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2012年11月25日日曜日

[CDレビュー]  筋肉少女帯「筋少の大車輪」


筋肉少女帯「 筋少の大車輪」
 (1992/3/21) 

1. 大釈迦  
2. これでいいのだ  
3. キノコパワー  
4. 日本印度化計画
5. 悲しきダメ人間
6. 踊るダメ人間
7. サボテンとバントライン  
8. いくじなし  
9. PICNIC AT FIRE MOUNTAIN ~DREAM ON JAMES,YOU'RE WINNING~
10. GO! GO! GO! HIKING BUS ~CASINO ROYALE~
11. サンフランシスコ
12. イワンのばか
13. 電波Boogie
14. 元祖高木ブー伝説
15. 何処へでも行ける切手  
16. パンクでポン (ボーナストラック)
お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10)





1992年にリリースされた、筋肉少女帯のベストアルバム。

日本で最も素晴らしい歌詞を描くアーティストは誰かと聞かれたら、
様々な候補者が挙がるが、その候補の中の1人として大槻ケンヂを挙げたい。
そう思うぐらいに、超絶にハイレベルな歌詞とサウンドの数々が聴ける、
彼らの初期の名曲が一同に集まったベストアルバムがこの作品です。

彼らの代表曲といえばまず「元祖高木ブー伝説」が挙げられるでしょうが、
この曲も聴けば聴くほどに、あまりにも凄すぎる曲だということが分かります。
まず歌詞について、今まで色んな歌詞、色んな例えや比喩表現というのを見てきたが、
何もできない自分の無力な姿を、よりにもよって高木ブーに例えてしまうなどという
こんな常人離れした比喩表現をもとに1曲作ってしまう人は他にいない。
そしてサウンドについても、君といつまでもいたかったという内容の歌詞の部分では、
愛する人に去られて気持ちの整理がつかない姿を表現するかのように
野球のバッティング音やビローンという音や銅鑼の音などが次々と登場し、
さらに曲終盤にはオーケストラまで登場して、音がどんどん壮大さを増していく。
この無駄だと思うぐらいの壮大さこそが、愛する人を失った悲しみの
深さを表現している。そして最後に聴く人に向けてとどめを刺すかのように、
ボーカルの大槻ケンヂによる、全ての力を振り絞るかのような渾身の魂の叫び
「ブー! ブー! 高木ブー! ブー! ブー! 高木ブー!」
これにはもう心を動かされずにはいられない。そしてこの曲を聴いて気づいた。
あまりにも壮絶で凄すぎる曲を聴いた時には、人は爆笑してしまうものなのだなと。
実際私もこの曲を最初に聴いた時には、笑いが止まらなかったです。
もう笑うしかない。名曲過ぎるがばかりにそんな気持ちになりました。

さらにもう一つの代表曲「日本印度化計画」も、
まず日本をインドにしてしまうという発想の時点で凄すぎる。
歌詞はシュールさが爆発、さらにサウンドもインド方面の音楽が混じってくるという
このカオス世界はまさに、某インド映画の日本におけるキャッチコピーと同じく
「ワケ分からんが面白い!」 これもまた一種の芸術といっていい作品です。

しかしこの代表曲2曲だけを見れば、筋肉少女帯とはコミックバンドなのかと
勘違いする人も出てきそうですが、決してそうではないということは
このアルバムを全て聴けばよく分かるでしょう。彼らの曲の最大の特徴は、
短編小説のようなストーリー性やドラマ性を持った歌詞と、
ハードロックやメタルをベースとしながらも型にはまらない編曲。
特にギターやキーボードのダイナミックな演奏とその旋律は、
歌詞世界の持つドラマチックさをより一層引き立てる役割を果たしています。

彼らの曲を聴けば、まるで国境や時空をも超えたかのような異次元世界に
引きずり込まれてしまう。これこそが本当の凄さといっていいでしょう。
異国の地での別れを歌った「サンフランシスコ」や、
ロシアが舞台の「イワンのばか」といった曲はまさに時空旅行的な曲。
さらには、無実の罪で13年間刑務所に入れられた人生を歌った「これでいいのだ」や
ダメ人間の王国を作ろうという、まるで漫画ののび太的な発想を
こんなにもパワフルに1つの曲として表現してしまった「踊るダメ人間」
といった曲も素晴らしいです。そして実質ラスト曲の「何処へでも行ける切手」は
本気で泣かせにくるかのようなバラード曲になっていたりといったように、
最後までその爆発的な才能を感じることができる作品になっています。

ボーカルについては、お世辞にも上手いとは言えないでしょうが、
しかしそれでも全力で魂を込めて歌っているその姿に心を動かされる。
とはいえ今作のために新たなリメイクとして作られた1曲目の「大釈迦」と、
デビュー直後に作られたその原曲の「釈迦」を聴き比べてみると、
初期の頃よりは歌唱が格段に良くなっているのが分かります。
その上にサウンド面でも歴代のギタリストが勢揃いしたギターソロが素晴らしく、
この1曲だけでもバンドとしてのより一層の進化を感じとることができます。

音楽というものは、無限の可能性があるものなのだと、
この無限の広がりをみせる彼らの曲世界を体感してあらためて感じました。
これこそが私が音楽に対して一番求めていたものなのかもしれません。
あまりにも個性が強いので、聴く人によって合う合わないがはっきりする
アーティストではあると思いますが、ハードな曲がイケる人ならばぜひオススメしたいです。


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