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2015年6月28日日曜日

[CDレビュー]  PASSPO☆「Beef or Chicken?」


PASSPO☆「 Beef or Chicken?(ファーストクラス盤)(DVD付)」
(2015/5/13)

1. Immigration Control
2. HONEY DISH
3. いたずらRock‘n’Roll
4. Not in theory
5. 向日葵
6. Shiny Road
7. ヘブンズバーガー
8. ハイテンションエモーション
9. FAKE
10. Perfect Sky
11. You
12. Fairy Tale
お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10)




PASSPO☆の4thアルバム。
アイドルでありながらも、そんじょそこらの女性ボーカルバンドの作品よりも
はるかに質の高いメロディと多彩なアレンジに、あらためて驚かされた作品です。
歌唱の方もアイドルグループとしては十分なほどの迫力がある。
ガールズロック史に残したいと思えるほどの傑作アルバムです。

まず1曲目「Immigration Control」はおなじみの機内アナウンス。
2曲目「HONEY DISH」はアメリカンテイストを感じるガールズロックナンバー。
オープニングからちょっとした旅行気分にもなれる曲を聴かせてくれています。

3曲目「いたずらRock‘n’Roll」も洋楽ロック風の曲で、前曲以上の痛快さがある。
「自撮り」「タイムラインにアクセス」といった歌詞はいかにも今風。

4曲目「Not in theory」はメタル系のサウンドで疾走する曲で、
これにはイントロの時点からハマった。サビの伸びやかさと突進力が素晴らしい。
「掴め「強さ」という美学を」は名フレーズ。まさにガールズメタルバンドみたいだ。

5曲目「向日葵」は2000年代の青春パンクを彷彿させる曲。シングル曲で聴いた時は
正直微妙に感じたのが、このロックアルバムの中で聴くとその1ピースとしてハマった。

6曲目「Shiny Road」はポップでキラキラ感のあるミドルバラード曲。
一歩一歩前に進んでいこうと歌う歌詞のメッセージと、優しげな歌唱が
たまらなくピュアで、聴いていて心が洗われる。全盛期のZONEの曲をも
超えようかとするほどの名曲。なぜこの曲をシングルA面扱いにしなかったのか。

7曲目「ヘブンズバーガー」はアメリカ旅行をテーマにした歌詞と
甘く可愛らしい歌唱が印象的。パラダイス感が出ている。今作の中でも異色な曲。

8曲目「ハイテンションエモーション」はラブソングでありながらも
ヒーローソングのような編曲がカッコいい。「はじめた筋トレ 日常になった」
などといった歌詞を気合い込めて歌うところを聴くと文字通りテンションが上がる。

9曲目「FAKE」は今作のマイベスト。ハードロック系の曲として「WING」に並ぶほどの
名曲ではないだろうか。この8、9曲目の流れはKAMEN RIDER GIRLSみたいだ。
しかしアイドルグループでこれほどまでにカッコいい曲を歌う人達というのは
PASSPO☆こそが元祖なんだと言わんばかり。間奏のギターサウンドの重厚感がこれまたツボ。

10曲目「Perfect Sky」はビーイング系の曲を彷彿させるような
バンドサウンドをベースに聴かせる曲で、ひたむきな歌唱と
歌詞のメッセージに希望を感じさせてくれる。文句無しの名曲。

11曲目「You」はサビの「Hey! you!」の合唱がパンチ力抜群。大人数の強みが出ている。
ライブだと一緒に拳を上げて盛り上がれること間違いなし。終盤の転調がこれまた良い。

12曲目「Fairy Tale」は、ほのかに切なさ漂うギターロック系の編曲と
世界平和を願う歌詞にスケール感を感じさせられる。ラストを飾るにふさわしい名曲。

近年全国的規模で一気に数が増えたロック系アイドルの先駆者的存在は
やはり格が違った。そう思わずにはいられないほどの素晴らしい作品でした。
まさか、アイドルのアルバムの中でもナンバーワンクラスの私的傑作だった2ndアルバム
「One World」(レビューはこちら)に肩を並べるほどのアルバムを、
4thアルバムにして届けてくれるとは・・・ これだけ楽曲が名曲揃いで、
なおかつグループとしてのコンセプトもしっかりしているにもかかわらず、
正直なところブレイクを逃した感があるのは本当に惜しい。
ロックフェスなどでもアイドルが活躍する時代になった今こそ、何とか再評価されないだろうかと思います。




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