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2014年4月16日水曜日

[CDレビュー]  水樹奈々「SUPERNAL LIBERTY」


水樹奈々「 SUPERNAL LIBERTY」
(2014/4/16)

1. VIRGIN CODE
2. GUILTY
3. アパッショナート
4. 笑顔の行方
5. アンティークナハトムジーク
6. Fun Fun★People
7. FATE
8. Vitalization -Aufwachen Form-
9. 哀愁トワイライト
10. セツナキャパシティー
11. Ladyspiker
12. Rock you baby! 
13. Million Ways=One Destination
14. 僕らの未来
15. 愛の星 -two hearts-
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)





水樹奈々の10thアルバム。今作は先行シングル曲が1曲のみで、
TMRとのコラボ曲はソロバージョンとしても収録されず完全スルーというまさかの展開。
全15曲中13曲が新曲で、作曲家には新しく名前を見る人も多いということから
どんな作品になるのか想像がつかないまま、聴くこととなりました。

まず1曲目の「VIRGIN CODE」には圧倒されました。
作曲編曲ともにエレガのメンバーというだけあって名曲は確定されてましたが
これはスゴ過ぎる。イントロからストリングス、ピアノ、ギター、シンセなどの
楽器の音が次々と飛び出して縦横無尽に絡み合い、息もつかさぬほどスリリングで
ドラマチックな展開が炸裂、なおかつ疾走感抜群で、サビの盛り上がりも
ハイトーン歌唱も全てが素晴らしい。最高です!

2曲目「GUILTY」はエキゾチックなダンスチューン。
サビの「♪Do it,Do it」がキャッチーで耳に残る。こちらも素晴らしい曲です。
3曲目「アパッショナート」はバイオリンや笛の音などが加わったメロスピナンバーで
これまた最高です! 疾走感の中にもどこか幻想的な雰囲気がある。これぞクサメタル。
しかも自作曲でこんな曲を作ったということになおさら驚きです。
4曲目「笑顔の行方」はドリカムのカバー。なぜここで雰囲気がガラっと違う曲が来たのか。
歌い出しの「卒業アルバム」という歌詞からして、ここまでのアルバムの流れからは
浮いてしまっている。エレガの編曲は良かったとしても元の楽曲がなぁ。
どうしてもこういう曲を入れるならばアルバムの後半の方が良かったのでしょうが、
個人的にはそもそもドリカム自体に良い印象がないんですよね・・・

5曲目「アンティークナハトムジーク」はシンフォニックロックナンバー。
切なくもロマンチック。3曲目の次がこの曲ならば自然だった。
6曲目「Fun Fun★People」はファンキーなダンスチューン。
ブラスバンドサウンドが良い感じ。サビがもう少し強ければなお良かった。
7曲目「FATE」はバラード曲。Aメロは良いが全体的には印象が薄い。
8曲目「Vitalization -Aufwachen Form-」はエレガ流疾走デジタルチューン。
約1分のイントロが追加されたことで、楽曲がよりパワーアップしている。
唯一のシングルA面曲なだけあって、やはり前曲前々曲あたりと比べても飛びぬけて素晴らしいです。

9曲目「哀愁トワイライト」は昭和のジャズ歌謡っぽい曲。
元々演歌歌手志望だっただけあって、このような歌謡曲テイストの楽曲を
歌いこなす力はさすが。自作の歌詞からも色気を感じられて良い。
10曲目「セツナキャパシティー」はシンフォニック風味なポップス。
優しい雰囲気は良いのですが、サビメロの訴求力が足りない気が。
11曲目「Ladyspiker」は歌謡ロック風アッパーチューン。
歌声がこれまでの曲の中でも一番ハスキー。それだけでシビれさせてくれる。
12曲目「Rock you baby!」は元気でポップなロックナンバー。
Aメロは良いのに、これまたサビが印象に残りにくい。
13曲目「Million Ways=One Destination」は前山田健一さんの作曲ということで
個人的にはももクロの猛烈宇宙交響曲みたいな曲を期待してたのですが、
蓋を開けてみたらシンフォニック要素の入った歌謡曲といった感じで、
これは近年の奈々さんの作風に前山田さんが合わせ過ぎたのでは?
と思ってしまいました。もっとめちゃくちゃしたっても良かったのに。
14曲目「僕らの未来」は、初期の頃から曲提供をしてきた
矢吹俊郎さんの作曲によるデジロックナンバー。これはサビがガツンとくる。
ここまで若手作曲家の曲が多い中でベテランが底力を見せてくれた。ナイスプレー。
15曲目「愛の星 -two hearts-」はバラード曲。
ここ数作におけるラストナンバーの中では一番メロディが良いのではと思いました。

序盤の1~3曲目を聴いた時は空前の大傑作になるのかと思いましたが、
それ以降は、やはり作曲者のエレガ率が下がったことが影響してしまったか。
最初に聴いた時は、アルバム後半の印象があまり良くなかったのですが、
それでも奈々さんの歌唱の力と、編曲の質の高さにより、
サビメロにインパクトがある曲が少ないのをカバーしている。
毎回そうですが今回も、聴けば聴くほどに味があるなと感じました。
アッパーチューン中心ながらも多種多彩な曲構成が、聴いていて飽きさせない。
なので、1ヶ月後には現時点よりもさらに好きになってるかもしれないです。
しかし今作はエレガの上松さんの作った曲以外だと、自作曲の3曲目が一番良いってのは
どういうことなんだ。これならば今後は自作率を高くしてもいいのではないでしょうか?







2 件のコメント:

カワセミ さんのコメント...

初めまして水樹奈々ファンのカワセミといいます。えむけーさんのブログは
すごくツボで(特にガガガSP、浜田麻里さんなど)楽しく拝見させてもらってます。
自分も全然聞き込めてない状態での感想ですが、今回のアルバムは歌謡曲のテイストが凄く強いので良く言えば「シブイ」
悪く言えば少し「地味」という印象がありました。個人的には水樹奈々の歌謡曲は
大好物&大歓迎なのですが、もう少し
新しい刺激があった方が面白かったかなとも思いました。でも派手さが控えめな分聞き込むほど味わいが出そうな気はしますね。ライブで聴くとかなり印象が変わる気もします。

えむけー さんのコメント...

どうもはじめまして。非常に嬉しいコメントを頂き、ありがとうございます。
何が一番嬉しいかといったらガガガsPのレビューがツボだと言って頂けたことですね。当ブログ的には需要が無いのかなと思っていただけになおさらです。

水樹奈々さんの今作のアルバムは、やはり後半部分が今まで以上に歌謡曲テイスト強めでしたね。まさか前山田さんの提供曲までそうなるとは予想外でした。
ちなみに私がファンになったきっかけは友人からの紹介でしたが、その時には水樹奈々さんの曲は80年代歌謡曲であると紹介してもらいました。
この系統の曲なら「夢幻」が一番好きですね。