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2014年12月29日月曜日

[CDレビュー]  怒髪天「歌乃誉 "白"」


怒髪天「 歌乃誉 "白"」
(2014/11/26)

1. ひともしごろ
2. バガディ・ガッタ!
3. どっこいサバイバー
4. 人生○×絵かきうた
5. 明日の唄
6. ジャガイモ機関車
お気に入り度:★★★★★★★★ (8/10)




怒髪天のニューミニアルバム。今作もガッツ溢れる曲を歌いつつも、
サウンド面では新たな挑戦を随所で見せてくれた作品でした。

まず1曲目「ひともしごろ」はストリングスを取り入れたバラード曲で
彼らの曲にしてはこのアレンジは意外。メロディの良さが光っている上に
歌詞が素晴らしい。大人になっても少年の頃のように輝き続けたいと歌う姿が
心に響くし共感できる。シンプルな詞ながらもここまで良いと思ったのは久しぶり。
「いつかの少年」というフレーズが好きです。かつてはザ・コブラツイスターズの曲のタイトルにもありましたが。

2曲目「バガディ・ガッタ!」は陽気なアッパーチューン。
ひたすらバカっぽい曲かと思いきや、
「バカじゃなければ こんな世の中 耐えきれないよ」
というオチで終わったのはうまい。社会風刺が効いています。

3曲目「どっこいサバイバー」はポップでこれまた明るい曲。
90年代のJ-POPを彷彿させるような懐かしくもキラキラ感溢れたサウンドをバックに
元気いっぱい歌い上げるところが良い。サビのあまりのキャッチーさにやられました。

4曲目「人生○×絵かきうた」はジャズ歌謡ロック。
テクニカルな演奏が光る高速テンポの曲で、サウンドだけ聴けばV系バンドっぽくもある。
このアレンジには驚きました。歌詞とボーカルはらしさが存分に出てますが。

5曲目「明日の唄」は王道演歌ロックバラード。
哀愁を漂わせつつも力強く歌う姿が印象的です。

6曲目「ジャガイモ機関車」はGSやカントリーの要素が入ったアッパーチューンで、
彼らの地元である北海道の、広大なジャガイモ畑の風景が目に浮かぶかのような曲。
「♪シュッシュッポッポ」という掛け声が耳に残る。ノリの良さは抜群。
近年は気取った雰囲気のバンドが増えたと感じる中で、
その流れに真っ向から逆らうかのごとく、自らをデコボコのジャガイモに例えた曲を
作ってしまうあたりに、彼らの個性を感じる。親しみやすくて良いと思います。

曲数は6曲と少なめながらも、1曲1曲の完成度はこれまでのアルバム作品の中でもとりわけ高いと感じました。
結成30年目、この年になってもまだまだ進化し続けるんだという意欲が伝わってくる作品です。







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