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2012年2月4日土曜日

[CDレビュー]  SWITCH「フルテン」



SWITCH「フルテン」
(1995/11/25) 

1. SWITCHのテーマ   
2. SWITCH A GO GO
3. しゃにむにシェイク!シェイク!  
4. 満員電車ひとめぼれ 
5. STICK AROUND
6. たまるか
7. みんなスゲェー
8. 熱血クリクリ大作戦
9. 宇宙原人
10. FREE
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)





1995年にリリースされた、SWITCHの1stアルバム。
ボーカルと楽器隊の男性5人と、女性ダンサー3人による計8人組の大所帯バンドで、
エンターテイメント色が強く、踊れる曲が多いバンドでした。
このアルバムの収録曲の中で、90年代当時に多くの人が聴いたことがあると思われる曲は、
「♪ねーちゃんにーちゃんじーちゃんばーちゃんおじちゃんおばちゃん」というフレーズが
携帯電話のCMソングとして流れまくっていた「みんなスゲェー」という曲でしょう。
それ以外にも、アニメ主題歌を担当したり、バラエティー番組に出演したりといったように、
当時かなり押されていたにもかかわらず、全く売れなかったということをあの頃は不思議に思っていました。


そしてこの作品を聴いて、ますますこれがなんで売れなかったのか不思議だと思いました。
ファンク、ソウル、ジャズなどといった様々な音楽の要素が詰め込まれていながらも、
それでいてポップで聴きやすく、カラフルで楽しい作品です。
ホーンをふんだんに取り入れた、爆発力満点なナンバー「SWITCHのテーマ」から始まり
ソウルフルでファンキーな「しゃにむにシェイク!シェイク!」、
サンバのリズムが気持ちいい「満員電車ひとめぼれ」などといった
アップテンポ曲の質が軒並み高く、さらにミディアム~バラード系においても、
まるで宇宙をゆったりと遊覧飛行しているかのような、ロマンチックな世界が曲中に広がる
「宇宙原人」や、アコギの音色が心地いい、ラストにふさわしい大団円ナンバー「FREE」
といった曲がどれも素晴らしい。
そしてそれらどの曲においても、男性ボーカルと女性ダンサーのコーラスによる掛け合いが、
楽曲の大きな魅力となっていて、グループとしての一体感を感じさせてくれます。
個人的にボーカルの声質が好きなのも大きなプラス材料でした。


ただ一つ気になったのは、この作品の収録曲は作詞、作曲ともに外部からの提供が多く、
自作ではキャッチーな曲を作るのが苦手なのかなと思ったこと。
唯一の完全自作曲の1曲目に、サビと呼べるような部分が無いのを聴いて特にそう感じたわけですが・・・
しかしその分、作曲家には大沢誉志幸さんを起用したりといったように
優秀な制作スタッフ達がこのアルバムに集められたという印象で、
結果的にそれが作品の質を大きく上げたのではないかと思いました。


これだけ良い曲ばかりで、なおかつ十分一般ウケしそうな曲ばかりなのに、
もうここまでくれば、このアルバムが売れなかった原因は、
アルバムタイトルの「フルテン」が「フル●ン」に見えたからとしか思えないです!
歌詞カードの裏には「FULL 10」という文字が描かれていて、本来の音楽用語の意味と同時に
10曲入りアルバムとしてフルに頑張ったという意味もこのタイトルに込められていたのでしょうが・・・


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