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2012年8月3日金曜日

[CDレビュー]  fra-foa「宙の淵」


fra-foa「 宙の淵」
 (2001/2/21) 

1. 真昼の秘密  
2. プラスチックルームと雨の庭  
3. 夜とあさのすきまに  
4. ひぐらし  
5. 澄み渡る空,その向こうに僕が見たもの。  
6. 君は笑う,そして静かに眠る。
7. 青白い月   
8. 月と砂漠 
9. 宙の淵
お気に入り度:★★★★★★★★ (8/10)





2001年にリリースされた、fra-foaの1stアルバム。
重く激しいロックバラード中心のアルバム作品です。
アルバム曲の大多数において、タイトル通りに宇宙的なスケールにて
鳴り響く轟音ギターサウンドと、シリアスで胸を突く言葉の数々を、
紅一点ボーカルの三上ちさ子が、時に悲痛なまでに激しく歌い上げる。
そんなこの作品はまるで、この大地に絶え間なく降り注ぐ大粒の雨のよう。

その中でも2曲目の「プラスチックルームと雨の庭」は全てにおいて凄過ぎる。
人に愛され慣れていなくて、どこか冷めていて、しかしそれでも
本当は愛されたいという願いを歌っている、歌詞がまた素晴らし過ぎる。
ここまで歌詞の最初から最後までの一語一句が共感できて、
胸に迫ってきて、そして泣けてくるぐらいの曲はそう滅多にないです。

しかしこのアルバム、1曲1曲は凄い曲ばかりですが、
実は個人的には今までそれほど聴いてはいないというアルバム作品です。
その理由は、あまりにも壮絶過ぎて、涙なしには聴けないぐらいの作品だから。
通常の精神状態の時にこれを聴き続けたら鬱になるぐらいの作品だから。
心に響き過ぎる、曲の質が高過ぎるがあまりに、逆に何度も繰り返して聴けないという作品も珍しい。
曲数は9曲しかないのに15曲ぐらい聴いたような気分になる。
もうお腹いっぱいですこれ以上は勘弁して下さいと音をあげてしまうぐらい・・・
ちなみに彼らの曲は、同時期にCoocoがブレイクしたこともあって
それと比較されることも当時はあったようですが、
個人的には、曲の壮絶さでいえば初期のCoccoを超えていると思います。

決して万人ウケはしない作品でしょうが、その凄さだけは多くの人が感じ取れるのではないかと思う、そんな作品です。
ハマる人はとことんハマること間違いなしでしょう。


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