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2012年8月19日日曜日

[CDレビュー]  天野月子「Sharon Stones」


天野月子「 Sharon Stones」
(2002/6/5) 

1. 菩提樹
2. Treasure
3. B.G.~Black Guitar+Berry Garden~
4. HONEY? 
5. スナイパー 
6. 青紫
7. 刺青
8. Butter Fingers 
9. ロビン
10. 箱庭~ミニチュアガーデン~(Sharon mix) 
11. カメリア 
12. 箱舟 (シークレットトラック)
お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10)




2002年にリリースされた、天野月子の1stアルバム。
オルタナティヴロックをベースとした、深遠でスケール感のあるサウンドをバックに
ラブソングの数々を歌う彼女のその姿は、これぞ「歌姫」と呼ぶにふさわしい。
それでいて時にはポップに、時にはハードに歌いあげ、
どの曲もメロディアスで聴きやすい作品であるというから素晴らしいです。

特に前半の6曲はどれも本当に凄い。
まず1曲目の、ストリングスを交えた壮大なロックナンバー「菩提樹」がいきなり凄い。
同じく、ロックに抱いて抱いてと歌う「HONEY?」も素晴らしいですし、このように
ハードなサウンドにのせて、圧倒的なまでの愛を歌う曲は彼女の曲の真骨頂。
さらに、ポップ系の曲においても、激しさと親しみやすさのバランスが見事な「Treasure」
アンバランスな2人の姿を歌った歌詞が面白い「B.G.」、
同じく痛快な曲で、最後のピストルの音にはまさに心を撃ちぬかれる「スナイパー」
などといった曲がどれも素晴らしいです。

そして、妖しげで心踊る夜の雰囲気を感じる曲で、
さらに曲後半からピアノの音が絡んでくるサウンドが
絶妙なまでのミステリアスさを醸し出している「青紫」は隠れた名曲。
この曲に代表されるように、月子さんの曲は夜が似合う曲が多い。やはり月なだけに。

アルバム後半の曲も、終盤に向かうにつれ怒涛なまでの攻めを見せ、
ラストの「コロシテ」というセリフにはこれまた心を撃ちぬかれる
「箱庭~ミニチュアガーデン~」や、ストリングスの音が絶妙に溶け込んだ
ロックバラード曲「カメリア」といった曲がとても良かったです。

これがメジャー1stアルバムとは思えないぐらいに、完成され尽くした作品でした。
ラブソングだけしか歌わない歌手の作品がお気に入り度満点になることはないと思ってたけど、
これだけ1曲1曲の質がとんでもなく高ければ、別にそんなことはどうでもいいやと思った、
それぐらいの作品でした。現在は、天野月という名前にてインディーズで活動を続けて
いるようですが、つくづく、彼女は一度活動休止なんてすることなかったのにと思います。
ずっとメジャーの大舞台にて、作品を聴き続けたかったです。


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