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2016年3月16日水曜日

[CDレビュー]  TRUE「Joy Heart」


TRUE「 Joy Heart」
(2015/12/23)

1. Joy Heart
2. はじまりの翼
3. Dear answer
4. UNISONIA
5. TWIN BIRD
6. Story of Lucifer
7. 私が哀しみの盾になる
8. ailes
9. SUPER LOVERS
10. エゴイックヒロイン
11. DREAM SOLISTER
12. カレイドスコープ
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)




TRUEの1stアルバム。かつては唐沢美帆という名前で活動していた歌手で
2001年には「Way to Love」がドラマ挿入歌に起用されてヒット。
その後は作詞家への転向を経て、2014年にアニソン歌手として再デビュー。
現名義では初となるアルバムリリース。

歌手として既に15年以上のキャリアがあるにもかかわらず、
良い意味でそれを感じさせないほどに若々しい、伸びやかな歌声には一発でハマった。
「Way to Love」の頃よりも明らかに迫力が増しているのだからスゴい。
アニソン系アーティストは、年齢を重ねると共に作風が年相応に落ち着いていくなんてことに
ならない所が良い。今作はむしろ10代の頃に戻ったかのようだ。永遠の17歳と言わんばかり。

楽曲は全曲が本人作詞、作曲は音楽制作レーベルArte Refactのメンバーが
担当した曲が多いが、このレーベルはElemens Gardenに肩を並べるほどの実力を感じる。
デジロックやシンフォニック系のアップテンポ曲が並ぶ、前半の1~6曲目は
とりわけ編曲が素晴らしい。1曲目「Joy Heart」のイントロの電子音の重ねっぷりからして
そんじょそこらのデジタルポップとは違うと思えるほどレベルが高い。文字通りトランス状態にもっていかれた。
続く2曲目「はじまりの翼」も優雅なストリングスアレンジに、間奏のピアノソロが美しい。
さらに極めつけは、6曲目「Story of Lucifer」での
デジタルポップとシンフォニックの高度な融合・・・これらを聴くとあらためて、
近年のアニソン系アーティストの楽曲の醍醐味はここにあり!と宣言したい。

後半の曲では8曲目「SUPER LOVERS」が、あーや流ガールズロックを彷彿させる
華やかなバンドサウンド曲で素晴らしい。歌声自体も平野綾さんに似てると思う。
アルバムのラストを飾る12曲目「カレイドスコープ」も8曲目同様のバンドサウンドと
前向きなメッセージが込められた歌詞に元気づけられる。
「♪一度だけの 人生なーーらーーー! 止まっちゃいらんない」このサビの高音がたまらん。
前半の曲と比べると後半の7、8曲目あたりはメロディが印象に残りにくかったのは
今作で唯一惜しかったところか。バラードで大きくハマる曲があれば最強アルバムだった。

2000年代の一時期はガールズロック&ポップ系の歌手が少なくなっていたのに対し、
近年では一転したかのように、藍井エイル、LiSA、原田ひとみ、そして今回取り上げたTRUEと
アニソン系アーティストで次々と高い歌唱力を持った女性歌手が現れるのは嬉しい限り。
これだけ増えると生存競争が大変になるかもしれないが、みんな頑張って欲しいです。







2 件のコメント:

アニソン鹿 さんのコメント...

私も、TRUEさんの1stアルバムについて、2015年最後にすごいアルバムが出たと密かに思っていました!
作詞家に転向されていたにもかかわらず、パワフルな歌唱が素晴らしいですね。
TRUEさんの声量がすごすぎるので、CDのフォーマットだと、上と下の音をカットして収録しているとのことです。
なので、私は、ハイレゾ版をダウンロード購入しました。

えむけー さんのコメント...

これだけの歌唱力がありながら、なぜ作詞家しかやってない時期があったのだろうかと思えてきますね。
CDのフォーマットだと上と下の音をカットして収録しているとは知りませんでした。
それならばライブで聴くともっとスゴいのかな?いつか生で聴いてみたいです。