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2014年10月10日金曜日

[CDレビュー]  日笠陽子「Couleur」

日笠陽子ファーストオリジナルアルバム「Couleur」(CD+Blu-ray Disc)(初回限定盤)」
(2014/9/3)

1. 新世界システム
2. ENVY DICE
3. Brighter day
4. Crazy you
5. 美しき残酷な世界
6. 憂冥
7. 風と散り、空に舞い
8. 終わらない詩
9. EX:FUTURIZE
10. Pollution
11. Sleepy Hungry Minds
12. Seek Diamonds
13. FLOWERS
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)




声優歌手・日笠陽子の1stフルアルバム。
アニメ「けいおん!」の声優として活躍してきたその流れを引き継ぐかのように、
ソロアルバムにおいても、バンドサウンドを基調とした
ロック系の曲中心の作品をリリースしてくれました。

まず1曲目「新世界システム」の時点で名作アルバムであることを確信させられました。
サビの伸びやかな歌唱とメロディが素晴らしい。編曲にも細部までこだわりが感じられる。
それに加えて歌詞も良いです。Aメロ部分の
「♪あいつはクズだ そんなこと言っているお前はどうなんだ」
は共感できると同時に、これは自分に対しても投げかけられているメッセージだなと。
そしてサビでは「♪新しい光 見せんだろ ぶざまでもかっこ悪くてもいい」
と力強く励ましてくれる。これには聴いていてスカっと前向きな気持ちにされられました。
2曲目「ENVY DICE」もエモーショナルなギターソロの直後にシンセとピアノも弾ける
イントロの時点からして、メロディや編曲の質の高さを実感できる。
前曲以上にロックテイストが強い曲でありながら、この曲もまたサビが良い。
3曲目「Brighter day」はポップかつアッパーな曲。その元気さが微笑ましいです。
そして4曲目「Crazy you」では歌唱の素晴らしさをより一層実感させられました。
声優歌手の中でここまでの高音を連発できる人は少ないです。
さらにはデジロック色の強い編曲も良い。ミディアムナンバーながらも迫力がある。
5曲目「美しき残酷な世界」はシリアスなバラード曲ながらも、歌唱は力強い。
メロディも伸びやかで良質なので聴きやすいです。
6曲目「憂冥」(ゆめ)は何とGLAYのHISASHIさん作詞作曲。
これは確かに女性版GLAYっぽい曲です。スリリングなメロディ展開がカッコいい。

7曲目「風と散り、空に舞い」は傑作。スタートの時点からして抜群の輝きを放っている。
サビ終盤のハイトーン歌唱もスゴい。間奏部分の疾走感も最高。
これぞ最も好きなアニソン系ロックナンバーですが、この曲は特にタイアップも無い
アルバムオリジナル曲のようで。こういう曲が無名のまま埋もれるのは惜しいの一言。
8曲目「終わらない詩」は今作の中では箸休め的なピアノバラード曲。
9曲目「EX:FUTURIZE」はシンフォニックロックナンバー。
この曲の編曲を手掛けた中山真斗さんは元Elements Gardenのメンバー。それだけに、
細部まで作り込まれたアレンジが素晴らしいです。歌唱も編曲の迫力に負けてないのが良い。
10曲目「Pollution」はパワーバラード曲。サビの爆発力が見事。ビバハイトーン歌唱。
11曲目「Sleepy Hungry Minds」はパンキッシュでハッピーな曲。元気があっていいです。
12曲目「Seek Diamonds」は今作の曲の中で唯一、以前から知っていた曲で、
野球アニメ「ダイヤのA」のエンディングで聴いた時には正直微妙に感じていたのですが
しかしこのアルバムの流れで聴くと、作品終盤を飾る曲としてうまくハマった。
流れるようなストリングスアレンジに開放感を感じられます。
13曲目「FLOWERS」はラストを飾るバラード曲。どこか神秘的な雰囲気が漂う。
今作の曲の中ではロック色は薄めですが、それでも終盤の歌唱は圧巻。もはや歌声だけで惹きつけられます。

歌唱、歌詞、メロディ、編曲ともに近年のアニソン系アーティストのレベルの高さを
存分に感じさせてくれる、王道アニソンロックアルバムでした。
日笠さんの歌唱は現時点でも十分良いですが、まだまだ伸びしろがあると感じさせてくれる。
この調子でいけば近い将来は水樹奈々さんに並ぶ実力派声優歌手になれそうだと感じました。
それだけにどうか、実力と同時に人気の方もついていって欲しいところですが・・・







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