[CDアルバムレビュー] Mary's Blood「Revenant」

Mary's Blood「 Revenant (初回限定盤)」
(2018/4/18)

1. World's End　 [公式PV]
2. ツキヨミ
3. It's Alright
4. Believe Me
5. On the Rocks
6. Rolling Start
7. Halcyon Days
8. 女神の裁き ～Death Queen's March～
9. R.I.P. 
10. Say Love
11. Take a Chance
お気に入り度：★★★★★★★★☆　(8.5/10) 




Mary's Bloodのメジャー4thアルバム。
SHOW-YAの所属事務所の後輩にもあたるハードロック・メタル系ガールズバンドが
レコード会社を三たび移籍してリリース。アルバム4枚目にしてメジャー3社目って
どういうことなんだと思いつつも、それでもこうして新作を出せるだけでも
良かったなと感じられるほどの作品を届けてくれました。

まずは1曲目「World's End」にして最重量ガールズメタルバンドの本領発揮。
まさに大地が割れそうなほどの迫力、ライブでもド迫力ステージを見せてくれること必至。
2曲目「ツキヨミ」もリード曲だったとしても全然おかしくない曲。
切ないラブソングでありながらもサビメロは万人ウケしそうなほどのキャッチーさがある。
そして今作ではアルバムの前半から新機軸の曲に次々と挑戦。
3曲目「It's Alright」はノリの良いデジロック調のアレンジが加わった曲で
こういう曲が大好きな者としては文句無しに今作の中で一番の収穫。
もしかすると対バン常連のGacharic Spinに影響を受けて作った曲なのか？
5曲目「On the Rocks」はブルースロック調のサウンドにのせてバーでお酒を飲む姿を
歌った曲で、ボーカルのEYEさんのダミ声で大声の酔いつぶれ歌唱がたまらん・・・
こういう酒乱系女子ってのも意外と素敵なのでは！？と本気で思えてくるほどの歌いっぷり。
そして6曲目「Rolling Start」は一転してポップ感に溢れたガールズロックナンバーで
「♪輝くゴールの果てまで」「♪迷わずに進め」といった前向きなメッセージが
気持ちいい応援ソング。なんならNHKのオリンピック中継主題歌に起用されても
いいのではと思えるほど。かつては浜田麻里さんやSHOW-YAの寺田恵子さんが
オリンピック主題歌を歌っていた時代もあったというのだから、
その頃に戻ってくれたならばMary's Bloodも・・・こんな時代もあったとはうらやましい。

アルバム後半では7、11曲目に美しいバラード曲を聴かせたかと思いきや
8曲目「女神の裁き ～Death Queen's March～」ではEYEさん自らライブのMCにて
ドロドロの曲だと紹介するほどの曲をぶつけてくれる（当時のレポはこちら）
ピアノのメロディなどがゴシック風味で壮大なのも良い。そして11曲目の
「Take a Chance」はポップで開放感溢れるメロディと重厚なメタルサウンドの融合が
お見事なラストを飾るにふさわしい名曲でアルバムを締めてくれた。

これまで以上にアレンジの幅が広がり多彩な魅力を発揮した作品となっただけに
今作は入門編のアルバムとしては最適なのではないかと思う。
個人的には「Coronation Day」や「I'm Dead」級のゴリゴリ疾走キラーチューンが
あればなお最高だったところだったが。ともあれ今度こそレコード会社はMary's Bloodを
長い目で見てやって下さいとお願いしたいですね。ポストSHOW-YAになれるバンドなだけに。