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2015年12月28日月曜日

[CDレビュー]  SEGARE「漣 -さざなみ-」


SEGARE「 漣 -さざなみ-」
(2015/4/15)

1. 華吹雪
2. 辛抱、漫ろ
3. 源氏蛍
4. 浪花の女
5. 照々坊主
6. 指切拳万
7. 口説きの文句
8. 上弦の月
9. 如雨露
10. 月光
11. 夏の空
12. 一か八か
12. Each Maw Two (Bonus Track)
お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10)
(配信&ライブ会場限定販売)




SEGAREの通算3枚目のフルアルバム。「演歌×ロック」をコンセプトに活動する
2003年結成の関西出身4人組インディーズバンドの作品。
先日にライブを観た時にはパフォーマンスのスゴさにも驚きましたが(レポはこちら)
同時に楽曲の方も素晴らしい曲ばかりに違いないと直感し、即物販でCDを購入。
これが見事に期待通りでございました。歌謡ロックが好きな者には感激モノの作品。

曲調的にはライブで盛り上がれるようなアップテンポ曲が中心ながらも、
3曲目「源氏蛍」や8曲目「上弦の月」のような青春パンクっぽいものから
4曲目「浪花の女」のようなド演歌バラード曲まで幅広さがある。それでいてどの楽曲も
ほのかに哀愁漂う曲世界が広がっている。これぞ歌謡ロックバンドの王道。
同じく演歌要素の入った曲を歌うバンドである怒髪天よりボーカルがクリーンなのも特徴。
11曲目「夏の空」あたりではコブシを利かせた歌唱も聴かせてくれるだけに
個人的にはもっとコブシを入れても良かったぐらいでしたが。
インディーズバンドなだけあってか、転調で演奏がもたつくところがあるのと
7曲目「口説きの文句」のサビがKinki Kidsの「雨のMelody」に似ているのは
やや気になってしまったところだが、それでも楽曲のメロディの良さは
インディーズとは思えないほどに、全曲の質が高い。


そんな今作の中でも大傑作だと言っていい曲が、12曲目の「一か八か」。
祭囃子を取り入れたロックは、かつてのザ・コブラツイスターズの曲を
思い出させるものがあった。これには魂を揺さぶられる。お祭り男の血が騒ぐ。
歌詞カードに無い「1、2、3、4、よっしゃ行けー!」というコーラスも最高だし
曲終盤で別のサビがもう1つ登場するかのようなメロディ展開も素晴らしい。
こんな曲をやってくれるバンドに、また出会えるとは思ってなかっただけに嬉しい。

近年の日本のバンドシーンには、このようなモロに歌謡曲なバンドが躍進できる土壌が
無いような気がする。あればコブツイも解散せずにバンドを続けられたはずだ。
こういう楽曲を積極的に推すメディアが、ツイッターの歌謡ロックbotぐらいしか
無いというのが残念ですよ。子供からお年寄りまで幅広い層に受け入れられる
可能性のある楽曲が多いだけに、惜しく感じずにはいられない。

なおCD上では12曲目終了後にボーナストラックとして収録されている「Each Maw Two」は
演歌要素が無い、ストレートなバンドサウンドで聴かせる夏ソングで、
こういう曲もこれまでとは違う爽快感があって良いなと思いきや、
サビの歌詞がとんでもないド下ネタだった。曲名はイチモ(以下自粛)
あぁこれはメジャーレーベル所属なら絶対にリリースできないような曲ですね、
こんなんだから実力あるのにメジャーから声がかからないのか?
ともあれ来年は更にハマりそうなバンド。過去のCD作品もこれから聴いてみたいです。



ボーカルの大蔵さんは「探偵ナイトスクープ」に出演経験があったんですね。
てか職業はミュージシャンだろ・・・次は歌番組への出演を期待してますよ。




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