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2015年11月10日火曜日

[CDレビュー]  水樹奈々「SMASHING ANTHEMS」


水樹奈々「 SMASHING ANTHEMS【初回限定盤】(Blu-ray Disc付)」
(2015/11/11)

1. Glorious Break
2. Never Let Go
3. SUPER☆MAN
4. Angel Blossom
5. BRACELET
6. レイジーシンドローム
7. コイウタ。
8. 禁断のレジスタンス -Extended Mix-
9. The NEW STAR
10. Clutch!!
11. 熱情のマリア
12. エゴアイディール
13. エデン
14. アンビバレンス  
15. Exterminate
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)





水樹奈々の通算11枚目のオリジナルアルバム。
歌謡曲のメロディのこだわりはそのままに、曲の自由度が前作以上に上がったという
ウェブ上のインタビュー通り、今作もまた、今まで通りの魅力を持った曲と
今までには無い魅力を持った曲が、バランス良く組み合わされた名作アルバムとなりました。

1曲目「Glorious Break」はElemens Gardenの上松さん作曲、藤間さん編曲による
シンフォニックロックナンバーで、Bメロまでは予測不能な展開連発、
そしてサビで一気に疾走する曲展開が圧巻。ジャンル的にはクラシックに入れても
いいのではと思うほど、これまでのエレガ曲以上にオーケストラの迫力を感じられる。
そして毎度のことですがこんなにも難易度の高い曲を立派に歌う奈々様の歌唱は最高。
アルバムのオープニングにふさわしい傑作曲がまた1曲誕生いたしました。

2曲目「Never Let Go」は歌謡曲テイストの入ったミドルナンバーながらも
サビに向かうにつれて徐々に盛り上がっていくアレンジに力強さを感じる。
「♪言い訳に逃げるな」「♪逆風も振り切るように」といった歌詞も含めて
この曲からは悲壮感すら漂うほどの強い決意を感じさせてくれる。これも名曲。

3曲目「SUPER☆MAN」では前曲とは一転して陽気なディスコチューンに。
コーラスの「♪ス、ス、ス、ス、Superman」などが何ともキュートで耳に残る曲。
だがそれ以上に「♪I am Superman」の歌声が個人的にツボだったので
これが曲終盤の1回しか出てこないのは少なく感じた。あと「♪Oh,Yes! Superman」も。

4曲目「Angel Blossom」はこちらのシングルレビューを参照。
5曲目「BRACELET」は歌詞に切なさが漂うものの、それ以上に前向きさとポップ感を
感じさせてくれるロックチューン。二重構造となったサビの盛り上がりが良い。

6曲目「レイジーシンドローム」はこちらのシングルレビューで書いた通りの名曲。
7曲目「コイウタ。」は至って普通のJ-POPラブバラード。これ以上特に語ることもない。

8曲目「禁断のレジスタンス -Extended Mix-」はこちらで書いた通りの傑作。アルバムバージョンでは
シングル版以上にバイオリンのメロディに勢いを感じられ、見事パワーアップしている。

9曲目「The NEW STAR」は洋ポップス風で大人っぽい雰囲気のディスコチューン。
「女子たちの時代」と書いてnew generationと読ませるのはスゴい。
この歌唱があれば、普段聴かない系統の曲もそれなりに聴けてしまうものです。

10曲目「Clutch!!」はドライブをモチーフにした歌詞が印象的なポップチューン。
ブラスバンドと共に盛り上がるサビの雰囲気はいいのだが肝心のメロディがしっくり来ない。
光増ハジメさんという作曲家が自分にはどうも合わないのだろうか・・・

11曲目「熱情のマリア」は「禁断のレジスタンス」と同じ加藤裕介さんの
作編曲によるハードポップチューン。編曲はエレガと似てるけどそのレベルまでは
まだ及んでないような気がするのは贔屓目に見過ぎなのでしょうか?

12曲目「エゴアイディール」は勢いのあるピアノポップナンバー。
サビ後半から間奏部分にかけてのピアノの速弾きはスゴい。鬼の譜面。
こういう曲であってもメロディの良さと歌声の魅力が生きているのはさすが。

13曲目「エデン」はこちらのシングルレビューで書いた通りの傑作。
今作のアルバムの中でも一番好きな曲です。

14曲目「アンビバレンス」はジャジーでアダルトな雰囲気漂うバラード曲で
最初に聴いた時は今作の曲の中で一番驚いた。年齢相応の曲といえばその通りなのだが。
2、3度聴くとジャズ歌謡っぽい感じもしてこれはこれで魅力があるなと感じられました。

15曲目「Exterminate」は今作のラストで聴くと、こちらのシングルレビューの際に
聴いた時以上に素晴らしく感じられた。このアルバムの終幕のファンファーレが鳴り響く。


今作でも、アニソン系アーティストの大きな魅力の1つである曲種や編曲の多彩さは
健在ながらも、6~9thアルバムの頃と比べるとアルバムオリジナル曲は全体的に
音の数が少なくなった分、アレンジに聴けば聴くほどの深みを感じられる曲は減った印象。
これはエレガメンバーの曲提供が減った影響ともいえる。
だがその分、新たなアレンジで歌声をよりじっくりと聴かせる曲(今作では14曲目など)
は増えたと感じられる。今までの曲と同じような曲ばかりを歌い続けるよりは、
新しい作曲家と組んでいろんな曲に挑戦していくのは良いことだといえるでしょう。
ただ前半6曲までと比べると、後半のアルバムオリジナル曲は微妙だと感じる曲が
ちらほらあったのは惜しいところ。7曲目みたいな曲は全く求めてないので・・・
さすがにああいう曲が今後増えることは無いと思うしそう信じたいですが。
11作目になっても若さと冒険心を存分に感じられる作品となっているのは素晴らしい。
アニソン系J-POP歌手代表としてどうかこれからもその勢いのままに駆け抜けて欲しいです。







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