筋肉少女帯「 エリーゼのために」 (1992/5/21) 1. 人生は大車輪 2. 世界の果て ~江戸川乱歩に~ 3. ソウルコックリさん 4. 戦え!何を!?人生を! 5. じーさんはいい塩梅 6. 生きてあげようかな 7. スラッシュ禅問答 8. 妄想の男 9. 悲しくて御免なさい 10. 新興宗教オレ教 11. 愛のリビドー(性的衝動) お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10) 1992年にリリースされた、筋肉少女帯の7thオリジナルアルバム。 ベストアルバム「筋少の大車輪」からわずか3ヶ月後にリリースされた今作は、 「人生」というテーマのもとに作られた作品となっています。 まず、前ベストからの流れを汲むかのような1曲目「人生は大車輪」は、 どことなく中華テイストを感じるハードロックという 新境地を切り開いたサウンドと、人生という名の戦いに 出撃する姿を描いた歌詞が共に面白いオープニングナンバーです。 続く「世界の果てに~江戸川乱歩に~」はパンキッシュな曲で、 それと同時に歌の途中に入る、放送禁止の「ピー」という音がインパクト抜群。 そして3曲目、「ソウルコックリさん」では、 吉幾三「俺ら東京さ行くだ」のパロディとして作られた歌詞が面白い。 ラップやコーラスも特徴的で、こちらもインパクト満点な曲。 続く「戦え!何を?人生を」では曲の後半以降、文字通りに 「戦え!何を?人生を」という同じフレーズの繰り返しばかりになるものの、 その言葉を声が枯れるまでひたすら叫び続け、それと同時にバックのサウンドは 深みを増していくという曲展開は、もはや衝撃的。 この前半4曲は特に素晴らしいと思いました。 サウンド面では、今まで以上の広がりをみせた分、激しいメタル系の曲は減り 特に5曲目以降は、バックの音だけはポップ寄りになった印象です。 それでも7曲目の、文字通りにスラッシュメタルな「スラッシュ禅問答」は迫力満点。 ラストの「愛のリビドー」ではいきなり「我が性的衝動をー!!」と叫び出し、 これには思わず笑ってしまいそうになりますがこの曲も質自体は高いバラード曲です。 歌詞は相変わらず妄想満載の内容で、この曲世界に引きずりこまれるかどうかは 聴く人次第でしょうが、今作はサウンドがカラフルになった分、 今までよりは比較的入りやすい内容のアルバムかもしれないと思いました。 ちなみに、もし今の時代に彼らのようなアーティストが出てきていたら、 ニコニコ動画から人気に火がつきその後はアニメタイアップを中心に 売り出されるのかななんて思ったりもしますが、果たしてこんなタイプのバンドは これから先、世に出てくることがあるのだろうか・・・
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2012年11月28日水曜日
[CDレビュー] 筋肉少女帯「エリーゼのために」
2012年11月27日火曜日
11月27日(火曜日)の日記
第63回NHK紅白歌合戦の出場者が発表されました。 http://www9.nhk.or.jp/kouhaku/artists/ まず初出場組からいえば、ももいろクローバーZとプリンセス・プリンセスと ゴールデンボンバーと斉藤和義の出場はおめでたい。 どんなステージが見られるのか今から楽しみです。 しかし平原綾香とアンジェラ・アキが紅白落選してるのはなんでだーー!!! この2人に関してはCD売り上げとか関係なく、 芸術性の高い曲を歌う女性シンガーソングライター枠として ずっと出場し続けて欲しかったし、NHKならそういうタイプの歌手を 選び続けてくれると信じてたのに! 去年歌われた、アンジェラ・アキ「One Family」は文句無しの私的MVPだと 言えるぐらいに素晴らしい曲、そして素晴らしいステージだったし、 平原綾香「Voyagers」も何度聴いても名曲だと思える曲でした。 てかNHK「ダーウィンが来た!」のテーマソングが今年から 「スマイル スマイル」という曲に変わったのは、 今年はこの曲で平原綾香が紅白に出場するというフラグではなかったのかと! 彼女たちのような、神秘的かつスケール感抜群なバラード曲を 歌える女性歌手が紅白に1組も出ないなんて残念だ。 その観点でいえばせめて、NHK「歴史秘話ヒストリア」のテーマ曲 「symphonia」を歌っていた、Kalafinaを初出場させて欲しかった。 でも個人的にはKalafinaの曲でいえば、NHKみんなのうたで歌われた 「moonfesta~ムーンフェスタ~」の方が好きなんですけどね。 あと、自分が興味あるか無いかは別にして、K-POP歌手も1組は出して欲しかった。 てか去年は3枠は多過ぎ、1枠にまとめてその空いた枠で 熊谷育美を出して欲しかったとか思ってたのに、 今年一気にゼロとなるとそれはそれで露骨過ぎだろと思ってしまう。 一部の人たちの叩きなんてのは無視で良かったのに。音楽に国境は無い。 国境を越えて全世界の人の心をつなぐことができるのが音楽の持つ力だ。 それに対してジャニーズは4枠でも多過ぎるぐらいなのにさらに1枠増えるのか・・・ 特にNYCはなぜ選ばれるのか全く分からないが、その理由は NHKアニメ「忍たま乱太郎」の主題歌を歌ったからなのか? 忍たま乱太郎自体は昔は好きでよく見てたけど、 そのオープニング曲に関してももうそろそろいい加減思い切って 陰陽座の「○○忍法帖」とかに変えた方がいいと思うぐらいなのに! まぁ、でもなんだかんだ言っても紅白に関して一番嬉しいと思うことは、 今年も水樹奈々が出場するということなんですけどね。 曲は「Synchrogazer」が選ばれたら最高です。 そしてさらに、裏紅白歌合戦の出場者も発表されました。 http://homepage3.nifty.com/jiyujoho/urak12.htm 当ブログの予想通り、紅組鬼束ちひろVS白組和田アキ子の対決は実現いたしました。 しかし鬼束ちひろの出場曲はテレビでもたくさん流れた「月光」で良かったのに。 あと、今年再結成を果たしたブリーフ&トランクスの復活出場がならなかったのも残念。 新曲「ゴールデンボール」が裏紅白でも紹介されることを期待してたのに。 てかまさか、小林幸子がアトラクション枠で出るとは予想してませんでした! これが今回一番の意外だったところでしょうか。 以上、今日は紅白関連の日記を書きましたが、最後に超個人的な希望を語ると、 私のツイッターにて唯一相互フォローさせて頂いているメジャーアーティストである 早川大地さんが所属する、東京エスムジカはいつかNHK紅白歌合戦に選ばれて欲しい。 今日の日記で紅白に希望した内容全てがあてはまるアーティストですから! それでは、今年も12月31日の放送を楽しみにしています。
2012年11月26日月曜日
[新・CDレビュー] より子「second VERSE」
より子「 second VERSE」 (2006/2/15) 1. N.Y 2. タイヨウ 3. さあ今きみと 4. HIKARI 5. 復唱 6. second Birthday 7. Vant 8. koi 9. ダイアの花 10. ただ手をあなたに伸ばして 11. 紡ぐ糸 12. うた お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10) 2006年にリリースされた、より子の2ndアルバム。 ピアノ弾き語りをベースにしながらも、初期の頃と比べると 楽曲の振り幅が一気に広がったアルバム作品となっています。 この多彩さはピアノ弾き語り系女性歌手のアルバムとしてはトップクラス。 しかもそれでいてどの曲も質が高いというから素晴らしいです。 「N.Y」「タイヨウ」「koi」のような王道ピアノバラード曲もあれば、 「復唱」のように「くたばっちまえ」という激しい叫びを聴かせてくれる弾き語り曲もある。 さらに「HIKARI」「紡ぐ糸」のような洋楽テイストのバラード曲もあれば、 アニソン・ゲーソン的な世界観を持った「Vant」のような曲もあり、 さらにはすさまじい突進力を感じるロック曲「ダイヤの花」 のような曲もありといったように、最初から最後まで 編曲のバリエーションに富んだアルバム作品となっています。 その中でも個人的に特に素晴らしいと感じた曲は、 ピアノの音とバンドサウンドの融合が抜群の爽快感を 感じさせてくれるアッパーチューン「さあ今きみと」と、 愛する人を失いそうになるその辛さや心の叫びを歌ったバラード曲で 歌詞カードの横にも「ただのラブソングじゃない」と書かれている 「ただ手をあなたに伸ばして」の2曲です。 この2曲からは特に「音楽の力」を感じさせてくれます。 そしてこれらどのようなジャンルの曲を歌おうとも、彼女の歌声には、 言葉では言い表せないぐらいに胸に伝わってくるものがある。 バラード系の曲であっても静かなパワーを感じる。そして思ったことは、 今まで本当に色々と苦労してきた人が歌う曲は、やっぱり違う! 以前にもテレビなどにて話題になったことがありましたが、 彼女は子供の頃に小児ガンを患い、闘病生活を送った過去や、 さらにはその影響で学校を不登校になった過去があるようです。 そんな人生を送ってきたより子さんが、力を込めて作ったその歌には 他の歌手には無い、より子さんにしか持ちえない歌の力がある。 そんなことを感じた作品でした。 どうかこれからも良い曲を作り続け、そして歌い続けて欲しいです。
2012年11月25日日曜日
[オフ会レポ] 11月24日(土曜日)の日記
11月24日(土曜日)、いつもお世話になっている音楽ブログ 「Japanese Music 2」のオフ会に参加してきました。 まず1次会の会場となる、尼崎市のカラオケ店まで車で行くこととなりました。 しかし事前に、カラオケ店の駐車場は2台しか無いと聞いていたので もし空いてなかったらどうしようかなとは思っていました。 カラオケ店の場所については地図検索で勝手に「まねきねこ」で間違いないと断定、 そしてそこへ行ってみたところ、最初は駐車場の存在自体に気づかず 店の前を走ること2周目にして、あの自転車が大量に停まっているところが 実は駐車場だったんだということに気づきました。 なので一旦車から降り、勝手に自転車の片づけ作業をすること小一時間(大げさ) ようやく駐車場が空いて良かった!と思ったら気づけば時間は昼1時ちょうど。 今回のオフ会の待ち合わせ時間は塚口駅前にて1時じゃないか! 危うく遅刻だ! と思いましたが、とりあえず店の前にいますというメールを送り、 まぁ1時までに会場には着いていたのでセーフだということにしてもらい(爆) 待つこと数分、ようやく主催者のカーシーさんと3ヶ月ぶり4回目に会うことができました。 さらに、柊朱雀さん(1ヶ月ぶり4回目)、gohanさん(11ヶ月ぶり2回目)、 まなみさん(初対面)とも会わせて頂き、この計5人でまずはカラオケに行ってきました。 ちなみに今回歌った曲はこちらです。 FLOW「ブレイブルー」 ロードオブメジャー「さらば碧き面影」 B'z「It's SHOWTIME!!」 ぱすぽ☆「Next Flight」 こより「サビに「さくら」で入ると売れるらしい」 BABYMETAL「ヘドバンギャー!!」 GRANRODEO「ROSE HIP-BULLET」 中島みゆき「I Love You、答えてくれ」 エレファントカシマシ「はじまりは今」 HIGH and MIGHTY COLOR「DIVE into YOURSELF」 10-FEET「コハクノソラ」 Do As Infinity「冒険者たち」 藍坊主「ホタル」 コブクロ「轍-わだち-」 JAM Project「Rocks」 今回も半分ぐらいは初めて歌う曲でした。 藍坊主「ホタル」とかはメロディを完全に覚えてないのに勢いで入れてしまい 案の定一部がろくに歌えてない・・・ しかし、こういう場所だから何でも歌える。これが一番の素晴らしいところ。 そして、朱雀さんのコメント「キーを変える以外で、女性ボーカルの曲を 1オクターブ下で歌ったら負けた気になる」というのには超同感でした。 しかしキーを下げ過ぎると音程が分からなくなるので1個までしか下げないという、 これが事実上の自分ルールになっています。 ちなみに、カーシーさんのブログのレポでは私の歌のことについて 「パワフルな歌唱力に定評がある」などと書いて頂いていますが、 どう考えても、水樹奈々「ETERNAL BLAZE」を原曲キーのまま完璧に歌える 朱雀さんの方がスゴいと思います。私には無理です。 キーが最初から下がっている遠藤正明のカバーバージョンならいけると思いますが。 そして、主催者のカーシーさんは演歌・歌謡曲方面が特にさすがだなと思いました。 gohanさんはロック系の曲よりジャニーズ系の曲が多かったのはやや意外でしたが、 今まで私の周りにはそういう選曲をする人がいなかっただけに新鮮でした。 KAT-TUNの曲では朱雀さんとのコラボが見事、これがまた音楽系オフならでは。 まなみさんとは今回初対面ながら、ハイカラのファン仲間だったという 最大の共通点があるので、今回のカラオケでは「DIVE into YOURSELF」の マーキーパートをまなみさんに歌ってもらい、私がユウスケパートを歌うという 夢のコラボが実現いたしました。こんなことも音楽系オフだからこそ、 そしてファン同士だったからこそできたことだと思います。 念願が叶いました。ありがとうございました! カラオケ終了後にはステーキ&ハンバーグの店にて、 音楽の話題を中心に色々と話をさせて頂きました。 しかし、今回でオフ会に参加をするのはもう4回目ぐらいになりますが、 こうやって皆さんとの対談に加わらせて頂くと、 私は今まで音楽を聴いたりブログを書いたりすることに関して、 いかに独りよがりであったかということに気づかされる。 初期の頃のレビュー文なんて自分の考えを押し付け過ぎだし、 そもそもそれ以前に文法がおかしいところだらけですし、 こんなグダグダな文章を当時社会人の人が書いてたのかと思うと 自分が恥ずかしくなるレベルです! 実は今までにも、そのような内容が多々ある旧ブログのレビューについては 新ブログに移す形で、予告無しにちょこちょこ文章を修正しています。 最近では、CHERRYBLOSSOM「時空」のレビューを加筆修正しました。 そしてこれからは、あまりに文章の内容が変わってしまった場合は、 「新・CDレビュー」としてあらためてブログトップに上げていくという形に なると思いますので、どうかよろしくお願いします。 最後に、参加者の皆様、そして主催者のカーシー様本当にお疲れ様でした。 とても楽しかったです。 そしてこんな文章を最後まで読んで頂いた皆さんにも、ありがとうございました。
[CDレビュー] 筋肉少女帯「筋少の大車輪」
筋肉少女帯「 筋少の大車輪」 (1992/3/21) 1. 大釈迦 2. これでいいのだ 3. キノコパワー 4. 日本印度化計画 5. 悲しきダメ人間 6. 踊るダメ人間 7. サボテンとバントライン 8. いくじなし 9. PICNIC AT FIRE MOUNTAIN ~DREAM ON JAMES,YOU'RE WINNING~ 10. GO! GO! GO! HIKING BUS ~CASINO ROYALE~ 11. サンフランシスコ 12. イワンのばか 13. 電波Boogie 14. 元祖高木ブー伝説 15. 何処へでも行ける切手 16. パンクでポン (ボーナストラック) お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10) 1992年にリリースされた、筋肉少女帯のベストアルバム。 日本で最も素晴らしい歌詞を描くアーティストは誰かと聞かれたら、 様々な候補者が挙がるが、その候補の中の1人として大槻ケンヂを挙げたい。 そう思うぐらいに、超絶にハイレベルな歌詞とサウンドの数々が聴ける、 彼らの初期の名曲が一同に集まったベストアルバムがこの作品です。 彼らの代表曲といえばまず「元祖高木ブー伝説」が挙げられるでしょうが、 この曲も聴けば聴くほどに、あまりにも凄すぎる曲だということが分かります。 まず歌詞について、今まで色んな歌詞、色んな例えや比喩表現というのを見てきたが、 何もできない自分の無力な姿を、よりにもよって高木ブーに例えてしまうなどという こんな常人離れした比喩表現をもとに1曲作ってしまう人は他にいない。 そしてサウンドについても、君といつまでもいたかったという内容の歌詞の部分では、 愛する人に去られて気持ちの整理がつかない姿を表現するかのように 野球のバッティング音やビローンという音や銅鑼の音などが次々と登場し、 さらに曲終盤にはオーケストラまで登場して、音がどんどん壮大さを増していく。 この無駄だと思うぐらいの壮大さこそが、愛する人を失った悲しみの 深さを表現している。そして最後に聴く人に向けてとどめを刺すかのように、 ボーカルの大槻ケンヂによる、全ての力を振り絞るかのような渾身の魂の叫び 「ブー! ブー! 高木ブー! ブー! ブー! 高木ブー!」 これにはもう心を動かされずにはいられない。そしてこの曲を聴いて気づいた。 あまりにも壮絶で凄すぎる曲を聴いた時には、人は爆笑してしまうものなのだなと。 実際私もこの曲を最初に聴いた時には、笑いが止まらなかったです。 もう笑うしかない。名曲過ぎるがばかりにそんな気持ちになりました。 さらにもう一つの代表曲「日本印度化計画」も、 まず日本をインドにしてしまうという発想の時点で凄すぎる。 歌詞はシュールさが爆発、さらにサウンドもインド方面の音楽が混じってくるという このカオス世界はまさに、某インド映画の日本におけるキャッチコピーと同じく 「ワケ分からんが面白い!」 これもまた一種の芸術といっていい作品です。 しかしこの代表曲2曲だけを見れば、筋肉少女帯とはコミックバンドなのかと 勘違いする人も出てきそうですが、決してそうではないということは このアルバムを全て聴けばよく分かるでしょう。彼らの曲の最大の特徴は、 短編小説のようなストーリー性やドラマ性を持った歌詞と、 ハードロックやメタルをベースとしながらも型にはまらない編曲。 特にギターやキーボードのダイナミックな演奏とその旋律は、 歌詞世界の持つドラマチックさをより一層引き立てる役割を果たしています。 彼らの曲を聴けば、まるで国境や時空をも超えたかのような異次元世界に 引きずり込まれてしまう。これこそが本当の凄さといっていいでしょう。 異国の地での別れを歌った「サンフランシスコ」や、 ロシアが舞台の「イワンのばか」といった曲はまさに時空旅行的な曲。 さらには、無実の罪で13年間刑務所に入れられた人生を歌った「これでいいのだ」や ダメ人間の王国を作ろうという、まるで漫画ののび太的な発想を こんなにもパワフルに1つの曲として表現してしまった「踊るダメ人間」 といった曲も素晴らしいです。そして実質ラスト曲の「何処へでも行ける切手」は 本気で泣かせにくるかのようなバラード曲になっていたりといったように、 最後までその爆発的な才能を感じることができる作品になっています。 ボーカルについては、お世辞にも上手いとは言えないでしょうが、 しかしそれでも全力で魂を込めて歌っているその姿に心を動かされる。 とはいえ今作のために新たなリメイクとして作られた1曲目の「大釈迦」と、 デビュー直後に作られたその原曲の「釈迦」を聴き比べてみると、 初期の頃よりは歌唱が格段に良くなっているのが分かります。 その上にサウンド面でも歴代のギタリストが勢揃いしたギターソロが素晴らしく、 この1曲だけでもバンドとしてのより一層の進化を感じとることができます。 音楽というものは、無限の可能性があるものなのだと、 この無限の広がりをみせる彼らの曲世界を体感してあらためて感じました。 これこそが私が音楽に対して一番求めていたものなのかもしれません。 あまりにも個性が強いので、聴く人によって合う合わないがはっきりする アーティストではあると思いますが、ハードな曲がイケる人ならばぜひオススメしたいです。
2012年11月21日水曜日
11月21日(水曜日)の日記
11月も後半となり、間もなく紅白の出場者発表の季節が近づいてきました。 今年のNHK紅白の出場者予想や、その他NHK紅白歌合戦の話題については、 「紅白歌合戦のお話。」という素晴らしいブログがあるのでそちらを見て頂くとして、 実はこの時期、もう1つ楽しみにしているものがあります。それは、 毎年NHKの紅白出場者発表とほぼ同時に発表される「裏紅白歌合戦」の出場者発表です。 おそらく、全国の迷曲珍曲怪曲ファンの皆さんは本家紅白よりもこちらの方を 楽しみにしているのではないでしょうか!? このサイトの中には歴代の出場曲が試聴できるページもあったりしますので、 ここで今まで数々の素晴らしき迷曲に出会うことができました。毎年楽しませて頂いてます。 果たして、今年の裏紅白には誰が出場するのでしょうか? まず今年のトリには、 紅組・鬼束ちひろ(2年連続2回目) VS 白組・和田アキ子(14年連続14回目) という夢の対決を期待したいところです! しかし紅組の方のトリは2005年から7年連続で、日出郎「燃えろバルセロナ」 が歌われていることから、さすがに鬼束ちひろのトリは厳しいか・・・ ただ、白組のトップバッターが2005年から2010年まで6年連続で タモリ「ウキウキWATCHING」だったのが、去年は曲目が変わったという、 そんなこともあり得るのが裏紅白なので、果たして今年は新しい風が吹くだろうか・・? さらに今年はオリンピックイヤーということで、 やはりオリンピック関連の出場者にも期待したいところ。 去年まで6年連続出場中の、紅組・今井メロは今年も確実に出場が予想されるが 今年はその強力なライバルとして、白組・アニマル浜口の出場に期待したい。 あの「ロンドンでドン! ドンドンドン! 西郷ドン!」は笑撃衝撃的だった。 ぜひ今井メロとの夢のラップ対決をして欲しいです。 そして、アニソン枠も毎年のように複数の枠があることからこちらも楽しみです。 去年はまず、ツイッターなどでの多方面な活躍が認められる形で、 平野綾が出場3回目にして堂々の単独出場を果たすという快挙を成し遂げましたが、 そうなると今年は、eufoniusの出場があるだろうかということに注目。 知名度的には平野綾よりは一段落ちることは否めないですが、 今年出さなかったらそれこそアニソンファン的には「しょうもない」。 しかし、去年の裏紅白の中でも個人的に一番謎だったのは、Kalafinaの出場。 彼女たちはむしろ実力的にも楽曲的にも、表紅白に出てもいいぐらいの存在だと思う。 しかもNHKにおいては、「歴史秘話ヒストリア」のテーマ曲を歌い、 さらには「みんなのうた」も歌ったことから、 今年は表紅白出場の可能性も数%ぐらいはあると思っています。 実は裏紅白に出たその翌年以後に表紅白に出場を果たした歌手というのは 過去にも、はなわ、グループ魂、中村中などといった歌手が存在するので、 そうなると今年はぜひ、Kalafinaと初音ミクのNHK紅白歌合戦出場に望みを託したいです! 最後に、裏と表の間で注目といえば、小林幸子は果たしてどちらに出場するのかということ。 今年のここまでの活動を見る限りでは、初の裏紅白出場が近づいているようにも感じますが 彼女の場合は裏表ダブル出場もありえれば、ダブル落選もありえるという、 なんとも予想が難しい立場にあるように思います。 果たしてどういうメンバーになるのか、出場者発表が今から楽しみですね!
2012年11月18日日曜日
[私的名曲ランキング] 食べ物ソング マイベスト10
みんなでいい曲を発見する音楽投票企画「Japanese Dream -We Love J-Pop-」 との協力により作られた新企画「テーマ別私的名曲ベスト10」。 第3回のテーマは、「食べ物に関する曲」です。 「食欲の秋」ということで、このランキングは10月の時点で既に作っておきながら 気が付いたらもう朝の気温3度とか完全に冬じゃないかというタイミングでの 発表となってしまいましたが(汗) 細かいことは気にせずいってみましょう! 第10位 シブがき隊「スシ食いねェ!」 (1986年) 「NHKみんなのうた」で何気に好きだった。おそらく幼稚園に入る前の頃だったはず。 1986年の曲が登場するなんてのはブログ史上最古記録な上に、 ジャニーズ所属歌手(当時)が出るのもブログ史上初、 これはテーマ別マイベスト10ならでは。こんなのはもう2度と出てこないかも。 第9位 ブリーフ&トランクス 「石焼イモ」 (2000年) 今まで数々の迷曲怪曲を作ってきた彼らの曲の中ではある意味異色。 歌詞にニッコリと、そしてホロリさせられる、まさに石焼イモのように暖かい曲。 これは「迷曲」ではなく「名曲」だと言っていい曲でしょう。 第8位 KAB. 「カレーライス」 (2000年) 歌詞もメロディも良いし個性も光っていたシンガーソングライターだったので もっと評価されても良かったはず。この曲はタイトルからすれば意外なほどに切ない曲でした。 第7位 野猿「Fish Fight!」 (2001年) 2000年代版「スシ食いねェ!」とでもいうべき曲でした。 最後に思いっきりコミックソングに走りそして解散というのは華々しい終わり方だった。 第6位 放課後ティータイム「ごはんはおかず」 (2010年) 面白いの一言に尽きる。まさにお腹いっぱいの満足感。 こんな曲を作る高校生ガールズバンドが現実にいたら一生ファンになります! 第5位 ソニン「カレーライスの女」 (2002年) 歌詞の質が高い上に、ポップながらも同時に何ともいえない哀愁を感じる。 この曲はつんくプロデュースの曲の中で屈指の名曲なのではと思う。 ハロプロ全盛期の頃の曲よりもこちらの方がより良い曲だったような・・・ 第4位 HIGH and MIGHTY COLOR「マッシュルーム」 (2007年) シングル「Dreams」のカップリング曲ながら、個人的には表題曲より好きです。 ひたすらマッシュルームが食べたいキノコ料理が食べたいと歌った曲で、 こんなはっちゃけた面白い曲まで作ってしまう彼らはまさに私的最強バンドでした。 第3位 little by little「Sweet Noodle Pop」 (2005年) カップヌードルをテーマにした曲で、聴いていて思わず笑顔になれるハッピーな曲。 アルバムレビューでも書きましたが、彼らにはJ-POP界を背負って立つ存在になって欲しかった。 第2位 SEX MACHINEGUNS「みかんのうた」 (1999年) 「♪みかんみかんみかん みかーん!!!」 もうこれに尽きる。愛媛のみかんの魂を感じる。今までこれを何度歌ったか分からない。 第1位 BARGAINS「ハングリー」 (1999年) 歌詞の中で色んな食べ物が出てくる、食べ物ソング界の私的最高傑作。 1stアルバム「BARGAINS」でしか聴けないのというのが惜しいです。 この曲は「ジンセイ」のイメージで聴いたらド肝を抜かれるかもしれない。 それぐらいにぶっ飛んだアレンジと食欲が曲の中で炸裂している。 そんな中で最後に「私 あなたも食べたい」と締めるのにはうまさを感じます。 (次点) SEX MACHINEGUNS「刺身と山葵」 「JUNK FOOD」 「たまごDEATH」 マシンガンズはこれ以外にも「焼き肉パーティー」という曲や、 おでん(のカラシ)を歌った「イエローチューブ」 という曲があったりと、まさに食べ物ソングの宝庫。 「たまごDEATH」は冷蔵庫の手前でたまごが腐ってるのを見つけるが 怖くて取り出せないという内容の曲で、果たしてこれを食べ物ソングのカテゴリに 入れてしまっていいのか!? と思いつつも入れてしまったという(笑)
2012年11月17日土曜日
[CDレビュー] 中島みゆき「常夜灯」
中島みゆき「 常夜灯」 (2012/10/24) 1. 常夜灯 2. ピアニシモ 3. 恩知らず 4. リラの花咲く頃 5. 倒木の敗者復活戦 6. あなた恋していないでしょ 7. ベッドルーム 8. スクランブル交差点の渡り方 9. オリエンタル・ヴォイス 10. ランナーズ・ハイ 11. 風の笛 12. 月はそこにいる お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10) 中島みゆきのニューアルバム。 まず1曲目のアルバムタイトル曲「常夜灯」の、しっとりとしたムーディーな 雰囲気からして分かるように、今作はより歌謡曲色の強いアルバムとなっています。 特に前半の曲は、穏やかで優しい曲が多く、 歌い方、アレンジともに荒々しい一面は抑え気味です。 そんな中で、先行シングル曲の「恩知らず」はやはり楽曲全体の力強さが 頭1つ抜けていて、同時に素晴らしい曲だと思いました。 彼女のドラマ主題歌としては今までの曲とは路線が違うような気がして 最初に聴いた時はどうかなと思ったのですが、しかし聴きこむほどに、 こういうジャズ歌謡っぽい曲が歌えるのもやはり大きな魅力の一つだなと感じました。 個人的には、アルバム後半の方が楽曲や歌い方に幅があって、より良いと思いました。 サビの「寝心地は最低 居心地は最高」という歌詞が耳に残る「ベッドルーム」、 東洋的なアレンジの効いた「オリエンタル・ヴォイス」は特に印象的。 さらに、毎回そうですが今作も歌詞が全曲凄い。 8曲目「スクランブル交差点の渡り方」では たくさんの人の中で揉まれて生きていく人生を、 文字通りスクランブル交差点に例えたというその歌詞に心を打たれる。 10曲目「ランナーズ・ハイ」は、ダメな女にハマる男を諭す内容の曲で、 その女の姿を「歌」というフレーズに例えるという、 この歌詞の発想からしてさすがとしか言いようがない。 そしてラスト曲の「月はそこにいる」は、今作で最も壮大な雰囲気を感じる曲で それに加えて歌唱の迫力も今作屈指。ラストを飾るにふさわしい名曲でした。 彼女の曲作りの才能は永遠に枯れることは無いのだろうか。 特に歌詞に関しては、良いと思う表現を一つ一つ挙げていけばきりが無い。 どうか長生きして下さい・・・ そう思えてくる作品でした。
2012年11月15日木曜日
[CDレビュー] 黒崎真音「UNDER/SHAFT」
黒崎真音「 UNDER/SHAFT〈通常盤〉 TVアニメ「ヨルムンガンドPERFECT ORDER」オープニングテーマ」 (2012/10/17) 1. UNDER/SHAFT 2. Crimson roses 黒崎真音のニューシングル。まず表題曲「UNDER/SHAFT」は、 シングル表題曲としては3作ぶりとなるロックナンバー。 歌詞、編曲ともにスリリングさが際立った曲となっています。 要所でボーカルにエフェクトがかかったり、 さらにはギターの重低音がズシズシと鳴り響いたりといったような、 予測不能かつ良い意味でひねくれた曲展開が存分に味わえる。 こんな曲をシングルA面曲にて聴かせてくれるアニソン系アーティストというのは やはり今のJ-POP界においてもっと評価されていいはず。 そう思わせてくれる作品でした。 カップリング曲「Crimson roses」は、表題曲以上にサビのメロディが良く、 さらに歌唱の美しさも存分に感じる、バラード系の曲かと思いきや、 曲の中盤の間奏から一気に速度が上がりハードになったり、 さらにサビでまたバラード調になったりと、こちらもドラマチックな展開が炸裂する。 ラストはピアノの鍵盤を「ドーン」と叩きつけた音で終わるというのも衝撃的。 2曲とも、かねてから本人が望んでいたメタル・エモ志向が出た曲で、 ハードな曲でありながらも、同時に歌メロの良さも健在。 個人的にはこういう曲こそ彼女に最も期待したい曲だと思ってましたので、 今作は表題曲、カップリング曲ともにさすがだなといえる作品でした。 やがてリリースされるであろう2ndアルバムの曲にも、 こういうドラマチックな曲が何曲も入っていることを期待したいです。
2012年11月14日水曜日
[CDレビュー] angela「KINGS」
angela「 KINGS(初回限定盤)(Blu-ray Disc付)」 (2012/10/24) 1. KINGS 2. THE DARK angelaの久々のニューシングル。 まず表題曲「KINGS」は、これぞangelaの真骨頂!とでもいうべき、 ドラマチックさ満点のシンフォニックロックナンバー。 歌詞を見ながらじっくり聴くと、この曲はまるで、 空中で「愛」という名の火花が飛び散っているかのよう。 「分かりたい 分からない 分からず屋」というフレーズは特に印象的。 さらにメロディについても、まるでサビの前にサビが2つあるかのような 曲構成は、今までにもなかったような構成でこれまた印象的。 今作は、特にメロディラインは1回聴いただけではとっつきにくいかもしれない。 しかし2回3回と聴くうちに、その凄さが存分に伝わってくる作品でした。 カップリング曲「THE DARK」は、タイトルからするとバラードなのかなと思いきや フタを開けてみればミディアムナンバーでした。 暗闇から「夜明け」という名の光に向かって進もうとする姿を歌った歌詞が良いです。 こういったテーマの曲に関しては特に、毎回素晴らしい歌詞を作っていると思います。 最近は一時期と比べるとどうも存在感が薄くなっている気がするのが惜しいです。 せめて新曲のリリース間隔に関してはあまり開き過ぎずに、 これからもコンスタントにCDリリースができればいいなと思いました。 まだまだこんなにも素晴らしい曲が作れるのだから・・・
[CDレビュー] ROTTENGRAFFTY「CLASSICK」
ロットングラフティー「 CLASSICK」 (2004/4/21) 1. PORNO ULTRA EXPRESS 2. 切り札 3. フロンティアスカンク 4. e for 20 5. pq 6. (無題) 7. ∞ 8. ケミカル犬 9. Synchronicitizm 10. MASSIVE DRIVEN 11. 悪巧み~Merry Christmas Mr.Lawrence お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10) 2004年リリースにされた、ROTTENGRAFFTY(ロットングラフティー)の メジャー1stフルアルバム。「古都のドブネズミ」というキャッチコピーを持つ 京都出身の5人組ロックバンドの作品です。 ハードロックやハードコアをベースにした激しいサウンドと、 ツインボーカルによる、ラップやシャウトを交えた激しい歌いっぷりが 共に印象的なミクスチャーロックアルバムとなっています。 1曲ごとに、色んな音楽の要素が文字通りミックスされているので 聴いていて最後まで飽きさせないです。まず1曲目にしていきなり、 まるで宇宙船に乗って旅をしているかのようなスケール感を感じるような曲で シンセのアレンジが曲に一層の深みを加えている「PORNO ULTRA EXPRESS」に始まり、 その後の曲も、ハードコアな曲でありながら間奏でハーモニカの音が鳴るのは この系統の音楽にしては斬新さを感じる「切り札」、 ムーディーな雰囲気からサビ直前で一転ハードロックになる「pq」 などといった曲が特に面白いです。 どの曲も一筋縄ではいかないような構成でありながら、それでいて サビ部分はメロディアスな曲が多いというのはとても良かったです。 今作の中でも特にお気に入りのナンバーは、サビのメロディが素晴らしい上に 歌唱や演奏なども含めた全てがカッコ良い、3曲目の「フロンティアスカンク」と、 あの坂本龍一の名曲「戦場のメリークリスマス」のメロディを引用した上に 1曲目同様にシンセの音を絶妙に加えたロックアレンジが素晴らしい ラスト曲の「悪巧み~Merry Christmas Mr.Lawrence」。 特にラスト曲の方は、個人的にサンプリング系の曲でここまで良いと思った曲は 史上初めてかもしれないだけに、インパクトは大きかったです。 ミクスチャー系ロックバンドとしては、同じ京都出身バンドの10-FEETとは 初見の段階では似ているかなと思いましたが、しかし楽曲を聴きこめば、 10-FEETがメロコアやレゲエの要素を強く感じる曲が多いのに対して、 ロットンの方はメタリックさがより強く出ているなという違いを感じることができました。 知名度的にはこの2バンドは差がついたものの、このアルバムを聴く限りでは 彼らだってもっと評価されていいはずなのにと思いました。 機会があればぜひライブにも行ってみたくなりました!
2012年11月13日火曜日
[CDレビュー] 田村直美「リスペクト フォー アニソン」
田村直美「 リスペクト フォー アニソン」 (2012/7/11) 1. 残酷な天使のテーゼ 2. ゆずれない願い 3. Ready Go! 4. ルパン三世のテーマ 5. CHA-LA HEAD-CHA-LA 6. All You Need is Love 7. Shangri-La 8. 揺らぐことない愛 9. INVOKE 10. Realize 11. 命のうたが聞こえる 12. 光と影を抱きしめたまま 13. ゲゲゲの鬼太郎 お気に入り度:★★★★★★★★ (8/10) 田村直美によるアニソン系企画アルバム。 まず収録曲の中の計7曲(2、3、6、8、10、11、12曲目)は 自身が歌ったオリジナルのアニメタイアップ曲となっており、 残る6曲がアニソンカバー曲という内容の作品構成になっています。 もともと田村直美さんといえば、元PEARLというロックバンドの ボーカリストであり、そして同時に、私が音楽を聴き始めた最初の頃に 好きになった歌手の1人。そんな彼女の代表曲である「ゆずれない願い」は 今聴くとアレンジ面にはやや時代を感じますが、 それでもサビの開放感と歌声のパワーはさすがだと思わせるものがある。 さらに、もう一つの代表曲ともいえる「光と影を抱きしめたまま」は 今聴いても古さを感じさせないぐらいの名バラード。 90年代のこの系統の音楽が好きだった人にとっては、 きっと懐かしい気持ちにさせてくれること間違いなしでしょう。 それ以外の曲でも、特にオリジナル曲においては彼女の伸びやかな歌唱を 存分に味わうことができる。その中でも個人的に特にハマったのは、 最新曲であり、これぞ2010年代型に進化したといえるような ハードなロックナンバーを聴かせてくれる「命のうたが聞こえる」でした。 しかし、計6曲収録されているカバー曲については、 この作品を聴く前においては当然のように、彼女の音楽的なルーツである ロックなカバーを期待して聴いたのですが、いざフタを開けてみれば、 まず「残酷な天使のテーゼ」や「INVOKE」では やたらシンフォニックなアレンジとなっているのに驚き。 さらに「ルパン三世のテーマ」では、シンセの音が鳴り響く テクノポップ系なアレンジと、「♪ダバダバダー」という コーラス部分がばかり印象に残ってしまったり、 さらに「Shangri-La」ではさぁサビだ一気に爆発だというところで 肩透かしを食らったかのようなアレンジがあったり、 そして極めつけは、最もハードなロックを期待していた 「CHA-LA HEAD-CHA-LA」が、まるで初期m.o.v.eのような 疾走系デジタルサウンドになってたりというような内容。 これは本人の音楽性とも違い、だからといって原曲に近いアレンジでも ないという内容のカバー曲ばかり。これって誰得なアレンジなのかと!? そんな中で、最も原曲に忠実だったと感じたカバー曲はラスト曲の「ゲゲゲの鬼太郎」。 なぜか曲の最後の方がラテンっぽくなっている以外は忠実でした。 それにしても、かつてロックバンド・PEARLのボーカリストとして 「♪ジェラシーに火をつけろ!」などといった曲を鋭くカッコ良く歌っていた あの田村直美さんが、2010年代では「♪ゲ ゲ ゲゲゲのゲ~」などと 歌っているだなんて、こんな姿は十数年前からは想像すらつかなかった! ちなみに「ゲゲゲの鬼太郎」という曲はかつて聖飢魔Ⅱもカバーしましたが こちらのカバーの方は疾走感・迫力ともに満点のメタルアレンジとなってあり、 それと聴き比べるとますます彼女のゲゲゲの鬼太郎は、 ある意味とんでもない迷曲かもしれないと思うばかり。 でも結果的に一番印象に残ってしまったのでこれが私的ベストカバーってことでいいです! しかしそれでもこの作品は、彼女の歴代のオリジナル曲のアニソンが この1枚のアルバムにて全て聴くことができ、 さらにはボーカリストとしての実力はオリジナル・カバーを問わず 終始存分に感じることができるので、それだけでも十分な価値のある作品。 ガールズロックファンにもアニソンファンにも それぞれに何かしらの聴き応えを感じることができるでしょう。
2012年11月12日月曜日
11月12日(月曜日)の日記
つい最近、復活を果たした相互リンク先の音楽ブログに 「考え過ぎずに気楽に行きましょう!」というコメントを書きました。 しかしこれは、実は自分に向かって言い聞かせているという面もあるのです。 自分自身も最近はブログの方向性や、聴く音楽の方向性に悩んでいる。 ということで、今日の日記のテーマは、自身の音楽趣味について、 俺ってそんなに変態なのか!? ということを語りたいと思います。 なぜこんな言葉を使ったかというと、以前ツイッターの方にて、 好きな音楽の話題中心につぶやき下ネタ系の言葉はほとんど言ってないにも かかわらず、ツイッター診断では変態度が高いと判定されたりしたのでそう言ってみました。 今年になってからは、聴く音楽やカラオケで歌う曲の方向性について、 濃いとかコアなとこばかり攻めてるといったことを指摘され、 さらには「Japanese Dream」という音楽投票サイトにおいても、 良いと思う曲は毎月のように私的名曲ランキングに入りきらないほど たくさんあるにもかかわらず、私が投票した曲は、 これは票を集めるだろうと思った曲すら上位にはほとんど入らず 全くノーマークの曲ばかりが毎月のように1位になったり 上位に入りまくるといったように、結果的にそこでも浮きまくっているのは、 やはり自分が変態だからなんだと認めざるおえないのだろうか。 一応ツイッターではそれを自虐ネタにして笑いをとろうとしたこともありましたが、 よくよく考えてみれば、そんなに自分だけ変だというわけでもないのでは?と。 まず、私が今まで大好きになったアーティストを知るきっかけとなったのは、 カラオケなどにて友人からの紹介で知ったアーティストが多く、 さらに私の友人の周りでは、カラオケといえば迷曲珍曲怪曲を歌うのが当たり前でした。 まず、結果的に私が聴く音楽で一番大きな影響を受けることとなったのは、 水樹奈々やangelaやALI PLOJECTや北出菜奈などといった アニソン系やアニメタイアップ系の曲をたくさんお勧めしてもらった友人。 そんな友人が語る、「人生で一番の名曲」とは、 「恋のミクル伝説」というアニメのキャラソン。最初これを聴いた時には その超絶にぶっとんだ内容に衝撃(というより笑撃)を受けたものでしたが しかし今ではすっかり私もこの曲が大好きになりました。 さらには別の友人たちからは、かつてマシンガンズやガガガSPなどといったところも カラオケでお勧めしてもらいましたし、天野月子も良いと言っていました。 さらに私が人生で初めて行ったライブは、上記の友人とはまた別の友人と一緒に行った、バーゲンズのライブです。 これって実は周りの友人にすごく恵まれてたんだなと最近思うようになりました。 こういうありきたりでない、枠にハマらない型破りなアーティストを 高く評価してくれる友人が近くにいてくれて本当に良かったと思いました。 さらに私が、今のような自称音楽&旅系ブログを始める前に、 ネットを使ってやっていたことといえば、お笑い系の投稿サイトに参加することでした。 そこでかつて私もたくさん参加させて頂きお世話になった、 某お笑い投稿サイトの管理人様ほど、私と音楽の趣味が合う人は未だネット上でも見つけられないです。 まずJAM projectを知ったのは彼のブログがきっかけといっていい。 さらに彼は、天野月子、鬼束ちひろ、中島みゆき、北出菜奈の曲なども 好きだと言っていましたし、今年に入ってからも ブログ記事では上半期を代表する名曲に、飛蘭「Dead END」を挙げていたり、 さらに最近ではなんとなんと、私が音楽を聴き始めて一番最初に 本格的にハマったアーティストである、KIX・Sの「もう一度TENDERNESS」 という曲に今月一番ハマったと、お笑い投稿サイトのトップページで紹介していたり そして最新情報としては、SKYWINGSというメタルバンドの曲がいいと ツイッターにてつぶやいておられたので、私もSKYWINGSの曲を 試聴してみたところ、これはすごく良さそうだと思ったりと、 とにかく共通点を一つ一つ挙げていけばきりがないぐらいです。 彼以外にも、今までお笑い系の投稿サイトでお世話になった人といえば、 かつて私がブログにてお気に入り度満点をつけた、 KOTOKOのアルバム「イプシロンの方舟」をリリース直後の時点で絶賛し、 さらには妖精帝國やジンも大好きだったという人もいました。 さらには、私と同じくDo As InfinityやYeLLOW Generationの ファンだったという人もいましたし、そんな彼が以前から良いと言っていた cali≠gariというバンドのアルバムを最近になって聴いてみたところ、 なぜもっと早く聴かなかったんだ!?と思うぐらいに素晴らしいと思いました。 とてもコミカルでカラフルかつポップに「死ね」「死んじまえ」と連呼する曲は 特に面白いと思いました! また近日このブログでもレビューしたいと思います。 このように、音楽のことをそれほど詳しくないであろう友人や、 さらにはお笑いファンの皆さんでもこんなアーティストの数々を聴いていたわけだから、 ましてや音楽ファンならば、聖飢魔ⅡやマシンガンズやJAM projectや北出菜奈や KOTOKOや妖精帝國などを聴くのはごく普通のことだとぐらいに思ってました。 そもそも今までは、正統派とか異端派とか濃いとか薄いとか意識して 音楽を聴いてなかったですし、そんな概念すら無く何も考えずに 色んなジャンルの曲を聴いていましたし、それが楽しいと思ってました。 そんな私が、もはや自分に一番合うアーティストであり、 自身の音楽趣味を象徴するかのようなアーティストといえば、 それはHIGH and MIGHTY COLORだと、最近つくづく思う。 メロディはキャッチーでありながら、とてつもなく激しいサウンドや とてつもなく面白いと思う編曲をたくさん見せてくれた。 それに対しての、とある行きつけのサイトのレビュー文を引用すると、 「恐らくメタル系好きは見向きもしないし、J-POP好きもメロディーはいいのに バックが邪魔という感じで結局なかなかファンがつかないような気がする」。 これこそが私の音楽趣味であり私のブログだ。 ちなみに、現在の私が最もハマっているバンドである、 Gacharic Spinの曲の数々を聴いた最初の感想は、 ハイカラとm.o.v.eを足してラップの割合を減らしたようなバンドだなと思いました。 こういうのこそがやっぱり最高に好きだ! サイトにはサイトごとの色や軸があっていいと思いますし、 正統派が一番と言うのならば決してそれを否定するつもりはないですが、 ただ、自分のブログに目を向けてみると、あまりにも色んな方向に行きすぎて、 大きな軸となるようなものが無いのかなというのは思いました。 全ての方向に、全ての人たちに向かっていい顔をしたいと思ってしまう。 俗に言う八方美人。それには限界があると分かっていても。 もしこのブログで軸になるものがあるとすれば、 やはりアニソン系アーティストのCDレビューなのかなと。 実はこのブログ、アニソン系記事は他の記事と比べるとヒット数が多いです。 水樹奈々のCDをレビューすれば安定の月間1位。 でもアニソン系だけのブログするつもりは無いですし、 何よりアニメに詳しくなかったりするので(最近はちょこちょこ見てますが) これまで通りポップスやロックなども含めて色んなアーティストのCDレビューを 書いていきたいと思いますが、そこであえて新たにもう1つ軸を作るとなると・・・ それは、迷曲珍曲怪曲のレビューだ! こんなにも今までの人生において、迷曲珍曲怪曲の数々には 多大な影響と歓喜を受けたにもかかわらず、それを語った記事は あまりにも少ないではないかと! 一応今年のCDレビュー記事でいえば、 佐々木希のアルバムとかかしのアルバムは見事な迷作だった。 とあるテキストサイトにおいては、昭和の迷曲を集めた特集記事というのも 見たことがあるので、これにはきっと需要だってあるはずだ! 以上、こんだけ長々と語りながらこんなオチで申し訳ない(汗) やっぱり俺って変か!?
2012年11月10日土曜日
[CDレビュー] 川田まみ「SQUARE THE CIRCLE」
川田まみ「 SQUARE THE CIRCLE 〈通常盤〉」 (2012/8/8) 1. SQUARE THE CIRCLE 2. No buts! 3. my buddy 4. Don't stop me now! 5. Clap!Clap!Clap! 6. Usual… (インスト) 7. See visonS 8. live a lie 9. Midnight trip // memories of childhood 10. らせん階段 11. F 12. Going back to square one 13. Serment お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10) 川田まみの4thアルバム。トランスを軸としながらも、 以前の頃と比べると音楽性の幅が広がったのが感じ取れる作品となっています。 まず1曲目のアルバムタイトル曲「SQUARE THE CIRCLE」は、 これぞI'veサウンドらしいデジタルサウンドに加えて、 これから新たな地へと向かって突き進むかのような 力強さとスケール感が伝わってくる歌詞が良い。 さすが安定のクオリティといえる曲に仕上がっています。(どうでもいいですが、この曲のサビの「my equation」という歌詞が「マイク炎上」と聞こえるのは私だけでしょうか?)しかしその後の曲は、まずシングル曲である「No buts!」「Serment」 では以前よりもシンセの音が強く鳴り響いているのが印象的。 さらに中盤の曲は、曲タイトルからすれば意外なほどに重厚なギターの音が 終始鳴り響く「Clap!Clap!Clap!」のような曲があったり、 ディープな雰囲気のインスト曲「Usual…」があったり、 さらに「live a lie」では音の作りがK-POPっぽかったりと いったように、シングル曲以上に冒険していることが分かります。 その分、今作でいう「my buddy」や「らせん階段」のような 一度聴いただけで耳に残るぐらいにキャッチーでポップな曲は 減ってしまった印象でしたが、聴きこむほどに良さが伝わってくる作品でした。 ロック色の強いサウンドと、揺れ動く心をテーブルゲームに例えた歌詞が 共にカッコいい「Going back to square one」が私的ベストトラックです。 今作もI'veサウンドの魅力は健在で、さらに歌詞の質もこの系統の音楽にしては 頭一つ抜けるぐらいに良かったですが、素晴らしい出来だった序盤3曲と ラスト2曲に比べると、中盤がやや弱い気がしたのが惜しかったです。 最新シングルの「Borderland」が収録されなかったのは 曲の印象が「No buts!」「Serment」とかぶるからなのでしょうか?
2012年11月9日金曜日
[私的名曲ランキング] 「星」の名曲 マイベスト10
みんなでいい曲を発見する音楽投票企画「Japanese Dream -We Love J-Pop-」 との協力により作られた新企画「テーマ別私的名曲ベスト10」。 第2回のテーマは、「星」に関する名曲です。 それでは、発表していきたいと思います! 第10位 水樹奈々「Silent Bible」 (2010年) 「聖なる夜に輝く深紅の星」という歌詞が印象的。 やはりアニソン系の曲には星空が似合う曲が多い。これはその代表的な曲。 第9位 のあのわ「流星」 (2010年) キラキラとした輝きを感じるバラード曲で、 それに加えてチェロの音色が曲に一層の彩りを加えている。 2ndアルバム「MAGICAL CIRCUS」に収録されている アルバムオリジナル曲ですが、シングルでも全然いけるぐらいの名曲です。 第8位 Jackson vibe「星のプロポーズ」 (2007年) こちらもアルバムオリジナル曲ですが、シングル曲と比べても全然見劣りしない。 メロディの良さが抜群なラブバラード曲。 この曲が収録されたベスト(を尽くした)アルバムで彼らにはブレイクして欲しかった。 第7位 THE BOOM「星のラブレター」 (1989年) この曲が1989年の曲ということに我ながら驚き。 「島唄」よりも前の、初期のスカバンド路線の頃にリリースされた曲で、 甘酸っぱくもどこかほのぼのとした雰囲気が良い曲です。 第6位 HIGH and MIGHTY COLOR「星空に降る雪」 (2006年) この曲もアルバムオリジナル曲ですが、もはやそんなのは関係ない。 幻想的な一面と激しい一面が同居した、これぞハイカラにしか作れないような曲だった。 おそらくこの曲はまず万人ウケはしないでしょうし、 ラップやシャウトの部分がいらないと言う人もいるかもしれませんが、 それでも私はこういう曲は全力で支持したいと思いました。つくづく解散が惜しまれます。 第5位 いきものがかり「流星ミラクル」 (2006年) まさに流星のごとく勢い満点な曲。 私の中ではこの頃がいきものがかりの全盛期だった。またこういう曲が聴きたいです。 第4位 北出菜奈「Star Killer」 (2006年) 「私は星を殺し生きる」というサビのインパクトはすごい。 綺麗なのに衝撃的。メロディの美しいバラード曲でありながらも 静かな破壊力を感じずにはいられない。 彼女の持つ独自の芸術性は音楽シーンにおいてもっと評価されるべきだったのに。 第3位 遠藤正明「蒼星-アオイホシ-」 (2011年) まるで空中で星が弾け飛ぶかのような、パワフルかつ輝きを放っているアッパーチューン。 アニソン系歌手の作品でも、アルバムではタイアップ無しの完全オリジナル曲があり、 そしてその曲がこんなにも素晴らしかったりするわけだから、 やはりもっと世間的にアーティストとして評価されて欲しいと思わずにはいられない。 第2位 平原綾香「Jupiter」 (2003年) もはや説明不要の大ヒット曲。何度聴いてもその歌声は美しい。 これだけ神秘的でなおかつスケール感のある曲となったのは、この声があったからこそ。 第1位 中島みゆき「地上の星」 (2000年) あまりにも偉大過ぎる。 特に歌詞についてはここまで一語一句に凄みを感じる曲はそう滅多に無い。 この曲は「星・月・夜空」という枠の中での「星」という意味で選ぶならば そのテーマからはやや外れてしまうかもしれないが、 しかし「星」というそのフレーズだけで選ぶなら、これは1位以外ありえない。 空に輝く星だけが「星」じゃない。もはやその大空すらも超越したかのような超名曲。 (次点) 遠藤正明「星海を往く希望の歌」 Cocco「星に願いを」 OLIVIA「Into the Stars」 八反安未果「SHOOTING STAR」 THE ALFEE「星空のディスタンス」 八反安未果って全然見なくなったけど今は何やってるのでしょうか? 「SHOOTING STAR」は今でもこのテーマにて真っ先に思いつくレベルの名曲でした。 若干SPEEDの曲っぽい感じもしましたが。作曲者が同じだっただけに。
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