ハルカトミユキ「 シアノタイプ」 (2013/11/6) 1. 消しゴム 2. マネキン 3. ドライアイス 4. mosaic 5. Hate you 6. シアノタイプ 7. 7nonsense (インスト) 8. 振り出しに戻る 9. 伝言ゲーム 10. 長い待ち合わせ 11. ナイフ 12. Vanilla お気に入り度:★★★★★★★★☆ (8.5/10) ハルカトミユキの1stフルアルバム。 優しいフォーク調のメロディに、ダークで毒のある歌詞が組み合わさった楽曲の数々は 儚げで美しくも、時に衝撃的。 これぞ新生オルタナ・フォークデュオと名乗るにふさわしい内容の作品です。 3曲目の「ドライアイス」や、12曲目の「Vanilla」などといったバラード曲は 切ない歌詞と歌声が、美メロバンドサウンドの中に絶妙に溶け込んでいる。 その哀愁にじっくりと浸りたくなる曲です。まさに絶品。 しかしその一方で、アップテンポなロックナンバーである 2曲目「マネキン」には、聴いていて胸を突き刺された。 こんな儚げな声で、聖飢魔Ⅱのホラー曲みたいな内容の歌詞を歌われたらそりゃ驚く。 4曲目「mosaic」は同じくアップテンポな曲調にのせて挑発的なフレーズを連発。 5曲目「Hate you」ではポップな曲調で君が嫌いと歌う。 これらの曲は、まるで今のJ-POPシーンに対して真っ向から刃向っているかのよう。 一見優しいふりして、こんなにもひねくれたものを持っているとは・・・ 同じくひねくれ者である私にとっては、これが刺激的で面白く感じました。 歌詞だけならば、鬼束ちひろやCoccoの後継者的存在であるともいえますが、 このユニットの曲については、歌唱で大きく盛り上がるという場面が無く、 ひたすらその歌声が切なく響くので、アルバム全部を聴き通すとなると、 後半には重さを感じてしまいました。特にラスト3曲は、 どれも素晴らしい曲ばかりなのだが、さすがに鬱曲3連発は心に響き過ぎて・・・ 心に響かない曲よりははるかに良いに決まっていますが。 個人的には10年以上前に聴いていたらおそらくもっとハマっていたと思います。 今後はアップテンポ曲をうまく使うなどして、作品に今作以上の緩急を つけられるようになれば、さらに良くなるのではと思いました。 こういう歌手が久々にブレイクするところも見てみたい。期待の新人ユニットです。
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2013年12月30日月曜日
[CDレビュー] ハルカトミユキ「シアノタイプ」
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