SEKAI NO OWARI「 Tree(初回限定盤CD+DVD)」 (2015/1/14) 1. the bell 2. 炎と森のカーニバル 3. スノーマジックファンタジー 4. ムーンライトステーション 5. アースチャイルド 6. マーメイドラプソディー 7. ピエロ 8. 銀河街の悪夢 9. Death Disco 10. broken bone 11. PLAY 12. RPG 13. Dragon Night お気に入り度:★★★★★★★☆ (7.5/10) SEKAI NO OWARIのメジャー2ndアルバム。 人々をファンタジーな世界へと誘う、個性派バンドとしての地位を確立した作品。 CD売り上げにおいては早くも2015年を代表するヒット作品となりそうです。 まずインスト曲である1曲目「the bell」から始まり、 2曲目「炎と森のカーニバル」は鐘の音やアコーディオンやブラスバンドなどの 様々な楽器がハーモニーを奏で、幻想的かつポップセンスに溢れた曲を聴かせている。 今作の中でも最もディズニーチックな曲でもあり、これは文句無しの名曲。 エフェクトのかかったボーカルも曲の雰囲気には合っているといえます。 3曲目「スノーマジックファンタジー」は雪の妖精との出会いを歌った曲。 前曲同様にファンタジーを演出した曲作りにこだわりを感じられる。 「知らない方がロマンチックなこともたくさんある」は全くもって同感。 ネットで情報を知り過ぎてしまうことが多い今の時代にピッタリな歌詞だといえる。 4曲目「ムーンライトステーション」は大都会東京の街で出会ったかぐや姫との別れを歌った曲。 実際にかぐや姫の物語の舞台となったのは奈良県広陵町という田舎町なのですが まぁこれはこれで面白い設定だといえるのでは。 和テイストを感じるデジタルサウンドをバックに、列車の汽笛の音が響くシーンは印象的。 5曲目「アースチャイルド」は地球出身バンドの代表として宇宙人相手に歌う曲。 「オトナは進入禁止」という、ある意味開き直ったかのような歌詞はインパクトがある。 決して彼らが大人から不人気だというわけでも無いとは思うのですが、 (参加者が30代中心のサブコンでも一定の人気を得ているようですし) それでも大人が童心に帰れる曲という意味では良いフレーズかなと感じました。 6曲目「マーメイドラプソディー」は人魚姫をモチーフにしたディスコチューン。 ノリの良さは感じられるものの、エフェクトのかかったボーカルが ナヨナヨした感じに聴こえるのがどうもなぁ・・・この曲では特に気になってしまった。 7曲目「ピエロ」は文字通りピエロに向けて歌われる応援ソング。 バックで獣たちの鳴き声が響くなど、サウンド面でも相変わらず凝っている。 8曲目「銀河街の悪夢」は鬱病について歌ったバラード曲。 曲終盤には前向きな気持ちを覗かせている。構成的にはよくできているのだが、 さすがにこれは重過ぎる。フェスで歌って観客をドン引きさせたことでも 話題となった曲らしいですが・・・ 9曲目「Death Disco」はディスコチューンながらも編曲に壮大さを感じられる。 歌詞はなかなか鋭い内容。後半に続けざまにダークテイストの曲を入れてきたのは アルバム作品の中で良いアクセントになっている。本当は怖いグリム童話みたいだ。 サビらしいサビが曲中にあればもっと良かったのですが。 10曲目「broken bone」は疾走感のあるデジタルサウンドを聴かせる曲ですが、 個人的にこの系統はI've soundという主にアニソン系アーティストが歌う曲の方が 好きなだけにそれと比べると・・・ボーカルはこれだとボーカロイドでもいいのでは。 11曲目「PLAY」は近年のゲームソング以上にゲームソングな曲。 子供の頃に誰しもが持っていた冒険心をかき立ててくれる曲です。 12曲目「RPG」は映画版クレヨンしんちゃんの主題歌としてもヒットした曲で 空や海や流星群といった歌詞にアニソン的なスケール感を感じられるポップソング。 「世間という悪魔」はさすがに言い過ぎな気もするがそれを差し置いても名曲ですね。 「怖いものなんてない」の後に「怖くても大丈夫」と歌うところが良いです。 13曲目「Dragon Night」はご存知の通りドラゲナイ旋風を巻き起こした曲。 人それぞれの正義について歌った歌詞には、世界平和への願いも込められてると感じられ、 これは素直に良いと思います。電子音を主体として作られたバンドサウンドも特徴的で、 さらには歌唱の方も今作の曲の中では比較的緩急がついている。 ただCDを聴いた上で一つ引っかかったことは、言うほどドラゲナイか?ということ。 どっちかというと「ドゥワゴナイ」と歌ってるように聴こえる。 もしくは「ダーゴナイ」。少なくとも「ゴ」の部分が「ゲ」には聴こえない。 各種歌番組などでこの曲を歌っていた時には「ドラゲナイ」と 聴こえるような歌い方をしていたということなのだろうか・・・ 今作を聴いてみた上でまず一番に感じたのは、音作りへのこだわりっぷりでした。 これは世間で賛否両論を巻き起こしている歌詞以上のインパクト。 何気にElements Gardenの曲に並ぶほどに凝ったサウンドを奏でているのではないだろうか。 逆に歌詞に関しては、中二病的な表現は筋肉少女帯で慣れていることもあってか 個人的には予想の範囲内でございました。それでもこの歌詞とこのサウンドが 組み合わさることにより、徹底的なまでにファンタジーな世界を演出しているといえますし、 ハマる人はより深くハマっていくのも納得な作品でした。 ボーカルが好みのタイプでないのは今回承知の上で聴きましたが、 エフェクトで加工された部分が多かったこともあってか、 CD音源で聴く分にはボーカルの弱さは思ったほど気にならなかったです。 甘い声質はファンタジー系の曲世界には合っている声だともいえる。 でもやっぱり、歌唱にもうちょいメリハリをつけられたらいいのにと感じてしまうかなぁ・・・ 同じくディズニーっぽい曲を作るバンドなら、のあのわという女性ボーカルバンドの方が ボーカルの魅力では上かなと感じましたが、歌詞に関してはセカオワの方がより特徴的かと。 以上、ドラゲナイ旋風をきっかけに当ブログでもこの大ヒットアルバムを取り上げてみましたが、 いざ聴いてみるとちゃんと良さを感じられる作品だったということでホッとしました。 今年からはメジャーの有名作もたまには取り上げていきたいと思ってますので、どうぞよろしくお願いします。
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2015年3月7日土曜日
[CDレビュー] SEKAI NO OWARI「Tree」
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