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2018年7月6日金曜日

[CDアルバムレビュー]  TRUE「Lonely Queen’s Liberation Party」


TRUE「Lonely Queen’s Liberation Party(初回限定盤)(Blu-ray Disc付)」
(2018/4/25)

1. Lonely Queen’s Liberation Party  [公式PV]
2. Sincerely  [公式PV]
3. 次の僕へ
4. 分身
5. 終わりたい世界
6. BUTTERFLY EFFECTOR  [公式PV]
7. JUMPIN’
8. Roadmap
9. フロム  [公式PV]
10. 酸素
11. 耳恋ミュージック
12. サンドリヨン
13. パズル
14. Anchors Step
お気に入り度:★★★★★★★ (7/10)




TRUEの3rdアルバム。ソロシンガーの唐沢美帆さんがアニソン系アーティストに転身して
早くも通算3作目。今作も全曲本人作詞に豪華メンバーが揃った作曲家陣を加えて
多種多彩な楽曲が詰まったアルバムを届けてくれました。

まず1曲目のアルバムタイトル曲「Lonely Queen’s Liberation Party」にして
いきなりとんでもない傑作が来たーーっ!!まさにあなたこそがクイーンと呼びたくなるほどの
力強くも華麗な歌声と、美しさを極めたシンフォニック系サウンドが全開。
変拍子が加わったり終盤に転調したりする曲展開もたまらなくドラマチックで
聴けば聴くほどに味わい深くて凄さを感じられる。
さすが元Elements GardenのEvan Callさんが編曲を担当しただけある。
ちなみにEvan Callさんのことをこちらのwikiで調べてみると、アメリカ出身の作曲家で
18歳まではパワーメタルを好んで聴いていたなどと書かれていたのを見て
またまたこのパターンかと、アニソン界のマーティフリードマンかと思ってしまった。

その後のアルバムオリジナル曲では、クレジットを見ずとも堀江昌太さん作曲というのが
分かりそうなほどにハイテンポで起伏に富んだロックチューンの「次の僕へ」、
イントロがギターロックでサビはデジタルポップ風という編曲が斬新な「分身」、
Tom-H@ck作曲の洋楽ポップス風楽曲ながらも、伸びやかな歌唱と歌詞のダークさとの
コントラストがお見事な「終わりたい世界」などの曲は特に印象的で
前半は良かったものの、アルバム全体で見ると過去2作よりもお気に入り度は下がる結果に。
なぜそうなってしまったのか理由はただ一つ。今作はヒロイックな曲が足りない。
前アルバムレビュー(記事はこちら)の時に絶賛した「Divine Spell」「飛竜の騎士」
のようなアッパーでヒロイックでスケール感に溢れた傑作シングル曲が今作には無い。
シングルで唯一ハマった「BUTTERFLY EFFECTOR」もよくあるタイプのバンドロックだし、
アルバムオリジナル曲のアッパーチューンもいわばそれと似た系統の曲が多い。
そしてアルバム後半の曲の中でも特に11曲目以降は、歌い方もガラっと変わり
声優歌手みたいな甘い歌声を聴かせまくるという、まさかの展開が待っていた。
前アルバムレビュー記事ではTRUEさんはアンチエイジングの星などと名付けたものの
まだ更に逆走するとは思わなかった。唐沢美帆ちゃん17歳と化してしまった。
そしてこれらの作曲&編曲者のメンツを見てみると12曲目がORESAMA、13曲目がクラムボン、
14曲目がeufoniusのメンバーといったように、個人的期待とは違う人選が続いた。
14曲目の作曲者はこれまで自分は天才だとか大口叩いてきたそうだが
この人の曲はそんなに良いとは思えない。その一方で11曲目「耳恋ミュージック」は
意外といける。浮遊感あるデジタルサウンドが癒し系な雰囲気で歌声にも合っている。
歌唱力や声量は相変わらず文句無しでアニソン歌手らしい魅力が詰まった作品という点では
今作も同様だったので、次作以降ではまた「Divine Spell」のようなアッパーチューンの傑作も聴きたいですよ。






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