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2012年10月31日水曜日

[CDレビュー]  天野月子「MEG & LiON」


天野月子「 MEG & LiON」
 (2002/12/4) 

1. 人形 (Mega Mix)  
2. 日曜日  
3. ダンデライオン
4. 時計台の鐘 
5. 羊
6. 銀猫
7. ライオン 
8. pigeon
9. トムパンクス
10. クレマチス 
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)





2002年12月にリリースされた、天野月子の2ndアルバム。
前作からわずか6ヶ月という短いスパンでリリースされた作品です。

まず先行シングル曲にもなった1曲目「人形」が凄すぎる。
アルバムバージョンではストリングスも加わり、よりパワーアップした
ドラマチックなオルタナティヴロックサウンドと、終盤の
「笑って 笑ってほしいよ」という心の叫びを歌ったその絶唱っぷりは、まさに圧倒的。

そしてその後の曲では、一転してポップで明るい「日曜日」、
ミステリアスで荒涼とした雰囲気が漂う「ダンデライオン」、
暖かいラブバラード「時計台の鐘」といったように
前作同様、多彩なアプローチも見せてくれます。

中盤は、ズシリと重いギターが響くバラード曲「羊」や
1度聴いただけで必殺級のメロディを持った、歌謡曲風ロックナンバー
「銀猫」といった曲が印象的。
そして終盤の、文字通りともいえる高速パンクロック曲「トムパンクス」、
ラストを飾る美メロバラード「クレマチス」といった曲もさすがの名曲。
最後まで充実した内容のアルバムとなっています。

前後の1stアルバムと3rdアルバムが共に大傑作だったことから、
それと比べると曲数が10曲と少ないこの2ndアルバムはどうかなと
最初は思ってましたが、しかし今作もまた、聴きこむほどに素晴らしさが伝わってくる作品でした。
わずか半年で作ったとは思えないぐらいの完成度でした!


2012年10月30日火曜日

[私的名曲ランキング]  「月」の名曲 マイベスト10

みんなでいい曲を発見する音楽投票企画「Japanese Dream -We Love J-Pop-」
にて、新企画「テーマ別投票企画」がこの度始まりました。
そして当ブログにおいても、新たな企画として、
リリース年代やシングル曲アルバム曲などといったものを問わずに選んだ
「テーマ別私的名曲ベスト10」を、発表していきたいと思います。

記念すべき第1回のテーマは、「月」に関する名曲。
本家Japanese Dreamにおいては「星、月、夜空」というテーマにて、
現在も投票受付中でございますが、私の中ではこれに関する名曲が
あまりにも多かったため、この3テーマをそれぞれ3つに分ける形にて作ってみました。
それでは、いってみましょう!






第10位 妖精帝國「月下香」 (2009年) 

ポップス寄りの曲においても独特の存在感を放っている。
このアーティストはまさに「月」のイメージに合うアーティストです。



第9位 爆風スランプ「月光」 (1989年) 

この曲が1989年の曲というのに我ながら驚き。
月明かりの下で愛し合う2人の姿を描いた、ロマンチックなポップス曲です。



第8位 天野月子「月」 (2004年) 

「月」で真っ先に思い浮かぶアーティストといえばやはり彼女。
そして「月」というテーマで真っ先に思い浮かんだのがこの曲。
穏やかで大人っぽい雰囲気のバラード曲です。
そして、これほどまでの名曲がランキングで8位になってしまうということは、
この後の7位~1位の曲がいかに圧倒的で、
マイベスト10史上最強クラスの布陣であるかという証明でもあります。



第7位 東京エスムジカ「月夜のユカラ」 (2004年) 

民族音楽の要素を取り入れた、美しき多国籍ポップス。
「月」というテーマで思い浮かぶアーティストといえば彼女たちも外せない。
さらにアルバム曲には「月衣」「月だけが照らす街」といった曲もあり、どれも名曲です。



第6位 鬼束ちひろ「月光」 (2000年) 

心に突き刺さる歌詞と、力強くも神秘的な歌声が素晴らしい。言わずと知れた大ヒット曲。



第5位 聖飢魔II「真昼の月~MOON AT MID DAY~」 (1997年) 

月はいつでもあなたを照らしてくれているというメッセージが込められた曲。
「素直になるなら青空がいい 案外答えはすぐさ」
これには、なんて悪魔らしからぬ内容の歌詞なんだ!と思いつつも、
しかし曲を最後まで聴けばやはり彼らにしか出せない色はしっかりと出せている。
重厚ながらも神秘性を感じるロックバラード曲です。



第4位 Do As Infinity「under the moon」 (2002年) 

シングル「under the sun / under the moon」の両A面2曲目として
収録されている曲ですが、個人的には1曲目よりもこちらの方が素晴らしいと思いました。
この曲は歌詞が良いです。ファンサイトによると伴ちゃん作詞らしいですが
自作詞の中ではトップクラスだと思いました。
やはりDoAsのバラード曲はどれもが名曲。この歌声と曲全体の雰囲気がたまらない。



第3位 水樹奈々「Dancing in the velvet moon」 (2008年) 

彼女の曲についてこの言葉を使うのは何回目になるか分かりませんが、
それでも今回も言います。編曲がスゴ過ぎる!!
歌謡曲的なメロディでありながらも、同時にヨーロッパの舞踏会のような雰囲気も感じられる。
おしゃれで格調高くてなおかつ情熱的。もちろん歌唱も素晴らしい。
これがランキング1位じゃないなんてありえないぐらい。同点で3曲1位にしたいと思いました。



第2位 東京エスムジカ「月凪」 (2004年) 
2004年5月度 マイベスト10」に続く2冠達成は惜しくもならず!
レビューはそちらを参照。絶世の美曲です。



第1位 北出菜奈「月華-tsukihana-」 (2009年) 

最初は穏やかな曲調かと思いきや、サビでここまで胸に迫りくるという曲はそう滅多に無い。
全てにおいて圧倒的。特に歌唱と歌詞は素晴らし過ぎる。
2009年の年間私的名曲ランキングに次ぐ2冠達成でございます!




(次点)
ステレオポニー「ツキアカリのミチシルベ」
Cocco「あなたへの月」
陰陽座「月に叢雲花に風」
fra-foa「青白い月」
スムルース「ムーディー・ムーン・ダンス」
中森明菜「MOONLIGHT SHADOW」



全体的に女性ボーカル曲の方が圧倒的に多いのはやはりテーマが故か。
中森明菜「MOONLIGHT SHADOW」は小室哲哉プロデュースとして
90年代に話題になった曲で、この曲もまた妖艶な雰囲気の漂う名曲。
かつてインパクト抜群だった曲は、やはり10年以上経っても覚えているものだなと・・・


2012年10月29日月曜日

[CDレビュー]  藍坊主「ノクティルカ」


藍坊主「 ノクティルカ」
 (2012/4/18) 

1. 天国からの手紙  
2. イエロームーンチャイルド  
3. 生命のシンバル  
4. 花火計画  
5. バク  
6. 夜はひらめく  
7. エフィラ 
8. メテフィラ 
9. ホタル  
10. 涙が滲む理由 
お気に入り度:★★★★★★★★☆ (8.5/10)





藍坊主の通算6枚目のオリジナルアルバム。

この作品を聴いてまず感じたことは、歌詞が良いです。
どこか考えさせられつつも、同時に第六感にも訴えかけてくるような歌詞が見事。
そして、このアルバム作品全体から感じられるコンセプトは、
この世に生きる命の尊さ。今作は命を歌った作品といっていいでしょう。

まず1曲目は、亡くなった人のことを思う「天国からの手紙」から始まり、
続いて「細胞分裂したいよ」という歌詞が印象的な2曲目
「イエロームーンチャイルド」では、一転して今この世界で生きる
人々たちの活気に溢れる姿を歌ったかのような曲を聴かせてくれます。
そして、シングル曲でもある3曲目「生命のシンバル」は、
この世の生きることの辛さを乗り越えて輝こうとする人間の姿を、
比喩表現を交えながらも力強く歌った、今作でも必殺級のナンバーといえる名曲です。

アルバム中盤では、タイトル通りの花火ソング「花火計画」、
夢の中の世界を歌った「バク」、別れと旅立ちを歌った「夜はひらめく」
といった曲も挟まれています。そして後半突入となる7曲目「エフィラ」は、
これぞ本領発揮といえる、シュールさ満点の踊れるロックナンバー。
どこか異次元的な世界に引き込まれつつも、同時に生命の躍動感を感じさせてくれる。
続く「メテフィラ」は歌詞に幻想的な要素を感じるバラード曲。
そして先行シングル曲でもある9曲目「ホタル」は、
青春時代を思い出しつつ、大人になることへの心の葛藤を歌った曲で、
切なさと熱さを同時に感じさせてくれるかのような名曲です。
そしてラスト曲の、「子等(こら) 子等(こら)」という
サビのフレーズが印象的な「涙が滲む理由」は、これから生まれてくる命と、
そしてこれから育っていく子供達に向けての、彼らなりのメッセージが込められた曲。
アルバムの最後を飾るにふさわしい曲といえるでしょう。

曲数が10曲と少なめで、さらには6曲目のサビメロが1曲目と似ているというのが
やや気になったりもしましたが、今作はそれを吹き飛ばすぐらいの
バンドとしての確かな実力を感じた作品でした。彼らはかつて、
ノリが良くて爽快感は抜群だが、歌詞は浅いというイメージがあった
青春パンクバンドであったとは、このアルバムを聴く限りでは全く思えないです。
特に歌詞に関してはよくぞここまで成長したと感じました。
この成長があったからこそ、青春パンクブームが終わった今でも
彼らは一定の支持を集め、根強くメジャーシーンにて
活動を続けることができているのだなと思いましたし、
それどころか今以上に世間でもっと評価されてもいいのにと思いました。
個人的にも予想以上にハマった作品でした。今後のさらなる活躍にも期待!



2012年10月26日金曜日

[私的名曲ランキング]  2012年9月度 マイベスト10

みんなでいい曲を発見する音楽投票企画「Japanese Dream -We Love J-Pop-」
の協力により、今月も月間私的名曲ベスト10を紹介したいと思います。

今月は1位~5位の候補が少なく、6位~10位の候補はすごく多かったという月でした。
そして全体では、今まで以上に幅広いジャンルからベスト10を選ぶことができたと思います。
それでは、いってみましょう。





第10位 Dr.FD&宇宙忍者バファリン「おんぼろバスと雨男」

初めてラップ系の作品がランクイン。これはマイベスト10どころかこのブログ史上初かも。
歌詞がスゴいしバックのサウンドの雰囲気も良い。ラストのたたみかけも見事でした。



第9位 ゆよゆっぺ「Story of Hope」

ボーカロイド系のランクインは2012年1月度のdoriko以来。
名付けて「ミクリーモ」というスクリーモ系の音楽をやっているアーティストだそうです。
よくボカロでこんな曲を作ろうと思ったなと! しかし楽曲の質の高さは折り紙つき。



第8位 桃黒亭一門「ニッポン笑顔百景」

落語とアイドル系ポップスの融合という、すごいことをやってのけた曲。
やっぱりヒャダインの作る曲は面白いです。
歌唱についても心なしか以前より良くなった気がします。序盤の早口セリフはお見事。



第7位 FLOW「ブレイブルー」

2作連続2回目のランクイン。
この曲もまたポップかつスケール感のあるバンドサウンド曲で、
「DAYS」「COLORS」と同じ系統とはいえ、良いものはやっぱり良いなと。
でもこの曲が全く知らないバンドの曲ならもっと上にもってきていたかもしれない。



第6位 SILLYTHING「サマーロマンサー」

ゲストボーカルに夢眠ねむ(でんぱ組.inc)と桃井はるこを迎えた曲で、
この強烈なまでにパンキッシュかつポップな世界がたまらない。
ちなみに作曲は元センチメンタルバスの鈴木秋則と聴いて、懐かしくなりました。
確かにこの曲はセンチバにも通じるものを感じさせてくれる!



第5位 ROACH「HIGH FIVE!!」

「OKINAMERICA」というアルバムタイトルが全てを表している。
これぞロックと沖縄音楽のチャンプルー。キャッチーなサビも良いですし、
Aメロ部分は特に沖縄の雰囲気を感じさせてくれますね。



第4位 高槻かなこ「凡常シンデレラの汁気のあるお願い」

まずボーカルが良い。昭和のアイドル声というキャッチコピーながら、歌唱力はそれよりも上。
そして作詞作曲は家の裏でマンボウが死んでるPが担当したというこの曲は、
メロディもさることながら歌詞が素晴らしい。ブッ飛んだ設定が最高。
昭和と平成が融合した名曲といえるでしょう。



第3位 ヤルタ会談「超人伝説」

この荒削りな勢いに完全にもって行かれた。
「超人伝説!」というフレーズは頭にこびりついてしまった。
ロック界の裏街道をばく進しているかのような雰囲気ながら、
この曲には不思議なキャッチーさを感じました。ということで3位に大抜擢!



第2位 C&K「王様ゲーム」

2作連続2回目のランクインにして2位獲得という大躍進。
歌謡曲的な雰囲気を感じつつもそれともまた違う独特のポップ感。
さらに歌詞の質がすごく高い。それに加えて高音ボーカルもハマっている。
これぞC&Kサウンドという、独自のジャンルを切り開いた素晴らしき名曲。
ところで彼らは本当にレゲエ寄りのアーティストだったのでしょうか? 
この曲を聴く限りでは全くそんな面影は感じないです!



第1位 ギルガメッシュ「斬鉄拳」

ヴィジュアル系バンドのランクインはこの企画初にして、いきなり1位というミラクルが起きた。
これは最高にカッコいい! 激しいサウンドもさることながら、
ボーカルがいわゆるV系的な歌い方ではなく、
全力投球で魂を込めて歌っているのが伝わってくるのも個人的には気に入った。
「くらえ 斬鉄拳!」 これには完全にノックアウトされました!





(次点)
安東由美子「一ヶ月」
10-FEET「コハクノソラ」
abingdon boys school「WE aRE」
中島美嘉「明日世界が終わるなら」
BRAHMAN「露命」
木村竜蔵「風の祈り」



これら全部ベスト10に入れたかったがその中でも特に安東由美子はランクインさせたかった。
女性シンガーのバラード曲もベスト10にあればバランス的には完璧だったはず。
これ以外の候補としてはeastern youth、イナガキゲンタBAND、
チャットモンチー、空想委員会、さらには大和姫呂未も投票候補でした。
しかし大和姫呂未はこの綺麗な曲からはあの過去が想像できない。 
それについてはこのブログでは書けないので気になる人は各自で調べてみましょう(汗)


2012年10月23日火曜日

歌姫ピラミッド 2012年10月版

2012年4月以来の更新となりました、歌姫ピラミッドの発表です。
歌姫ピラミッドとは、以前からお世話になっている音楽ブログ
「日本の歌姫たち」にて不定期で行われている企画で、
現在活動中の女性アーティストを、自分の好きな順に
第1階層(計1組)から第5階層(計5組)までランク付けするという企画です。

当ブログでは、歌姫ピラミッドをこれからは毎年4月と10月に
定期更新していこうかなと思います。ちなみに前回はこんな感じでした。
今年から「Japanese Dream -We Love J-Pop-」に参加したことにより
聴く歌手の数が大幅に増えたこともあって、今回のピラミッドは
今年4月と比べてかなり顔ぶれが変わりました。
それでは、発表したいと思います。








■第1階層
Do As Infinity


■第2階層
m.o.v.e  水樹奈々


■第3階層
Gacharic Spin(初)  BABYMETAL(初)  飛蘭  


■第4階層
ステレオポニー  天野月(↑)  妖精帝國  KOTOKO


■第5階層
黒崎真音(初)  陰陽座  Little blue boX(初)  angela  ぱすぽ☆(初)







第1階層と第2階層は前回に宣言した通り不動。
第3階層、今年後半最もハマったGacharic Spinと、
今年前半最もハマった飛蘭に加えて、
まだわずか4曲しか発表していないBABYMETALを異例の大抜擢。
この3組は実質今一番好きなアーティストといっていい。第1階層と第2階層は別格過ぎるので。
第4階層、ステレオポニー解散発表が未だに納得できないし悲しい。
全米進出も果たし、さぁこれから世界へと羽ばたくんじゃなかったのか。
天野月は今年リリースの新作「天の樹」を聴いてあらためて凄いと思ったので
最近は天野月子時代の曲込みでマイブームとして再燃してきました。
第5階層、黒崎真音はALTIMA込みでの抜擢、
Little blue boXはこれからのさらなる飛躍を期待、
ぱすぽ☆は今年に入ってからの新曲がどれも素晴らし過ぎる。
世界一周3部作をリリースしたということで、彼女たちも果ては世界か!?

次点は新曲リリースがここ1年以上無い、のあのわ、Bargains、復活新曲期待の二千花、
さらにはZwei、May'n、石川智晶、川田まみなどのアニソン系アーティスト勢など
候補が多過ぎて、次点だけでピラミッドをもう1個作れる。
ということで次からは第6階層まで発表しようかなと思ってます!
以上、自己満足な駄文に付きあっていただきありがとうございました。


2012年10月17日水曜日

[CDレビュー]  Do As Infinity「Do As Infinity X」

Do As Infinity X (AL+DVD)」
(2012/10/10) 

1. ヨアケハチカイ  
2. 東京亜熱帯
3. Work!
4. 蓮華
5. mannequin
6. コペルニクス
7. Right now
8. 送電線
9. また明日も少しだけ頑張ろうとおもう
10. ROCK DAYZ  
お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10)




Do As Infinityの記念すべき10枚目のオリジナルアルバム。
今作ではまず、アルバムタイトルのしりとりが途切れるというまさかの展開。
前作が「TIME MACHINE」だったので今作は「E」から始まる
アルバムタイトルになるものとばかり思ってたのですが・・・
さらに曲数も10曲と少ない。10枚目だから曲数も10曲なのだろうか?
そして極め付けは、先行シングル一切無しで全曲オリジナル曲のアルバムを、
通算10枚目にしてリリースしてしまったということ。
まさに彼らにしては異例ずくめの作品となりました。

しかしふたを開けてみれば、1回聴いただけで、
聴く前の不安を全て吹き飛ばしてくれるかのような作品でした。
まずこのアルバムについて、今までの彼らのアルバムとは違う最大の特徴は、
全曲の作詞が川村サイコさん名義になったということ。
DoAs第4のメンバーといってもいい、川村サイコさんの中の人の一人は
エイベックスを辞めたと聞いたので、もう彼らの曲の作詞をすることは無いのかなと
思っていましたが、今回戻ってきてくれて本当に良かった。
心からそう思わされるぐらいに、今作は歌詞が素晴らし過ぎる。

まず最大の衝撃を受けた曲は、2曲目の「東京亜熱帯」。
地球温暖化による環境破壊が進み、ついには人が住めなくなってしまった
未来の東京の姿を、アッパーチューンにのせて鋭くカッコ良く歌いあげた曲。
彼らはかつて5thアルバムにて「科学の夜」という、
核により地球が滅びゆく姿を歌ったバラード曲を作ったこともありましたが、
今回はそれとはまた違った切り口で、歌の力により、
この曲のような未来になってはいけないのだとばかりに
地球を守ることの大事さを、世に訴えかけている。
まさに芸術的でありながらも、ポップで聴きやすくてそれでいてカッコいい。
今のJ-POP界にこんな曲を作れるアーティストは他にいるのだろうか。
「千鳥ヶ淵にカイマン」とかこんな超次元的な世界の曲を歌う人ってどれぐらいいるだろうか。

そしてそれに並ぶぐらいに心を動かされた曲は、8曲目の「送電線」。
母子家庭で育った娘が、母のもとを離れお嫁に行く姿を歌ったこの曲は、
歌声とメロディが極上に美しいバラード曲で、それに加えて歌詞が心に沁みる。
今のJ-POP界は、親に対して感謝するという内容を、文字通りに
「感謝してるぜ」などというストレートな言葉で歌った曲はたくさんあれど、
娘と母という2人の間の情景描写をうまく交えながら、
育ててくれた母への感謝の気持ちを、言葉にせずとも自然に伝える曲というのは少ない。
これこそがプロの術だと感じさせてくれるものがあるました。

さらに4曲目の、古来の和の要素を感じる美しい歌詞とメロディにのせて、
亡くなった人のことを思う「蓮華」も極上バラード曲。
そして6曲目の、かつて地動説を訴えた学者のように、
たとえ周りに理解されなくとも自分たちを信じて突き進めという熱い気持ちが、
同じく言葉にせずとも自然に伝わってくるロックナンバー「コペルニクス」は
まさに彼らの決意表明のような曲にも感じる、共に勇気づけられる曲です。

このような、壮大さを感じる芸術的な曲たちの一方で、
女子の気持ちを歌った可愛らしいバンドサウンド曲の「Work!」、
ミディアムテンポながらも独特の切なさを感じるラブソング「mannequin」、
優しい言葉に癒される「また明日も少しだけ頑張ろうとおもう」などといった
身近で親しみやすい世界を歌った曲たちが同時に入っているというのも、
ポップさを忘れないという彼らの姿勢が伝わってきて良い。
それらの曲もポップでありながらもしっかりと歌詞、楽曲が練られています。
そしてラストの「ROCK DAYZ」は、ライブで盛り上がること確実な爽快ロックチューン。
歌うことにかける彼らの思いが伝わってくる曲でもありました。

そして、先日結婚を表明した伴ちゃんの歌唱についても、
結婚後も歌い続けるというその言葉通りに、決意が伝わってくる立派な歌唱でした。
世の中には結婚を機に引退する女性歌手も多くいるだけに、
これからも歌い続けてくれることが嬉しく思いますし、頼もしさを感じさせてくれます。

最後に、この作品を総評するならば、
1回聴いた段階では何となくカッコ良いな、何となく綺麗な曲だなという感想でも、
2回3回と聴くうちに、その歌詞の持つ力が心に響いてきて、
これは深い、そしてすごいと思える曲がたくさん詰まったアルバム作品。
そんな今作で唯一残念に思ったことは、シングル曲が1曲も無いということ。
これだけもの名曲が、1曲たりともシングルという形にて世に知られる機会が
無かったということは、やっぱり惜し過ぎる。
せめて「送電線」ぐらいはシングルで出しても良かったのでは。
ともあれ、通算10枚目という記念にふさわしい傑作アルバムでした。
DoAsこそがNo.1アーティストだと約13年間ずっと信じて応援し続けてきた、
私のその目に間違いはなかった。そう思わせてくれた作品でした。



2012年10月15日月曜日

10月15日(月曜日)の日記

・LIGHT BRINGERのボーカルのFukiさんと、
Gacharic Spinが合体して、「DOLL$BOXX」という新バンドを
結成するというニュースが今日入ってきました。

公式サイト
http://dollsboxx.com/index.html

まさかまさか、これには驚いた!
公式によると早くも12月にはDOLL$BOXXとしてのCDリリースとライブもするようですし、
これは少なくともCDは絶対買わないとなと思ってます。
ライブも予定が合えば行きたいです。そこではGacharic Spinの曲もやったりするのでしょうか?
ちなみにLIGHT BRINGERの曲の方もYoutubeなどで試聴した限りでは名曲の宝庫。
アルバムも聴こうと前から思ってるけどいまだ聴けてない・・・

そして、このLIGHT BRINGERにも当てはまりますが、最近自分で気が付いたことは、
私が本当に好きになるアーティストというのは、
大多数が楽曲・ボーカルなどのどこかしらに幻想的・神秘的な要素がある。
もちろんDoAsもそうだし水樹奈々もそう。
そしてそんな曲を作るのが得意な、アニソン系アーティストについては
もう9割方は制覇したと思うので、次はメタルを聴こうかなと思っています。
名前だけは知っているがアルバムを聴いたことがないアーティストというのがたくさんいますので。
ただ日本のメタル系バンドの作品ってレンタルでなかなか置いてないんだよな・・・
TSUTAYAのロックコーナーに行くと、全く無名のインディーズロックバンドの
作品が置いてたりするのに、メタル系となるとメジャーデビューしている
アーティストの作品すらほとんど置いてないのはなぜなんだ。
残念ながら今知ってるバンドの作品を全部買うお金は無いんだ・・・

とりあえずCyntiaのアルバムは今年中に買うつもりでいます。





・今日、録画していた秋アニメを計3本見てみました。
実は先週の今頃も録画していたアニメを見ようと思ったら、
DVDのデータが全部吹っ飛んでたというまさかのアクシデントがあったため、
結局全部第2話から見るという形になりましたが、
まずは、主題歌がangelaだからという理由のみで、「K」を見てみました。
しかしこれはよく分からなかった・・・ angelaの主題歌は素晴らしかったですが。
さらには、主題歌がGRANRODEOだからという理由のみで、「コード:ブレーカー CODE:BREAKER」も見てみました。
こちらは途中からだんだん面白くなってきそうな雰囲気だったので、
とりあえず次回も見ようかなと思ってます。あとGRANRODEOの主題歌良かったです。

しかし今回見た中でなんといってもダントツで一番面白かったのは「リトルバスターズ」。
草野球チームを作ろうと、学校内でいろんな生徒に声をかけて
メンバーを揃えていくという、その過程がまた笑えるし面白い。
子供の頃からそうだったけど、やっぱりアニメはギャグ的要素が入った作品の方が好きだなと。
「ドラゴンボールZ」より「ドラゴンボール」の方が好きだったこともなんとなく覚えてる。
「ギャルのパンティおくれーっ!」 やっぱこういうお笑い要素がないと!


俺の所属する草野球チームにも、神北小毬ちゃんみたいな可愛い子が入部してこないかな~。





・かつてブログに書いたこともある草野球のチームメイトが現在所属している、
大和広陵高校野球部が、秋の近畿大会への出場を決めました。
何やらすごい1年生エースもいるようで。まずはぜひ春のセンバツに出場して欲しい! 
しかも調べてみると、秋の奈良大会では準決勝まではオール完封勝ちだったようです。 大和広陵は春のセンバツには30年前に1度出場経験がありますが、 夏は言うまでもなく未出場。 立田投手がエースでいる間に、大和広陵にはぜひ夏の甲子園に出場を果たし、 奈良の高校野球の歴史を変えて欲しいと思いましたが、 でも応援はするけど、期待はしない。 期待したらどうせまた天理戦か智弁戦でボテボテの内野安打とかイレギュラーとかが引き金で逆転負けするんだろ・・としか思えない。 去年秋の奈良大付の悲劇といい、奈良の高校野球を見続けてるとそういう思考にしかならなくなる。 とりあえず立田投手に真っ先に望むことは、故障しないこと。 ここ数年の間でも、奈良の甲子園未出場校の好投手が天理戦智弁戦を前にして故障したというのを2回ぐらい見てきていますし。 中学にして世界の舞台を経験したエースには、どうか大きく育って欲しいです。

2012年10月13日土曜日

[CDレビュー]  AIR SWELL「Rimfire」


AIR SWELL「 Rimfire」
(2012/8/2) 

1. Kick it Knock it !!  
2. アンビヴァレンス   
3. FAST LANE  
4. Bite Me  
5. Platinum   
6. JAP POPPER  
7. ツナガルキズナ  
8. バッドボーイズ セレナーデ  
9. 2012 to THE HEADERS (シークレットトラック)
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)




四国出身の3ピースロックバンド、AIR SWELLのインディーズ1stアルバム。

ここまでロックバンドらしいロックバンドは最近の音楽シーンにおいては
珍しいぐらい。反骨精神に溢れた曲が詰まった作品です。
特に2曲目の、ありきたりなラブソングばかりの音楽シーンに
綺麗事ばっか言うなとばかりに喝を入れる「アンビヴァレンス」は鮮烈。
さらに6曲目「JAP POPPER」は、これ以上に挑発的。
似たような着うた系R&Bの大量生産をするJ-POPシーンに対して、
ブラックのふりしてるだけ、この程度の曲ばかりでは外国から笑い者にされると訴え、
さらに安易なサンプリング曲に対しては
「10分かからんわい」「誰だって書ける」とブッタ斬る。
これはもう個人的には、よくぞ言ってくれた!と思いました。
欲を言えばもう1~2年ぐらい前にこれをリリースできていればもっと良かったですが。

彼らはまさに時代の反逆者。しかし歌唱カードに顔文字を使っているのは今風。
そしてこのように毒づいた内容の楽曲であっても、メロディが良いので、
爽快感やカッコ良さの方を全面に感じることができる。
ボーカルの歌唱についても抜群にカッコいいですが、かなり発音を崩して
歌っているので歌詞カードを見ないと何を言ってるのか分かりにくく、
日本語詞であっても英語に聞こえるという特徴もあります。
しかしそれもまた個性かなと。

1、4曲目のような全英語詞曲や、5曲目のようなラブソング、
さらに7曲目のように絆を歌った曲も作れるというのも良い。
ただむやみに叫ぶだけではない、確かな実力というものも感じさせてくれます。

そんな今作の、実質ラスト曲の「バッドボーイズセレナーデ」は、
これぞ本物のロックの力を感じる、最もメロディアスでありながらも
同時に最も熱いナンバーといっていい、ラストを飾るにふさわしい名曲。
この曲は2012年のロックシーンの中でも屈指の名曲なのではないかと思いました。

曲数が実質8曲と少なく、さらにアレンジもやや画一的な感がありますが、
それでもインディーズ1stアルバムとしては会心の作品。
将来的にはぜひメジャーシーンにて暴れまくってくれることを期待してます。