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2016年3月26日土曜日

[CDレビュー]  がんばれ!Victory「十代発表」


がんばれ!Victory「 十代発表(初回限定盤)(DVD付)」
(2016/3/16)

1. WONDER JOURNEY
2. 全力!スタート
3. ボクラノミライ
4. 夢のつづき
5. 三三七拍子
6. scarred
7. booing!
8. パレット
9. サヨナラ
10. DEAR
11. 青春!ヒーロー
12. ラリラリラ
13. Go my way!!
14. また明日
お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10)




がんばれ!Victoryのメジャー1stアルバム。
絶対生音主義を掲げる、野球ユニフォーム姿がトレードマークの5人組ガールズバンドが
球春到来と共に、鮮烈なデビュー作を届けてくれた。

1stにしてバンドルとしての独自の音楽性を確立した「平成オールドロック」。
その見た目からは想像がつかないほどに、イントロからガッツリとロックな演奏を
聴かせる曲が多いというのが、まず斬新に感じられる。これぞ温故知新。
その一方でサビはどれもポップな曲ばかりで、アイドルっぽい可愛らしさも持ち合わせている。
コーラス隊の健気な歌声には思わず笑みがこぼれそう。

アルバム序盤の「WONDER JOURNEY」「全力!スタート」といった曲を聴くと
このバンドには夢と希望が詰まっていると感じさせられる。歌詞もさることながら
メンバー全員の一生懸命さが、提供曲も自作曲も分け隔てなく楽曲に乗り移っている。
ボーカルのあやきさんの歌唱からもひたむきな思いが伝わってくる。
やはり音楽と人間性は一体であることが分かる。その純粋さと爽やかさ、
熱さに心を動かされる。こういうバンドこそが応援したくなるバンドだ。

3曲目「ボクラノミライ」はBPMが非常に速い曲で、ライブで語られていた通りの(レポはこちら)
限界に挑戦した曲。間奏のドラムをはじめとした全体の盛り上がりが素晴らしい。
その一方で家族紹介やメンバー紹介を歌うところは可愛い。「♪イヌ!ネコ!」
4曲目「夢のつづき」は泣けるほどピュアな青春ミドルバラード。
大切な人を思いながら歌われる歌詞のメッセージに、聴いている方も励まされる。
こんな曲が熱闘甲子園のエンディング曲で流れたならば一層感動すること必至だと思いきや、
タイアップはテニスが題材のアニメ「ベイビーステップ」のエンディングテーマ曲らしい。
同じ球技なので問題ないな、テニスファンにもそのひたむきな思いは通じるはずだ。


アルバム中盤の「scarred」「booing!」といった所では、ダークでズシッと胸に響く
洋楽ロック風の曲も聴かせてくれる。メンバー自作でこんな曲を作れるんだからさすが。

後半は再びポップでロックな曲のオンパレード。
シングル曲「青春!ヒーロー」はこちらの記事で絶賛した通りの、文句無しの傑作。
2016年度の、自分の野球チームの試合のグラウンドで流したい曲No.1。

続くシングル曲「ラリラリラ」はテレビ埼玉の高校野球中継テーマになった曲らしく
間奏でピッピッと笛が鳴るのが応援団みたいで良い。それに加えてイントロ&間奏が神。


ラスト曲は「また明日」でしっとりと締めてくれる。アルバム構成も完璧といっていい。
アイドル的な存在のガールズバンドといえば、かつてはZONEやSCANDALなどといった
バンドが挙げられたところだが、それらの全盛期をも軽く超えてしまうほど
とてつもなく完成度の高い作品を、1stアルバムにして作り上げたのには驚いた。
まさにスーパールーキー。20歳にして入団(バンド結成)9年目、
着々とファームで力をつけてきつつあった選手が、メジャー昇格を勝ち取り
さぁ開幕だというこのタイミングで一気に覚醒したかのよう。
生演奏の迫力があり、さらには自作の曲も良曲ばかりで、提供曲とのバランスも
うまくとれているというのは、やはり音楽にしっかりとした軸があるのが大きい。
頼むから先輩バンドみたいに突然おしゃれポップに転向したりとかはやめてくれよ(参照)
汗と涙と青春の輝きを歌った平成オールドロックチューンをこれからも歌い続けて欲しい。
ひとまず次は、このアルバムを引っ提げたライブで思いっきり盛り上がりたいです。
ずっと追いかけ続けたいガールズバンドがまた1組現れてくれました!



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