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2016年2月18日木曜日

[CDレビュー]  小林幸子「さちさちにしてあげる♪」


小林幸子「 さちさちにしてあげる♪」
(2016/1/27)

1. さちさちにしてあげる♪ 
2. 吉原ラメント
3. 紅一葉
4. J('ー`)しカーチャン
5. 千本桜
お気に入り度:★★★★★★★★ (8/10)




小林幸子のボーカロイド曲カバーアルバム。
言わずと知れたベテラン演歌歌手が「ニコニコ動画」などのネットの世界へと進出。
2014年に夏コミの会場にて限定販売された作品が、この度ついに一般流通開始。

まず1曲目「さちさちにしてあげる♪」は初音ミクの代表曲「みくみくにしてあげる♪」
のカバー。デジタルサウンドと演歌の異色コラボ。
歌声にエフェクトがかかったかと思えば、一転こぶしの効いた歌唱を聴かせる辺りは
さすがとしか言いようが無い。なお歌詞はラスボス仕様にモデルチェンジ。
途中で選挙風の演説が入ったりするなど、あまりにブッ飛んだ内容に笑ってしまった。
そりゃ裏紅白歌合戦にも選出されるよなぁ。この翌年に表紅白に返り咲いたのもまたスゴいが。
収録時間約1分半と短いことが惜しくなるほどの迷・・いや名曲です!

2曲目「吉原ラメント」は体を売る女性の姿を歌った和風ポップス。
美しい和楽器の音色が印象的な有名ボカロ曲だが、サビの高音部分の歌声は
オケに埋もれ気味か? ビブラートを効かせた中低音の歌唱はさすがでしたが。
3曲目「紅一葉」は貫録の歌謡ミドルバラード。楽曲の良さを存分に引き立てる
哀愁と情感のこもった歌唱。やはりこういう曲が一番合っている。
4曲目「J('ー`)しカーチャン」では息子目線で描いた曲を母ちゃんご本人が歌う。
アレンジの壮大さも相まって一転感動路線。1曲目からするとえらい落差だ。
5曲目「千本桜」はご存知の通り2015年の紅白歌合戦で披露された曲。
見事なまでの演歌とポップスの融合。言うこと無し。
もはやラスボスのために作られた曲かと思えてくるのだが違うのでしょうか?(笑)

元々カバー曲はよほど好きな歌手の作品しか注目することはない上に、
聴いたところでお気に入り度はそれほど高くならないことが多かったのですが
このカバーアルバムに関しては話は別。日本古来の演歌・歌謡曲をより現代風に
アレンジした楽曲の数々を、本物の演歌歌手が歌うという最強コラボ。
なんなら収録曲5曲と言わずもっと聴きたかったぐらいでした。さらにその次には、
ボカロPの書き下ろしによるオリジナル曲のリリースも期待したくなる。
紅白歌合戦に計33回の出場経験があるほどの大御所歌手が、全く新たなステージに
よくぞ足を踏み入れてくれた! 早くも今年の紅白での活躍も期待したくなりますね。







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