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2013年1月14日月曜日

[CDレビュー]  水樹奈々「ALIVE&KICKING」


水樹奈々「 ALIVE&KICKING」
(2004/12/8) 

1. ミラクル☆フライト  
2. Innocent Starter 
3. Fake Angel  
4. 大好きな君へ  
5. Tears' Night  
6. そよ風に吹かれて…  
7. Independent Love Song  
8. Take A Shot  
9. パノラマ -panorama-  
10. Jump!  
11. Cherish  
12. It's In The Bag 
13. Abilities  
14. M・A・M・A  
お気に入り度:★★★★★★★★☆ (8.5/10)




2004年にリリースされた、水樹奈々の4thアルバム。
この時点で既に、歌唱力とビブラートについては声優離れしたものがありました。
しかし楽曲群の方は、Elements Gardenが参加するようになった今とは違い、
どこか懐かしい感じの、ポップなバンドサウンド曲が中心となっており、
さらに、CDの歌詞カードの写真の数々からしても分かるように
アイドルっぽい曲も多いという作風になっています。
しかしこの作風であっても、ボーカルにパンチが利いているので、
他の声優歌手の作品には無いぐらいに聴いていてガッツリ感を感じるのはさすがです。

宇宙への旅を歌った歌詞が印象的な「ミラクル☆フライト」、
疾走感溢れるトランスナンバー「Take A Shot」、
今作の中でもひときわノスタルジックな雰囲気のポップス「パノラマ -panorama-」
などといった曲は、今作を象徴するかのような曲でもあり特に良いと思いました。
しかしその一方で、4曲目の「大好きな君へ」のような曲は、
いかにも一昔前の声優が歌いそうなポップスといった感じで
良い曲ではあるのだが、個人的にはどうもムズがゆさを感じてしまう・・・
そんな中で唯一、5曲目「Tears' Night」は、
現Elements Gardenの上松範康さんが作曲を担当した曲となっており、
これぞエレガ節といった感じの、ストリングスを交えたドラマチックなサウンドと
曲の隅々の細かい音まで全て計算され尽くしたかのような編曲が
共に素晴らしい曲となっています。
しかし、歌唱の方がどうも遠慮がちに歌っているように聴こえるのは
やはりこの系統の曲を歌うのが初めてなだけあって歌い慣れていなかった故か。
今の奈々様が歌えば、もっと凄みを感じる歌唱を聴かせてくれただろうなと思います。
それでも楽曲が良いので、やっぱりこの曲は一番聴いてしまいます。

今作はこれはこれでポップ感のある良い作品ではありましたが、
しかしこの作風では、水樹奈々というボーカリストが持つ歌唱の潜在能力からすれば
まだ5~6割ぐらいしか実力を引き出せていないように感じてしまいました。
やはりElements Gardenに出会い、歌いこなすのが難しい曲の数々を
歌うようになったことで、歌唱はさらなる覚醒を見せ、
さらに楽曲群に迫力と個性も増したことで、固定ファンがしっかりとつく条件も整った。
もしElements Gardenが参加してなければ、その後オリコン1位を獲得するぐらいの
アニソン界を代表するトップアーティストにはなれなかったのではないかと思いました。
この後にリリースされた、6thアルバム以降の作品は本当に凄いことになってます・・・


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