増田ミシン「 リベンジポルノ」 (2015/10/7) 1. ゴウハイド 2. 空の淵 3. ガールツインズ 4. 蝶々伽藍 5. 呪い 6. 深窓の令嬢 7. さみしい光 8. だいじょうぶ お気に入り度:★★★★★★★★☆ (8.5/10) 増田ミシンの1stアルバム。 インディーズレーベル、音倉レコードよりリリースされた期待の新人女性歌手の作品。 世間的には全く無名ながらも、このレコード会社に所属する歌手の楽曲は どれもインディーズとは思えないほどに質か高い曲ばかり。 (それだけにHPの更新ぐらいはちゃんとして下さいよ。配信レーベルのサイト更新も7月から止まってるってどういうことだ) 歌姫系が好きな人は特に聴いてみることをおすすめしたいです。 彼女は90年代後半に次々と世に出てきた、Cocco、鬼束ちひろ、椎名林檎などの 「情念系歌姫」の再来といえるのでは。2010年代にして久々にこの系統の有望株が現れた。 全曲の作詞を自ら手がけたという楽曲は、ラブソングが中心ながらも エモーショナルかつ切れ味鋭い歌詞が印象的で、比喩表現のうまさも光っている。 「淋しくて死にそうなんだ 助けてよ神様」といったたまらなくやるせない気持ちを アップテンポかつ荒涼感漂うサウンドと共に聴かせる「空の淵」、 愛する人を奪った女性への嫉妬心を剥き出しにしたバラード曲で、 曲終盤に転調してキーが上がる部分ではより一層強く感情を揺さぶられる「呪い」、 愛と憎しみが入り混じる、今作の中でも最もロック色の強いバラード「さみしい光」 の3曲は特に素晴らしかったです。 その一方で、中山彩さん作曲によるジャジーな雰囲気漂う曲「ガールツインズ」、 ラストを飾るシンプルなバラード曲「だいじょうぶ」では優しい一面を見せる場面も。 この作品の良いところは、歌詞だけなら一見ドロドロした作品に見えるものの これまで天野月さんの楽曲を手がけてきた、戸倉弘智さんの編曲により 生み出されたメロディがどれも綺麗なので、詞の内容の割に聴きやすい。 「空の淵」や「深窓の令嬢」のギターの旋律の美しさは全盛期の天野月子の曲を彷彿させる。 このような切な系アッパーチューンは何度も繰り返して聴ける、聴きたくなる曲です。 インディーズにとどまらず、将来的にはぜひメジャーで躍進して欲しい 女性シンガーソングライターが現れてくれました。期待の新人として注目していきたいです。
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2015年10月17日土曜日
[CDレビュー] 増田ミシン「リベンジポルノ」
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