筋肉少女帯「 ザ・シサ (初回限定盤A)」 (2018/10/31) 1. セレブレーション (Instrumental) 2. I,頭屋 3. 衝撃のアウトサイダー・アート 4. オカルト 5. ゾンビリバー ~Row your boat 6. なぜ人を殺しちゃいけないのだろうか? 7. 宇宙の法則 8. マリリン・モンロー・リターンズ 9. ケンヂのズンドコ節 10. ネクスト・ジェネレーション 11. セレブレーションの視差 12. パララックスの視差 お気に入り度:★★★★★★★☆ (7.5/10) 筋肉少女帯の通算19枚目のオリジナルアルバム。アルバムタイトルの「シサ」とは 「視差」で、同じ物でも見る人によって全く異なるものに見えるという意味らしい。 当ブログ管理人から見れば、今作も天才的プログレッシヴロックアルバムにしか見えない。 1曲目「セレブレーション」は約1分半のインスト曲。 メタリックなギターのメロディが胸に響く、オープニングにふさわしい壮大なインスト。 2曲目「I,頭屋」では昭和テイストな歌謡ロックでラップも交えた歌唱に痛快さがある。 「顔にヒビを書いて」といった歌詞を聞くと筋少の自己紹介的な曲にも聴こえる。 3曲目「衝撃のアウトサイダー・アート」はラブソングを絵画に例えた歌詞と ピアノを交えたメロディが抜群に美しいロックナンバーで、ボーカルのオーケンこと 大槻ケンヂさんの歌唱も衝撃的なまでに刺さる。これぞアーティスティックそのもの。 4曲目「オカルト」は今作のリードトラック。神様が願いを1つ叶えると言ってるのに そんなことを願うのかとツッコみたくなる歌詞が面白いし、ラストのオチもまさかの展開。 ただサビがどこなのか分からない曲がアルバムリード曲ってのはどうなんだろう? 前後の曲が傑作だっただけにそちらをリード曲にしていた方が・・・ 5曲目「ゾンビリバー ~Row your boat」は今作の中でもダントツの疾走感に溢れた メタルナンバーで、速弾きピアノを含めた楽器隊の演奏もスゴい。 それでいてゾンビが題材の曲ながらも怖いではなく面白くて芸術的だと感じられる。 例えるならば名作漫画を読んでいるかのようなワクワク感。文句無しの傑作! 6曲目「なぜ人を殺しちゃいけないのだろうか?」は ポップなバンドサウンドとはあまりにもアンバランスな歌詞がインパクト抜群な曲。 葬式などでの服装に悩む者としてはよく分かる曲・・とはやっぱり言えるわけがない。 7曲目「宇宙の法則」は筋少にしては歌詞が普通のラブバラードに聞こえる曲だが サビで変拍子が加わったりする編曲はやはりさすがだとしか言えない。 8曲目「マリリン・モンロー・リターンズ」はジャジーなサウンドをバックに セリフをつぶやき続ける曲かと思いきや一転シャウトする展開がプログレッシヴ。 9曲目「ケンヂのズンドコ節」は盆踊り風の曲ながらもその割に歌メロが単調に聴こえる。 10曲目「ネクスト・ジェネレーション」は昔のバンドマンとの恋を描いた曲で 他のバンドがこんな曲を作れば面白いと絶賛するレベルだが筋少にしては既視感ある曲。 こちらもサビメロに盛り上がりが足りないのが惜しいところか。 11曲目「セレブレーションの視差」は1曲目にオーケンのポエトリーリーディングが 加わることでより一層ドラマチックにパワーアップした曲。 アルバムのラストを飾るにふさわしい・・と思いきやまだ終わりじゃないんですね。 12曲目「パララックスの視差」はラストにしてはあまりにも地味なバラード曲。 オーケンが上坂すみれさんに提供した「パララックス・ビュー」の続編的な 傑作を期待してたんですけどね。こちらにも「視差」というフレーズがあっただけに。 メジャーデビュー30周年記念を飾るアルバムで、前半は期待通り素晴らしかったが それと比べると後半の楽曲はメロディが単調に感じる部分が多かったのが やはり惜しいところ。長くやってるとどうしてもメロディがネタ切れ気味になるのかなぁ。 だがそれでもオーケンの描く歌詞は相変わらずネタ切れなんて無縁なほどに 抜群の天才性を感じられるし、歌唱の方も上手いとか下手とかを超越するほどに 魂を震わす歌声が健在。さらにピアノの活躍は前作以上だったりするのも良かった。 何よりこの年になってもほぼ1年に1枚のペースでニューアルバムのリリースを 続けてくれているのが嬉しい。これからも活動が続く限り一生聴き続けるバンドでしょうね。
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2018年12月26日水曜日
[CDアルバムレビュー] 筋肉少女帯「ザ・シサ」
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