おかげさまで今作が、通算400枚目のCDアルバムレビューとなりました。 ここまで続けることができたのは、このブログ見てくれている皆さんがあってこそでした。 ありがとうございます。これからも当ブログをよろしくお願いします。 天野月子「 A MOON CHILD IN THE SKY」 (2005/9/21) 1. A MOON CHILD IN THE SKY (インスト) 2. Devil Flamingo 3. JOKER JOE 4. イデア(A Moon Child mix) 5. Stone 6. 翡翠(A Moon Child type) 7. 1/2-a half- 8. 聲 9. 砂糖水 10. パレード 11. 博士と孔雀 12. 花冠 13. 体操 (シークレットトラック) お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10) 2005年にリリースされた、天野月子の4thアルバム。 今作はこれまでのアルバムの中でも最も多彩な楽曲世界が広がっています。 曲調の方はポップな曲からオルタナ系の曲まで幅広いのは今まで同様といえますが、 歌詞については、これまではラブソングばかりだったのに対し、 今作では前半の曲中心にその枠も飛び越えた。史上最大のスケール感が広がる、 まさに彼女の集大成的作品といっていいでしょう。 まずインストを挟んで最初の曲「Devil Flamingo」は、 「この世界はまるで 果てなき空中サーカス」と荒々しく歌うサビが印象的で、 楽曲全体から荒涼感を漂わせつつも、ノリが良くて聴きやすい。いきなりの名曲。 3曲目「JOKER JOE」は集団の中に入れずにいるアウトサイダーの姿を歌った曲で、 歌詞サウンドともに抜群にカッコいい。これに共感してしまう自分は負け組かもしれませんが。 4曲目「イデア」は先行シングルにもなったアニメ主題歌ということもあってか、 サビの開放感が素晴らしい。「空を裂いて光が落ちてく」「大地を踏む」 などといった歌詞はあらためて今聴くとアニソンっぽいよなと感じます。 5曲目「Stone」は優しいミディアムバラード。ここに来てやっとラブソングが出てきた。 6曲目「翡翠」はシングル盤ではオーケストラのみのアレンジでしたが、 アルバムバージョンではピアノやドラムの音も入るバラード曲となりました。 別れを歌った歌詞が心に響く。伸びやかで前向きさを感じられる歌唱も良い。 7曲目「1/2-a half-」はアップテンポながらもほんのり哀愁漂う歌謡曲。ノスタルジックな雰囲気がいい感じ。 8曲目「聲」はシングル曲ながらも圧倒的。愛する人のためならば、 体の一部を失ってもいいとまで歌う、怖いぐらいに無償の愛を歌ったロックバラード曲で、 ストリングスの響くバンドサウンドや、歌唱の方なども抜群の迫力。 9曲目「砂糖水」は前半の拍子が童謡っぽい。可愛さと鋭さが同居したバラード曲。 10曲目「パレード」は荒削りなロックチューンで、カオス感漂う歌詞含めて素晴らしい。 シュールさ満点。エフェクトがかかった歌唱の方も印象的。 11曲目「博士と孔雀」は5曲目と同系統の優しいバラード曲。歌詞は特徴的だが今作の中では地味に感じるか。 そして実質ラストナンバーの12曲目「花冠」は今作を締めくくるにふさわしい大傑作。 ピアノバラード調の序盤から、曲が進むにつれて徐々に楽器の音が増えていき、 後半はシンフォニックロックへと展開していく。そのドラマチックさに圧倒。 これにて大団円・・かと思いきや、シークレットトラック「体操」のブッ飛びっぷりに笑ってしまった。 何なんだ桃色体操って! 思わず一緒にやってみたくなりましたが。 歌詞サウンドともに凝りに凝った曲ばかりでありながらも、それなりに聴きやすさも兼ね備えられている。 どの曲もメロディがキャッチーで、サビメロや歌唱が伸びやかなので聴いていて気持ちが良い。 これほどまでに質の高い作品を作りながら、なぜこれがメジャー最後のアルバムとなってしまったのか。 彼女は生まれてくる時代に恵まれなかったとしか思えない。過去のレビューでも書いた通り、 たまたま同じ時代に椎名林檎さんがいてそちらの方が先にブレイクしたばっかりに、 そのフォロワー的な目で見られてしまったことが惜しく感じる。 あと10年、世に出て来る時期がズレていれば・・・カリスマ的人気歌手になれた可能性もあったのでは。 現在は天野月という名前でインディーズにて活動を続けておりますが、 またこの頃のようなロック色の強い作品も聴いてみたいです。これで終わってしまう歌手ではないはず!
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2014年9月8日月曜日
[CDレビュー] 天野月子「A MOON CHILD IN THE SKY」
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