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2014年4月9日水曜日

[CDレビュー]  BiS「WHO KiLLED IDOL?」


BiS「 WHO KiLLED IDOL? (ALBUM+DVD) (MUSIC VIDEO盤)」
 (2014/3/5)

1. primal.2
2. DiE
3. STUPiG
4. no regret
5. マグマト
6. GET YOU w/Dorothy Little Happy
7. MURA-MURA
8. MMGK
9. BiSimulation
10. ERROR
11. nasty face
12. Fly
13. Hi
14. Hide out cut
15. プライマル。  
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)




BiSのメジャー2ndアルバムにしてラストアルバム。

まず1曲目「primal.2」はまさかのピアノバラード。これには意表を突かれた。
別れや終わりを連想させる、切ない曲であると同時に、
歌詞はBiSのこれまでの歩み、そして今回の解散について歌ったんだなと思う内容。
良い曲ではあるが、1曲目にしては雰囲気が重い気が。
2曲目「DiE」は疾走感満点のロックチューン。しかし歌詞からは影を感じられる。
心のモヤモヤを必死に振り払いながら疾走しているかのよう。これは胸に響く。
シングル曲でありながらも、同時にこのアルバムを代表するかのような名曲です。
3曲目「STUPiG」はデジタルハードコアナンバー。
つい最近BABYMETALにも楽曲提供をした上田剛士さんの作った曲で、
この曲を最初聴いた時は正直あまり良い印象はなかったのですが、
今作のアルバムの流れの中で聴いたら一気にハマってしまいました。
かなり異色なサウンドの曲でありながらも、メリハリはしっかりとついている。
4曲目「no regret」はサビで一気にロックなアレンジになる曲ですが、
そのサビの歌詞が「しーんじゃった かなしいな」ってこれまたダークだなぁ・・・
5曲目「マグマト」はエレクトロっぽい感じのバンドサウンドが聴ける曲。
どことなく妖しげな雰囲気が漂っている。この曲もやっぱり影を感じる。

6曲目「GET YOU」で、ようやくポップで明るい雰囲気の曲が登場してホッとさせられる。
サビメロは耳に残りやすいが、個人的にはちょっと普通過ぎた印象。
7曲目「MURA-MURA」はスカナンバー。ブラスバンドの演奏が良い感じ。
8曲目「MMGK」は、信頼と実績の松隈ケンタさん作曲だけあってさすがの名曲。
曲の雰囲気の明るさは今作一。シンセを多用したバンドサウンドも良い。
9曲目「BiSimulation」は元ビーグルの日高央さん作曲のロックナンバー。
これはエモい。特に間奏がハード。サビらしいサビが無い曲だがそれでも良いものは良い。
10曲目「ERROR」はラウドロック。もはやBABYMETAL並みに重厚じゃなかろうか。
11曲目「nasty face」は疾走パンクナンバー。これまたサウンドに重厚感がある。
一応アイドルを名乗ってるとは思えないぐらいに重いアルバムだなと!
サビはキャッチーで爽快感があるが、それとは裏腹に歌詞は相変わらず影があるし。

そして12曲目「Fly」はシングル曲でありながら、今作のクライマックスといえる曲。
今までのやるせない気持ちを全て振り払うかのように、
たとえ低空飛行であっても飛び立つしかない、前に進むしかないんだと歌った曲で、
文句無しの名曲です。ここまでダークな歌詞が多かったアルバムの流れの中で聴くと
より一層の名曲に感じられる。松隈ケンタさん作曲のバンドサウンドも最高。
13曲目「Hi」は、元ハイスタの難波章浩さん作曲なだけあって、
陽気なパンクチューンに仕上がっている。シンセ多用でキラキラ感もある。
14曲目「Hide out cut」は全英語詞なだけあって洋楽ロックっぽい。
15曲目「プライマル。」はTHE YELLOW MONKEYのカバー。サビの「卒業おめでとう」
という歌詞は、まさにBiSを卒業するメンバー全員が歌うにピッタリといえる。
ラストアルバムの最後を飾る曲がカバーというのはどうなんだと当初は思いましたが、
しかし聴いてみると、楽曲の雰囲気的にもBiSに合っていて名カバーだなと感じました。

というわけで、前作以上の重厚ロックアルバムとなった今作ですが、
プロデュースを手掛けた松隈ケンタさんの提供曲は、相変わらずの名曲揃い。
これまでBiS以外の歌手にも、中川翔子「フライングヒューマノイド」などといった
数多くの名曲を提供してきただけあって、やっぱり彼の作る楽曲は好きですね。
さらに今作は、それ以外のロックミュージシャン達からの提供曲も、
軒並みサビメロが良くて高品質な曲ばかりだったというのが、本当に良かったです。
いかにもロック通好みなアーティスト達が提供した女性歌手のアルバムといえば、
高橋瞳さんの3rdアルバムや栗山千明さんのアルバムなどが個人的にはハマれなかっただけになおさらホッとしました。
ボーカルについては、意図的に小さめに設定されていた前作までよりは
前に出ている印象でした。歌唱に関してはやはり上手いとは言えないですが、
味はそれなりにある。わざとぶっきらぼうに、音程を外し気味に歌ってるのかと
思う場面もありますが、それもまたBiSの楽曲に溶け込んでいるから良いかなと。

メンバーの自作詞が中心の歌詞からも伝わってくる通り、
自称エモいアイドルとして、ここまで全力で駆け抜けてきた生き様が詰まったアルバムです。
リーダーのプー・ルイさんは、同じく松隈さんプロデュースの新バンド
「LUI◇FRONTiC◆松隈JAPAN」にて解散後も歌手活動を続けるようですが
そのバンドの方で、BiSの曲も歌い続けてくれないかなと思ってしまいます。
これほどまで名曲揃いだったのに、それが全て歌われなくなってしまうのはもったいない。
今作が最後のアルバムなんだなと思うと寂しい気持ちになりますが、
これからのメンバーの新たな旅立ちの方にも注目していきたいです。







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