田村直美「 リスペクト フォー アニソン」 (2012/7/11) 1. 残酷な天使のテーゼ 2. ゆずれない願い 3. Ready Go! 4. ルパン三世のテーマ 5. CHA-LA HEAD-CHA-LA 6. All You Need is Love 7. Shangri-La 8. 揺らぐことない愛 9. INVOKE 10. Realize 11. 命のうたが聞こえる 12. 光と影を抱きしめたまま 13. ゲゲゲの鬼太郎 お気に入り度:★★★★★★★★ (8/10) 田村直美によるアニソン系企画アルバム。 まず収録曲の中の計7曲(2、3、6、8、10、11、12曲目)は 自身が歌ったオリジナルのアニメタイアップ曲となっており、 残る6曲がアニソンカバー曲という内容の作品構成になっています。 もともと田村直美さんといえば、元PEARLというロックバンドの ボーカリストであり、そして同時に、私が音楽を聴き始めた最初の頃に 好きになった歌手の1人。そんな彼女の代表曲である「ゆずれない願い」は 今聴くとアレンジ面にはやや時代を感じますが、 それでもサビの開放感と歌声のパワーはさすがだと思わせるものがある。 さらに、もう一つの代表曲ともいえる「光と影を抱きしめたまま」は 今聴いても古さを感じさせないぐらいの名バラード。 90年代のこの系統の音楽が好きだった人にとっては、 きっと懐かしい気持ちにさせてくれること間違いなしでしょう。 それ以外の曲でも、特にオリジナル曲においては彼女の伸びやかな歌唱を 存分に味わうことができる。その中でも個人的に特にハマったのは、 最新曲であり、これぞ2010年代型に進化したといえるような ハードなロックナンバーを聴かせてくれる「命のうたが聞こえる」でした。 しかし、計6曲収録されているカバー曲については、 この作品を聴く前においては当然のように、彼女の音楽的なルーツである ロックなカバーを期待して聴いたのですが、いざフタを開けてみれば、 まず「残酷な天使のテーゼ」や「INVOKE」では やたらシンフォニックなアレンジとなっているのに驚き。 さらに「ルパン三世のテーマ」では、シンセの音が鳴り響く テクノポップ系なアレンジと、「♪ダバダバダー」という コーラス部分がばかり印象に残ってしまったり、 さらに「Shangri-La」ではさぁサビだ一気に爆発だというところで 肩透かしを食らったかのようなアレンジがあったり、 そして極めつけは、最もハードなロックを期待していた 「CHA-LA HEAD-CHA-LA」が、まるで初期m.o.v.eのような 疾走系デジタルサウンドになってたりというような内容。 これは本人の音楽性とも違い、だからといって原曲に近いアレンジでも ないという内容のカバー曲ばかり。これって誰得なアレンジなのかと!? そんな中で、最も原曲に忠実だったと感じたカバー曲はラスト曲の「ゲゲゲの鬼太郎」。 なぜか曲の最後の方がラテンっぽくなっている以外は忠実でした。 それにしても、かつてロックバンド・PEARLのボーカリストとして 「♪ジェラシーに火をつけろ!」などといった曲を鋭くカッコ良く歌っていた あの田村直美さんが、2010年代では「♪ゲ ゲ ゲゲゲのゲ~」などと 歌っているだなんて、こんな姿は十数年前からは想像すらつかなかった! ちなみに「ゲゲゲの鬼太郎」という曲はかつて聖飢魔Ⅱもカバーしましたが こちらのカバーの方は疾走感・迫力ともに満点のメタルアレンジとなってあり、 それと聴き比べるとますます彼女のゲゲゲの鬼太郎は、 ある意味とんでもない迷曲かもしれないと思うばかり。 でも結果的に一番印象に残ってしまったのでこれが私的ベストカバーってことでいいです! しかしそれでもこの作品は、彼女の歴代のオリジナル曲のアニソンが この1枚のアルバムにて全て聴くことができ、 さらにはボーカリストとしての実力はオリジナル・カバーを問わず 終始存分に感じることができるので、それだけでも十分な価値のある作品。 ガールズロックファンにもアニソンファンにも それぞれに何かしらの聴き応えを感じることができるでしょう。
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2012年11月13日火曜日
[CDレビュー] 田村直美「リスペクト フォー アニソン」
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