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2015年6月23日火曜日

[CDレビュー]  摩天楼オペラ「AVALON」


摩天楼オペラ「AVALON」
(2014/9/3)

1. journey to AVALON
2. 天国の扉
3. 隣に座る太陽
4. 輝きは閃光のように
5. 3時間
6. Stained Glass (instrumental)
7. Jolly Rogerに杯を
8. クロスカウンターを狙え
9. 蜘蛛の糸
10. 友に捧ぐ鎮魂歌
11. Orb
12. 天国の在る場所
お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10)





摩天楼オペラの3rdアルバム。「劇的ロック」を掲げる5人組ヴィジュアル系バンドの作品です。
シンフォニックメタルをベースとしたサウンドに、
V系ならではの歌謡曲テイストを感じるクサメロが融合した曲の数々は、
壮大なスケール感を感じさせつつも、なおかつキャッチーで耳馴染みの良い曲ばかり。
さらに歌詞についても前向きで力強いフレーズが多く、希望を感じさせてくれる曲が
多いというのが良いです。聴くだけでテンションが上がる曲ばかり。
それに加えてこのバンドは、ボーカルの苑さんの歌唱が素晴らしい。
いわゆるV系的な歌唱もありつつ、それ以上にダイナミックに力を込めて歌う場面が多く、
時にはがなるような歌い方をしたりと、1曲の中で多彩な歌い分けができる。
何やらちづるさんのブログでは「笑撃の大西ライオン魂」などと書かれているが
それでもこのボーカルは、個人的には近年のバンドの男性ボーカルの中では
トップクラスではないかとすら思いました。B'zの稲葉さんと比較されるのも納得です。

まず1曲目は半インスト曲の「journey to AVALON」で始まり、
続く2曲目「天国の扉」は華やかなファンファーレで幕が上がると共に、
希望をのせて、宇宙の果てまで走り抜けるかのような勢いを持った
疾走感抜群のメタルナンバーを聴かせてくれる。
3曲目「隣に座る太陽」では一転して怒りをぶつけた内容の曲。こちらもまた疾走感があってカッコいい。
4曲目「輝きは閃光のように」はサビメロの抑揚の大きさと歌唱の伸びやかさがツボ。
「かーじかんだ この~~~手に~~」のインパクトが抜群。
5曲目「3時間」は一転してスローテンポかつ重々しい雰囲気のサウンドにのせて
「私はお前を呪い続ける」と歌う、V系風のダークな一面が出た曲。
こういった曲にもシンフォニック要素が入っているのは彼ららしくて良いです。

そしてインスト曲「Stained Glass」を挟んで7、8曲目が今作のクライマックス。
7曲目「Jolly Rogerに杯を」はこれぞ劇的ロックであり最高のシンフォニックメタル。
「地球の真ん中 陣取っていこう」といった歌詞含めて、まさに世界征服級の迫力。
8曲目「クロスカウンターを狙え」も超絶にカッコいいハードロックナンバー。
問答無用に興奮させられる。なぜこれがシングル曲じゃないのか。今作のマイベスト曲です。
9曲目「蜘蛛の糸」はスラッシュメタル系の曲でライブだとヘドバンで盛り上がりそう。
10曲目「友に捧ぐ鎮魂歌」は一転して落ち着いたバラード。
11曲目「Orb」は映画やドラマの主題歌に起用されても良さそうな
ラブソング系のロックバラード曲。シングル曲なだけあって万人ウケする名曲。
12曲目「天国の在る場所」は荘厳なコーラスワークが印象的な疾走シンフォニックナンバー。
最終曲にしてついに天国に辿りついたかのようなスケール感。こちらも文句無しの名曲です。

初期の頃に彼らの1stミニアルバムを聴いた時には、どこにでもいそうな感じの
V系バンドかなという印象だったのだが・・ しかし今作を聴いてみると、
いつの間にこんなに成長していたんだ!?と度肝を抜かれました。
このサウンドにこのボーカルという組み合わせだけでも唯一無二の魅力があり、
本当に素晴らしいバンドになったなと実感。ライブにも行ってみたくなりました。
海外でのライブ実績もあるというだけに、ぜひこれから更に大きく羽ばたいて欲しいです。







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