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2019年5月2日木曜日

[CDアルバムレビュー]  BAND-MAIKO「BAND-MAIKO」


BAND-MAIKO「 BAND-MAIKO (完全生産限定盤)」
(2019/4/3)

1. secret MAIKO lips  [公式PV]
2. 虎 and 虎
3. YOLOSIOSU
4. ansan
5. Akasimahen
6. すくりーみんぐ
7. 祇園町  [公式PV]
お気に入り度:★★★★★★★ (7/10)



BAND-MAIKOの1stミニアルバム。
「ありそうでなかった、舞妓によるガチのロック・バンド」のデビュー作。
始まりはBAND-MAIDが2018年の4月1日にエイプリルフール企画として
「secret MAIKO lips」をYouTubeで公開し、舞妓をコンセプトにしたバンドに
生まれ変わると宣言したのがきっかけ。そして2019年の4月1日には完全オリジナルの新曲
「祇園町」を公開した後、BAND-MAIKOがBAND-MAIDの公式ライバルとしてウソではなく
本当にCDデビューを発表。まさかの展開には笑ったし、作品を聴いてさらに笑顔になれた。

全7曲中1~6曲目まではBAND-MAIDの楽曲のリメイクバージョンを収録。
まずデビュー曲となる1曲目「secret MAlKO lips」は「secret My lips」のリメイクで
ギターボーカルの小鳩ミクちゃんもとい鳩子はんの作詞による京都弁の歌詞と
和楽器アレンジの加わったバンドサウンドで楽しく盛り上がる。和楽器バンドが好きなら
ドンピシャでハマるはず。2曲目「虎 and 虎」は「One and only」のリメイク曲で
ホイ!ホイ!という合いの手や、屏風の虎をモチーフにした歌詞に意外性があって面白い。
ボーカルの彩姫さんもとい富士姫はんがタイガースファンなのは関係なかった曲のようで。

3曲目「YOLOSIOSU」は「YOLO」のリメイク。原曲はこちらで聴けば分かる通りに
個人的にもトップクラスに大好きな名曲で、終盤の展開が特にシビれる曲だが
原曲だと「♪広がる世界に 初めまして」と歌うところが「♪広がるお座敷 おこしやす」と
お座敷に案内されたのは笑った。さすが舞妓さん、おもてなしの心が詰まってると思いきや
「♪一言さんお断りどす」「♪堪忍どっす すんまへん」
まさかの一言さんお断りか! 今作で一番のツッコミどころはここだな。
せっかくの傑作がコミックソングみたいになったが、笑ったのでまぁいいんじゃないかな。

4曲目「ansan」(anemone)、5曲目「akasimahen」(Awkward)では
聴かせるバラード曲を披露。そして6曲目「すくりーみんぐ」(Screaming)では
イントロからして爆発的に盛り上がる和楽器×ハードロックアレンジに加えて
Bメロではおいでやすおこしやすといったマシンガン京都弁が飛び出すなど
おもてなしの心満載。さっきは一言さんお断りとか言ってたのは何だったんだ。

そして7曲目となる「祇園町」は完全オリジナルの新曲。
さすがゼロから作った曲なだけあって完成度の高さはピカイチ。
歌メロからして切ない和メロが味わい深くて、歌詞カードに無いコーラス部分の響きも
美しく聴こえる。「♪よいさんよいあさ(?)」と聴こえるけどどういう意味なんだろう?
京都出身シンガーの柳瀬蓉さんの曲みたいだとも思った。知らない方々はこちらも要チェックですよ。

ぜひこれからも我々庶民の前に定期的に姿を現して欲しいと思える舞妓バンドでした。
こういう形であらためて聴くと小鳩ちゃんもとい鳩子はんの作詞能力は高いなと、
鳩なのに脳みそ詰まってるなというのが分かったし、いわゆるサイドプロジェクト的な
バンドでこんなにもエンターテイメントとして上質なものを届けてくれたのには
Gacharic SpinがDOLL$BOXXやMETTALIC SPINといったサイドプロジェクトを引っ提げ
全力で楽しませてくれてるのにも通じるところがあって、BAND-MAIDもついにこの領域まで
来たかと思わず嬉しくなった。BAND-MAIKOとMETTALIC SPINの異色対バンも見てみたい。
そしてBAND-MAIDと共に世界征服を期待したいですね。コンセプトからして海外でもウケそうなだけに。






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