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2016年10月28日金曜日

[CDレビュー]  THEイナズマ戦隊「GALAPAGOS」


THEイナズマ戦隊「 GALAPAGOS」
(2016/7/13)

1. ロックンロール・ラブレター
2. 乱男無頼ダンス
3. 33歳
4. 最後の小節
5. HAPPY LIFE
6. Lightning Boy
7. 這いつくBATTE
8. 終わらないストーリー
9. 朝焼けの唄
10. さよならSummertime Blues
11. 合言葉 ~シャララII~ 生きててくれてありがとうな
12. マザコンのうた (Bonus track)
お気に入り度:★★★★★★★ (7/10)




THEイナズマ戦隊の通算11枚目のオリジナルアルバム。
今作のリリース直後にラジオのインタビューでボーカルの上中丈弥さんが
「汗と涙が好きなんですよ!」などと語っていたのはとても印象的、
そんな元高校球児らしいアルバムを今作もまた届けてくれました。
歌詞は相変わらず気合いがこもっているが、その一方でサウンド的には以前より大人しくなった感も・・・

まずアルバム前半の1曲目「ロックンロール・ラブレター」からイナ戦節炸裂。
たとえ古いとか時代遅れとか言われようが、全力で歌を届けるんだという決意が伝わる曲で
曲調はミドルテンポながらも確かな情熱と人間味を感じられる。
スマートなシティボーイにはなれないなどと歌うところがこれまた非常に共感できる。
音楽などの流行というものは回りまわってまた再来することがあるはずなのだが、
いつになったら再びこういう真っ直ぐな熱き魂こもった曲が評価される時代になるんですかね?

2曲目「乱男無頼ダンス」はダンスビートのノリが良い、今作では貴重なアップテンポ曲。
続く3曲目「33歳」は亡くなった父親との思い出を歌ったミドルテンポ曲で
今作のリードトラックであるが、それにしてはサビメロが弱いのでは?と思ってしまった。
だが歌詞には心がこもっていて、人としての温かさを感じられる。
父親がキャッチャーミットを買ってきた話はいいなぁと思う。思いっきり投げ込み合いたい。

アルバム中盤もバラード曲やミドルテンポ曲が中心。
以前と比べると大人っぽくなり、小さくまとまった感があるのが・・・
それでも5曲目「HAPPY LIFE」の「♪上がらなかったベンチプレスが記録更新 まだまだ成長期」
なんてのはジム通いが生活に密着しているからこそ歌える名フレーズだなと思う。
どうかこれからも筋トレしながら聴きたくなるようなバンドであって欲しい!
そもそも歌詞にベンチプレスなんていうフレーズが出てくるバンドは
他には思い浮かばない。アルバムタイトル通りの独自進化はこういう所にあり。

後半の8曲目「終わらないストーリー」は関西テレビの野球中継テーマソングとして
2016年のシーズン開幕直後からオンエアされていた曲で、今作にて待望のCD化。
伸びやかなサビメロとボーカルの歌声が気持ちいい。歌詞も野球経験者ならではの説得力、
「♪全力こそが裏切らない友達」には思わず励まされる。それを信じたいと思う。
だがその一方で「♪日に日に老いてく それでも心は動く」という歌詞が入るあたりは
30代後半を迎えたメンバー達の等身大の姿が歌われていると言えるが、
イナ戦には老いてくなどと歌って欲しくはなかったという寂しさも・・・確かにこれが現実ではあるけど。

10曲目「さよならSummertime Blues」もバラード曲だがこれぐらいメロディが良ければありだなと思う。
そして実質ラストとなった11曲目「合言葉 ~シャララII~ 生きててくれてありがとうな」
では最後にして全盛期の頃を彷彿させるほどの見事な名曲を届けてくれた。
ここまで歩いてきた道で思い出すのは笑顔の日々ばかりだと力強く歌うAメロから惹かれた。
こんなこと言えるようになりたい、そこに男として憧れる!
同じことをリア充ラブソング歌手が歌っても共感できないところだが、そうではなく、
不器用ながらも日々を全力で生きている、熱き魂を持った者が歌うからこそ心に響くんですよ。
サビメロの迫力も抜群、「♪風前の灯火ならガソリンを注いでやる」は傑作フレーズ。
2000年代のアルバム作品ではこれぐらいの熱量を持った曲が当たり前のように多く聴けたのに。

年齢を重ねるにつれて徐々に大人の作風になっていくのはよくあることで、
これでも他と比べるとイナ戦は歌詞とボーカルは十分頑張っている方なのだが、
それでもかつての豪快さや派手さが無くなってきているように感じてしまうのは、
編曲のせいなのか何なのか・・・
「♪大人しいとは書くけど そんなの大人じゃないざんす~!」(Ban&An~バカ万歳アホ万歳~)
と歌ってた頃が懐かしくなる。まぁたとえこの先どんな作風に変化したとしても
このバンドは一生聴き続けると決めているので、信じて期待するだけですけどね。







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