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2019年12月4日水曜日

[CDアルバムレビュー]  虎の子ラミー「激動するヒューマニズム」


虎の子ラミー「 激動するヒューマニズム」
(2019/10/2)

1. THE END
2. めっちゃ元気  [公式PV]
3. 君はイルカ 
4. 桜を見て君を想う
5. ドブネズミ 
6. 音楽  
7. {Secret Track}  
お気に入り度:★★★★★★★★ (8/10)



虎の子ラミーの通算4枚目のミニアルバム。「立体型サファリロックバンド」を名乗る
3人組ガールズバンドの作品。今年の9月に開催されたちょこロックフェスにて
初めて体験したライブは(レポはこちら)ボーカルのマザー・ヤナギさんを中心とした
ライブパフォーマンスの面白さが全開。キャッチコピー通りに良い意味で
何が飛び出すか分からないサファリパークのようで一躍ハマったのは記憶に新しい。
なお上記のレポにはありがたいことに、ヤナギさん本人からも反響を頂きました(参照)
中学生の頃にして周りからM-1グランプリでの優勝を期待されていた
女芸人もとい女性ボーカリストがいるバンドなだけあって、
このCDアルバムの方も良い意味で笑ってしまうほどの作品でしたよ。

まず1曲目「THE END」からヤナギさんの持ち前の歌唱力を存分に生かしたド派手な曲が炸裂。
デジロック系のサウンドにのせて「♪私は死にました」と歌うサビはシリアスでありながらも
悲壮感はそれほど感じさせず、むしろ清々しいとすら思えるのはその豪快な歌いっぷりが
聴いていて気持ちいいから。一度死んだものが生まれ変わるという希望すら感じる。
そして2曲目「めっちゃ元気」では生まれ変わって元気百倍。前曲とのギャップあり過ぎ。
だがこういった歌詞の方がヤナギさんのキャラにはピッタリハマってる。
「♪めっちゃ元気めちゃめちゃ元気」というフレーズは一度聴いただけで
耳から離れないほどなのに、さらに良いサビメロが後の方にあるというのだから
あらためて以前の曲と比べても歌メロが良くなったなと思う。
3曲目「君はイルカ」はロマンチックなラブソングでありながらも、中盤の間奏部分で
一気にメタリックな演奏が加わったりと急展開をみせるのがまるでサファリパークのよう。
4曲目「桜を見て君を想う」では失恋を歌ったバラード曲をヤナギさんが猛獣のごとく熱唱。
こんだけやるせない感情をぶつけてたのに終盤では「♪本当はタイプじゃないはずなのに」
って今更何言ってるんだとツッコミたくなったが、そういう恋もあるということだろう。
5曲目「ドブネズミ」は歌謡ロックテイストの曲ながらも中盤以降がカオスティック。
ピアノ早弾きはまるで筋肉少女帯みたいでダミ声がかった歌唱も含めてそりゃ好きになる。
6曲目「音楽」はサビの「♪鳴らせーーー!!」の伸びやかさと豪快さに加えて
「♪自由を 叫べーー!!」このハイトーンボイスが聴いていて気持ち良過ぎ。
今作の中でも最もキャッチーなメロディにのせて、音楽の素晴らしさを存分に歌う。
そうだ音楽は自由だからこそ最高だ。ヤナギさんは女芸人でも成功できた可能性があるけど
やっぱりバンドのボーカルで良かったなとあらためてこの曲を聴いて思った。
7曲目にはシークレットトラックを収録。「激動戦隊ジャンケンジャー」と歌ってる?
約1分半の曲で1コーラスのみで終わってしまったのが惜しく感じたほどの曲だった。
4分ぐらいは聴きたかった。ところでこの曲はiTunesで再生すると
曲名が「Secret Trak」と出てしまうのだが、正しくはSecret Trackですよね?

このバンドのアルバム作品を聴くのは2015年リリースの2ndミニアルバム
「あくまでも、愛故の衝動」を聴いて以来だったが、その頃よりもメロディの訴求力が
大きく上がり、成長を遂げたのがよく分かる作品となっていた。キャッチーな歌メロが
軸にあるからこそ、時にぶっ飛んだ展開を見せる楽器隊の演奏もより面白く感じられる。
そしてボーカルのマザー・ヤナギさんは近年の若手ガールズロックボーカリストの中でも
トップクラスの歌唱力の持ち主だと実感。その声量と表現力は頼もしく感じるほどで
これぞガールズバンド界の肝っ玉母さん。毎日骨太や健康家族が似合う歌手だ。
次はフルアルバムを期待したくなるし、次作でメジャーデビューとなっても全く驚かない。
むしろそうなるべきだと思えてくるほどの所まで来ている。
しかもライブも抜群に面白いというならば尚更。またライブにも行きたいですね。






2019年11月29日金曜日

[CDアルバムレビュー]  FLOW「TRIBALYTHM」


FLOW「 TRIBALYTHM(初回生産限定盤)(Blu-ray Disc付)」
(2019/4/10)

1. TRIBALYTHM -Intro-
2. 風ノ唄  [公式PV]
3. Break it down  [公式PV]
4. 火花
5. PENDULUM  [公式PV]
6. サンダーボルト
7. INNOSENSE  [公式PV]
8. 音色  [公式PV]
9. BELIEVER
10. Smells Like 40 Spirit
11. BURN  [公式PV]
12. ONENESS  [公式PV]
13. アイオライト
14. TRIBALYTHM -Outro-
お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10)



FLOWの通算11枚目のオリジナルフルアルバム。
「国境・民族を超え世界を繋ぐFLOWのマスターピース」と題した今作は
コンセプトアルバムを名乗ってもいいほどに芸術的でありながらも、
上質なエンターテイメントとして多くの人達が楽しめる作品になっている。
これぞ世界的傑作だといっても過言ではないほど。なのに日本のバンドシーンにおいては
あまりにもFLOWは過小評価されてる気がしてならない。アニソンのイメージがつくと
そうなってしまうのか?あらためてもっと評価されて欲しいバンドだと感じる。

まず1曲目のインスト曲「TRIBALYTHM -Intro-」は民族音楽とデジタルサウンドを
融合させた曲。太古から現代へとつながっていく様を描いているかのよう。
2曲目「風ノ唄」はバンドサウンドの中で光る幻想的アレンジと、旅人を歌った詞の世界が
スケール感に溢れている。先行シングル曲だがこのアルバムの中で聴くと一層映える。
3曲目「Break it down」では王道のカッコ良さを見せつける疾走ロックナンバーを聴かせ、
続く4曲目「火花」ではミドルテンポの曲調からサビで一気に感情を爆発させる。
この年になっても若き衝動を感じる歌を歌う。ボーカルがたまらんし歌詞も響きまくり・・・
大人しい人になんてそう簡単になりきれない自分みたいな者には泣けるほどの名曲で
今作の中でも一番のお気に入り曲。これこそリード曲にしてPVも作って欲しかったぐらい。

5曲目「PENDULUM」も2曲目と同系統の曲ながらもよりハッピーな雰囲気が伝わる。
6曲目「サンダーボルト」はアイリッシュパンクバンドの「THE CHERRY COKE$」の
メンバーが参加した曲で、北欧の楽器を取り入れたバンドサウンドの雄大さ満点。
この大航海感ときたら半端ない。これこそリード曲にしてPVも作って欲しかったぐらい。
7曲目「INNOSENSE」はAメロのストリングスアレンジに切迫感がある一方で
サビメロは伸びやかで、一気に空高く想いを放つかのような解放感がたまらない。
8曲目「音色」はラテンっぽいアレンジが光るミドルチューンでホッと一息つける。
9曲目「BELIEVER」ではバンジョーを取り入れたサウンドが光るミドルバラード。
どんだけ数多くの楽器が登場するんだ。この多彩な輝きはまるでバンド界の宝石箱だ。
そして歌詞にはラブ&ピースの願いがこめられている。ロックバンドにはこういう歌を歌い続けて欲しい。

10曲目「Smells Like 40 Spirit」はラップやスクラッチ音を加えたミクスチャーロック。
サビメロは伸びやかでボーカルの2人の熱情のこもった歌唱にも突破力がある。
11曲目「BURN」はストリングスを加えた勢い満点のアッパーチューンで
アレンジが今作の中でもとりわけアニソンっぽくて当ブログ的にはそりゃ好きな曲。
編曲はアニソン系作家が手掛けたのかと思いきやまさかのキバオブアキバ。
現在は惜しくも活動休止したデスポップバンドの名前を久しぶりに見た。
12曲目「ONENESS」は星空の下で聴きたくなるようなロマンチックなバラード曲ながらも
歌詞からはここまで苦労の道のりを経て辿り着いたのが伝わってくる。だから心に響く。
13曲目「アイオライト」はNHKみんなのうたかと思ってしまうぐらい
まるで子供が作ったみたいなベッタベタなロックナンバーで笑ってしまった。
自分も小学生の頃から脳内で作詞作曲していたので当時こんな曲を歌ってた気がする。
なのでこれこそが純粋な気持ちのこもった曲ではないだろうか?世界を笑わせるほどに。
14曲目のインスト曲「TRIBALYTHM -Outro-」は花咲く草原が目に浮かぶかのような
幻想的かつ多幸感に溢れた曲でめでたくハッピーエンド。

アニソンを歌ったことがきっかけで実際に海外でもたくさんのファンがつき
海外でのライブも数多く成功させてきたからこそ、これほどまでに説得力のある
世界的名作アルバムを作り出せたのだと思う。無限に広がるほど多彩な編曲に加えて
こちらのライブレポにも書いた通りあらためてボーカルも素晴らしい。
エモーショナルで魅力的なツインボーカルは楽曲をより一層響かすし
コーラスの一体感も頼もしく感じられる。これぞまさに多種多様な世界をつなぐ音楽だと、
音楽こそがあらゆる壁を超えて楽しめる最高のものだと思わせられる、
2019年上半期の当ブログナンバーワン作品。年間ベストの記事では果たしてどうなるか?






2019年11月21日木曜日

[CDアルバムレビュー]  EXiNA「XiX」


EXiNA「 XiX (初回生産限定盤) (DVD付) 」
(2019/8/21)

1. XiX ~Prologue~ [Instrumental]
2. EQ  [公式PV]
3. KATANA  [公式PV]
4. OVERTHiNKiNG BOY  [公式PV]
5. BERSERK  [公式PV]
6. NEON  [公式PV]
7. PERiOD  [公式PV]
お気に入り度:★★★★★★★★ (8/10)



EXiNA(イグジーナ)の1stアルバム。2015年にアニソンシンガーとしてデビューを果たした
西沢幸奏さん率いるソロプロジェクトの第1弾となるアルバム作品。
ラウドロックにデジタルアレンジを融合させた、ド派手かつ迫力満点の楽曲と歌唱には
今作ってSALTY DOGプロデュースだったっけ?と勘違いしてしまいそうなほどだった。
むしろSALTY DOGがMay'nさんに提供した「Belief」「Banggin' Your Head」などの
傑作曲の数々よりも激ロック系な楽曲がズラリと並んでいるというからスゴい。

まずはインスト曲で始まり、その次の実質1曲目となる「EQ」からして衝撃的。
曲名はElectric Queenの略で、電子音を加えたヘヴィロックサウンドと共に放たれる
メッセージはまさに魂の叫び。「♪生命の旗かざせ」「♪共鳴起こす覚醒」
これはまるで吹きすさぶ嵐の中で命を削りながら訴えかけているかのよう。
艦これ主題歌のデビュー曲「吹雪」の頃はあどけなさが残る歌声だったのに
その当時からすれば想像もつかないほどにぶっとい歌声になって、
さらにはシャウトも加わって・・・ 大いに成長したと感じられる。
Bメロ部分などでデジタル加工されたボーカルのリフレインもツボにハマった。

続く「KATANA」も疾走感溢れるデジロック。電子音のメロディのキャッチーさは前曲以上。
4曲目「OVERTHiNKiNG BOY」はミドルテンポ曲にしてサビ部分での歌唱の威圧感がスゴい。
たとえガラガラ声になっても歌うんだと言わんばかり。のど飴のお世話になること必至な歌い方だ。
5曲目「BERSERK」は重厚感溢れるサビ部分にて一緒にヘドバンしたくなるような曲で
聴けばライブに行きたくなる。間奏のギターソロも圧巻でこういうのがあると嬉しい。
6曲目「NEON」は歌い出しの部分がバラード調でおっと思わせておいて結局アップテンポ曲。
サビメロは伸びやかながらもどこか哀愁を感じさせるものもあってエモーショナル。
7曲目「PERiOD」は今作の曲の中では一番歌メロが良いと感じられた曲であり
歌唱もAメロ部分とサビ部分で緩急がついていて、表現力を発揮できている。

2017年に伝説のガールズフェス「DRAGON GIRLS CARNIVAL」でライブを体験した時点から
大いに期待していたアニソン系アーティストの1組であり(当時のレポはこちら)
LiSAさんに続いてジャンルの壁を超えて躍進できるガールズロック歌手になれる
可能性があると感じたものだったが、どうやらLiSAさんとはまた違う方面で
全く想像していなかった形にて覚醒を遂げたみたいで笑ってしまった。
例えるならば甲子園で大活躍した投手が砲丸投げで日本代表に選ばれたぐらいの予想外な方向。
楽曲の幅という点ではどれも似た系統の曲ばかりに感じるし歌メロの良さと言う点でも
キャッチーな部分が減ったように感じたしアニソンっぽくなくなったとも言えるが、
こんな賛否両論になること必至と思われる作風にシフトチェンジしてまでも
新しく生まれ変わって、今やりたい音楽をやるんだという熱き決意表明を感じられたことは
スゴいと思ったしその生き様に感動した。分かる人だけ分かればいい音楽、
それでいいじゃないか!上等だ。人生は人それぞれなんだから。
何よりバンドサウンドに電子音を加えてシャウトする曲は大好きなので共鳴起こす覚醒。
なお10月に配信リリースされた新曲「JESUS KNOWS」を聴いてみると今作の曲の数々よりは
メロディアスで、以前の路線に若干戻しているようなのでそういった曲にも期待したい。
そしてamazonの方にあったこちらのレビューを読ませてもらうと、
ライブジャンキーの自分としてはぜひともライブに行きたくなりましたよ。
これまでリリースした西沢幸奏名義の楽曲も新しいアレンジにて披露されていると聞いたら
尚更それもどんなものなのか聴いてみたいし。12月8日のライブは行ってみようかな・・・