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2015年10月17日土曜日

[CDレビュー]  増田ミシン「リベンジポルノ」


増田ミシン「 リベンジポルノ」
(2015/10/7)

1. ゴウハイド
2. 空の淵
3. ガールツインズ
4. 蝶々伽藍
5. 呪い
6. 深窓の令嬢
7. さみしい光
8. だいじょうぶ
お気に入り度:★★★★★★★★☆ (8.5/10)




増田ミシンの1stアルバム。
インディーズレーベル、音倉レコードよりリリースされた期待の新人女性歌手の作品。
世間的には全く無名ながらも、このレコード会社に所属する歌手の楽曲は
どれもインディーズとは思えないほどに質か高い曲ばかり。
(それだけにHPの更新ぐらいはちゃんとして下さいよ。配信レーベルのサイト更新も7月から止まってるってどういうことだ)
歌姫系が好きな人は特に聴いてみることをおすすめしたいです。

彼女は90年代後半に次々と世に出てきた、Cocco、鬼束ちひろ、椎名林檎などの
「情念系歌姫」の再来といえるのでは。2010年代にして久々にこの系統の有望株が現れた。
全曲の作詞を自ら手がけたという楽曲は、ラブソングが中心ながらも
エモーショナルかつ切れ味鋭い歌詞が印象的で、比喩表現のうまさも光っている。
「淋しくて死にそうなんだ 助けてよ神様」といったたまらなくやるせない気持ちを
アップテンポかつ荒涼感漂うサウンドと共に聴かせる「空の淵」、
愛する人を奪った女性への嫉妬心を剥き出しにしたバラード曲で、
曲終盤に転調してキーが上がる部分ではより一層強く感情を揺さぶられる「呪い」、
愛と憎しみが入り混じる、今作の中でも最もロック色の強いバラード「さみしい光」
の3曲は特に素晴らしかったです。
その一方で、中山彩さん作曲によるジャジーな雰囲気漂う曲「ガールツインズ」、
ラストを飾るシンプルなバラード曲「だいじょうぶ」では優しい一面を見せる場面も。

この作品の良いところは、歌詞だけなら一見ドロドロした作品に見えるものの
これまで天野月さんの楽曲を手がけてきた、戸倉弘智さんの編曲により
生み出されたメロディがどれも綺麗なので、詞の内容の割に聴きやすい。
「空の淵」や「深窓の令嬢」のギターの旋律の美しさは全盛期の天野月子の曲を彷彿させる。
このような切な系アッパーチューンは何度も繰り返して聴ける、聴きたくなる曲です。

インディーズにとどまらず、将来的にはぜひメジャーで躍進して欲しい
女性シンガーソングライターが現れてくれました。期待の新人として注目していきたいです。









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