤の、
「アップライトに生きてきた奴の明るいポジティブな仲間意識なんかより
 考えすぎの美学を持ってる奴の方がいいのさ」
という歌詞は、すごく心に響いた。この曲は俺達のような日陰者の弱男が下剋上を目指す歌だ。
こんなことを歌で言ってもらえたら、もはや感激せずにはいられませんでした。

4曲目「満月の夕」は今作の中では一味違った内容の曲となっている。
ソウル・フラワー・ユニオンのカバー曲で、阪神大震災が起きた日の夜の
人々の姿を歌った曲ですが、こういう曲をカバーではなく、
メンバーの自作で作れるようになれば、さらにバンドとして
一段上のステージに行けるのではと思いました。
9曲目「一人ぼっちの世界」はメガマサヒデという神戸のインディーズ歌手の
カバー曲で、父親や家族の素晴らしさについて歌った曲ですが、
オリジナルアルバムの中に何曲もカバー曲を入れるというのはどうかと・・・
これは前作や次々作のアルバム作品などにも言えることでしたが。

青春パンクといえば明るい音楽、リア充的な音楽というイメージがあるでしょうが、
しかしガガガSPの音楽は、辛い気持ちを抱えながら生きてきた人こそ
聴けばより一層心に響く音楽ではないだろうかと思います。
心の闇を全力で吹き飛ばすかのような熱い曲に、聴いていて元気と勇気をもらえました。



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