浜田麻里「 Mission」 (2016/1/13) ディスク:1 1. Sparks 2. Dystopia 3. Superior 4. Rin 5. Monster Wave 6. Tears Of Asyura 7. Rainbow After A Storm 8. In Your Hands 9. Carpe Diem 10. Beautiful Misunderstanding 11. Orion ディスク:2 1. Obsidian お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10) 浜田麻里の通算25枚目のオリジナルアルバム。 前作「Legenda」の衝撃はまさに数年に一度クラス、当ブログではこのアルバムを、 そして麻里さんの歌唱を大絶賛したのは未だ記憶に新しいですが(レビューはこちら) 今作もまた、日本一の歌唱力を持った歌手により歌われる、 女性ロックの最高級作品であることが分かるアルバムでした。 2、3、6、7曲目などではその超絶な歌唱力を存分に生かしたハードロックを聴かせてくれる。 だがその一方で1曲目や8曲目以降では、90年代を彷彿させるポップ感のある曲も聴かせたりと 懐の広さも感じられる。純粋な歌唱力もさることながら、持って生まれた声質もまた魅力的。 激しくシャウトする場面なども、声質があまり尖っていないので聴きやすさがある。 なおかつほのかな哀愁や、全てを包み込むかのような円みや優しさも持ち合わせており、 その歌声は、これぞ美声と呼ぶにふさわしいです。 まずディスク1の1曲目「Sparks」は90年代のガールズロックを彷彿させるような ポップなメロディを持った曲ながらも、ギターやキーボードの演奏にはテクニカルな要素が 多く盛り込まれていて、25作目にして更なる進化を実感できる曲となっていた。 歌唱の弾けっぷりはまさにタイトル通り。熱さを感じる歌詞もアルバムのオープニングとしてふさわしい。 2曲目「Dystopia」は壮大かつ神々しいバラード曲。 サビらしいサビがほとんど無く、メロディにキャッチーさはあまり感じられないが それを補って余りあるほどに、曲終盤のハイトーン&ロングトーン歌唱が圧巻過ぎる。 その歌声はいったいどこまで突き抜けていくんだ・・・ この曲は麻里さんが歌わなければ名曲に成りえなかったと思う。というよりも、 麻里さん以外にこんな曲を完璧に歌えてしまう人はいないでしょう。 歌詞カードに載っていない部分の歌唱がこんなにもスゴいという曲は他に聴いた記憶が無い。 3曲目「Superior」では曲調が一気に疾走感を増す。これぞメタルクイーンと呼びたくなる曲。 サビのラストの「♪Set me free!」このハイトーンは思いっきりツボにハマった。 そして極めつけは曲終盤の大サビ。「♪Set me free」「♪Set us free!」「♪Let us go!!」 「♪to the higher ground!!!」とキーがどんどん上がっていくところは ホップ、ステップ、ジャンプそして天空突破!といった感じで超最高です。 4曲目「Rin」は夜明けを感じさせるロックバラード。 この曲も終盤の歌詞カードに無いコーラス歌唱が美しい。 5曲目「Monster Wave」は90年代のポップス路線の曲を担当していた 大槻啓之さんの編曲により作られただけあって、メロディにポップ感がある。 その一方で90年代の曲よりもギターやベースの重低音が効いているのは近年の作品らしい。 てか90年代のアルバム曲にも、せめて1~2曲ぐらいはこれぐらいロック色の強い曲を 収録して欲しかったですよ。私は完全に後追いのファンでございますが。 6曲目「Tears Of Asyura」はこれまた壮大なロックバラード曲。 人生という名の戦いに挑む者たちの姿を歌った歌詞がカッコいい。 7曲目「Rainbow After A Storm」は、今作の曲の中でも最もド迫力を感じる 疾走メタルナンバー。のっけからハイトーンシャウトが炸裂、そしてサビの 「♪storーーーーーーーーーーーーm!!」というハイトーンボイスが泣けるほどにスゴい。 歌唱が聴いての通りとんでもないが、若井望さんの作る楽曲の質の高さもこれまた半端ない。 昨年リリースのソロアルバムの方も絶賛しただけありますね(レビューはこちら) 文句無しの大傑作。2016年の私的No.1ソング候補。 8曲目「In Your Hands」は今作の曲の中で最もポップなアッパーチューン。 間奏のギターソロは聴き応えがある。そして歌詞のメッセージにも元気づけられる。 心が自分の方に向かない日は、誰かのためだけに生きればいい・・・ ここまで歌唱ばかり取り上げてきたが、自作の歌詞についても良い詞を書いている。 9曲目「Carpe Diem」は情熱的なラブソング。曲序盤や終盤ではさも当たり前のように ハイトーンシャウトを聴かせつつも、その一方でサビはキャッチーかつ爽快感満点。 この曲含めて今作で計3曲を作曲している岸井将さんは元So What?の方だったんですね。 現THE冠の冠さんがボーカルを務めていたバンド。この頃から名曲が多かった。 10曲目「Beautiful Misunderstanding」は哀愁漂うミドルナンバー。 歌謡曲テイストを感じるサビメロにはほのかな懐かしさがある。 90年代のガールズポップ歌姫の曲を彷彿させる名曲。 11曲目「Orion」は、曲前半はピアノ・キーボード主体の編曲ながらも 後半にいけばいくほどにバンドサウンドが盛り上がりをみせていく。 アルバム本編のラストを飾るにふさわしい、優しげなバラード曲でした。 ディスク2の収録曲「Obsidian」はピアノとアコギでしっとりと聴かせるバラード曲。 永遠の別れを歌った歌詞があまりにも切なすぎる。2枚組形式にせずともディスク1の12曲目に ボーナストラックとして収録しても良かったと思うが、あえてディスクを分けたのは アルバム作品としてのコンセプトに対するこだわりを感じられますね。 音楽が好きならば老若男女問わず誰もが一度は麻里さんの歌を聴いてみるべきだと、 あらためて推薦したくなる作品でした。聴けばその圧倒的なスゴさが分かる。 前述の通り、その歌唱力は日本一です。ライブだとCD音源以上に感動的。 なので今年のツアーも行きたいところですが、だがつい先日も当ブログの検索ワードで 「浜田麻里 チケット 取れない なぜ」といったワードが出てきてしまった・・・ どうか1人でも多くの人にライブを体験して欲しいと思える歌手なんですけどね。
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2016年1月18日月曜日
[CDレビュー] 浜田麻里「Mission」
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