天野月「 天の樹」 (2012/7/25) 1. EUPHORIA 2. 東京タワー 3. 天の樹 4. CANDYMAN 5. くれなゐ 6. サンドリヨンの番犬 7. ニワカアメ 8. ドロップキック 9. 光る魚 10. ソラゴト お気に入り度:★★★★★★★★☆ (8.5/10) 天野月の1stアルバム。この名義では初となるフルアルバムです。 この作品を聴いた第一印象としてまず感じたのは、 今作では天野月子時代にあったような、激しいロック系の曲はほとんど無くなり、 全体的に穏やかで、格調高いポップス作品になったという変化を感じました。 だが作風が変わっても曲の質は抜群に高い。その中でも、タイトル曲「天の樹」は 分島花音さんの演奏によるチェロ中心のサウンドが美しいバラード曲で、 ギター無しでもこんなに深みのある曲が作れるのかと驚かされました。 かつては「翡翠」という、オーケストラのみのアレンジの曲を作り その意外性と完成度の高さに驚いたことがありましたが、 それに加えて今作でもまた新たな境地を開いてくれました。 彼女の曲作りの才能は尽きることは無いのかと感心するばかりです。 バラード曲では、バンドサウンドで作られた5曲目の「くれなゐ」も素晴らしい。 私の中では、ラブソングの女王といったらやっぱり彼女だなと、 あらためて思わせてくれるぐらいの名バラードでした。 さらに、ちょっぴりレトロな雰囲気を感じる「東京タワー」、 この中では一番天野月子時代の曲に近いロックバラード曲「ニワカアメ」、 まるでゲーム音楽のような電子音中心のピコピコサウンドに加えて、 草食系男子に喝を入れるという内容の歌詞が共に強烈な 今作随一の異色ナンバー「ドロップキック」などといった曲も、印象的でした。 しかし天野月名義ではやはり、「鮫」のような疾走感・破壊力抜群の曲や 「人形」「花冠」のような聴き手を圧倒させてくれるオルタナティヴロック曲は もう聴けないのかなという、一抹の寂しさも感じてしまいました。 そういう系統の曲は過去のものとして置いてきてしまったのか・・・ そもそも、彼女は一度活動休止なんてしなくて良かった。 天野月子という名前のまま途切れることなくずっと、 (できればメジャーで)歌手活動を続けて欲しかった。 今作は今作で十分に高品質なアルバム作品でしたが、 個人的にはやはり「天野月子」の復活も望みたいところです。
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2012年12月30日日曜日
[CDレビュー] 天野月「天の樹」
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