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2018年7月2日月曜日

[CDアルバムレビュー]  82回目の終身刑「脱獄計画」


82回目の終身刑「脱獄計画」
(2018/5/27)

1. SE-囚人点呼- 
2. 初公判GUILTY
3. 覚
4. 八つの大罪  [公式PV]
5. MEMENTO
6. HIDE&SEEK
7. LEGEND WING
8. 霹靂SUNMOONLIGHT
9. しゅうしんけーになりたいな(かり)
10. 黎明罪と罰
11. 血ミドロPUMPKIN PATCH(刑務VER.)
12. 自縛のメランコリー(刑務VER.)
お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10)
(色彩RECORDS大阪オンラインストア&ライブ会場限定販売)




82回目の終身刑の1stアルバム。2017年に結成されたばかりの
関西インディーズシーンを中心に活躍中の「牢獄発囚人ガールズバンド」の作品。
昨年にANIME GIRLなどとの対バンで初めてライブを体験した時点で
一躍注目バンドとなったのは記憶に新しいですね(記事はこちら)
ダンサー2人を加えての計6人の囚人達が華麗なライブステージを見せてくれたのには
まるでダークサイドに染まったGacharic Spinみたいなガールズバンドだなと、
そしてついにGacharic Spinもフォロワーが現れるほどのバンドになったのかと
思いたくなったものだが、あらためて今作を聴いてみると
楽曲の方は誰のフォロワーでもない、このバンド独自の魅力が詰まった曲ばかり。
期待以上、芸術的といってもいいほどの作品を届けてくれた。

まず1曲目にて囚人(メンバー)の点呼から始まり、続く2~4曲目で一気に
裁判所や刑務所をモチーフとしたダークファンタジーな世界へと連れていかれる。
編曲の質が高くてスケール感に溢れたゴシックロックナンバーが中心でありながらも
アップテンポでノリの良さもあってサビメロのポップ感はピカイチ、
そしてボーカルの葉月さんの歌唱も綺麗な声だから聴きやすい。その中でも4曲目
「八つの大罪」は唯一PVが作られている曲で一目瞭然のキラーチューン。
「♪怯える必要ない 今日から君も仲間入り」このサビの1フレーズが
聴き手を82回目の終身刑の世界へと引きずり込む。こういうのを聴くと
ぜひ仲間になりたいと思ってしまう。なんなら葉月さんに逮捕されて囚人になってもいいかも。

続く5曲目「MEMENTO」は重厚なミドルバラード曲を聴かせたかと思えば
6曲目「HIDE&SEEK」からはまるで牢獄の独房に光が差し込み始めたかのように
明るい曲調が続いて盛り上がる。7曲目「LEGEND WING」では牢獄を一気に抜け出して
広い世界へと連れていってくれるかのよう。アニソン・ゲーソンみたいな世界観も感じさせつつ
「♪そうさ僕らはひとつ そうさ僕らはふたつ」と歌うサビは一体感と開放感抜群、文句無しの傑作。
8曲目「霹靂SUNMOONLIGHT」は少年カミカゼでANIME GIRLの和教さんが
作曲を担当したラブソングでこういう曲も歌えるというのも魅力。
9曲目「しゅうしんけーになりたいな(かり)」はまさかのピコピコデジタルポップ。
どうぶつさんたちがしゅうしんけーになりたいとうたうかわいいきょくだよ!
10曲目「黎明罪と罰」はダンサブルなブラスロックナンバー。
最後は一緒に踊ろうに歌いかけてファンタジーの幕が閉じられる。

ボーナストラックの11、12曲目では刑務バージョン、つまりはライブバージョンを収録。
「自縛のメランコリー」は昨年のライブレポでも絶賛したシンフォニックメタルナンバーで
ダークネスな迫力と抜群の疾走感は2~4曲目以上のものがある傑作。
それだけにやっぱりライブ音源ではなくちゃんとしたスタジオ音源を
収録して欲しかった・・・それとも2ndアルバムでPV付きのリード曲にする予定なのか?

1stアルバムにして見事に作り上げられた世界観、ボ-カルの葉月さんの高い作詞能力、
そして多彩なアレンジで聴かせる楽曲と、どこをとっても完成度が高くて
ガールズロック好きにぜひおすすめしたいバンドがまた1組現れてくれた。
Roseliaや喜多村英梨さんが好きならば尚更ハマるんじゃないかと思う。
関西ガールズシーンからブレイクする歌手やバンドが現れてくれたら本当に嬉しいですけどね。
ANIME GIRLや柳瀬蓉さんと並んで期待したい若手アーティストの1組。
結成1年足らずでカミコベに出演を果たしたりもしているだけに、これからもこの調子で
全国各地で刑を執行していって欲しいですね。執行猶予とか無しでどんどんやって下さい!






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