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2013年5月21日火曜日

[CDレビュー]  妖精帝國「PAX VESANIA」


妖精帝國「 PAX VESANIA」
(2013/3/27) 

1. 序
2. Astral Dogma
3. Solitude
4. 狂気沈殿
5. ココロサンクチュアリ
6. 月鏡反魂シネラリウム
7. Siege oder sterben
8. missing 
9. The Creator
10. Herrscher
11. 空想メソロギヰ 
12. 葬詩
13. 機械
お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10)





妖精帝國の通算4枚目のフルアルバム。
過去3枚のフルアルバムはベストアルバム名義となっていたことから、
純粋なオリジナルフルアルバムのリリースは今回が初。
メンバーチェンジを経て、ツインギターの5人体制になってからも
初のアルバムとなりました。

初期の「打ち込み系ユニット」から「メタルバンド」へと完全に脱皮したのが
伝わってくる作品。今まで以上にギターの音が全面に出たサウンドと、
お城的歌詞が炸裂する2曲目「Astral Dogma」に、いきなり圧倒されます。
しかし、続く「Solitude」は、今作の中では最も分かりやすい歌詞で
新たな自分へと生まれ変わるんだという決意表明を歌ったメロスピナンバーで、
独自色は残しつつも、応援ソングとして質の高い曲を作ってくれました。
キュートな声質ながらも力を込めて歌う、紅一点ボーカルのゆいさんの歌唱にも
勇気づけられる。こんな曲も歌ってくれるんだというのが、嬉しく思いました。

前半の2~4曲目の疾走感は、たまらないぐらいに最高。
中盤には民族音楽的な要素の入った「月鏡反魂シネラリウム」などの
ミディアムテンポ曲を入れ、そして8曲目「missing」で再び加速。
そして唯一のシングル曲である11曲目「空想メソロギヰ」は、これぞ必殺級の、
彼らにとっての王道であるシンフォニックメタルナンバーで、アルバムのクライマックス。
そして実質ラストである12曲目は、バラード曲の「葬詩」で締めてくれました。
このように、今作はアルバム作品としての構成の美しさも素晴らしい!
やっとオリジナルのフルアルバムとして、完成度の高い作品をリリースしてくれたことが
何よりも嬉しいです。元々これぐらいの作品を作る実力はあると思ってました。

最後に、今作の中でボーナストラック的に収録されている13曲目「機械」は、
なんと筋肉少女帯のカバー曲。
私が本当に好きなバンドというのは、カバーソングを作ったとしても、
これまた昔から大好きだったバンドの曲のカバーを作ってくれるんだなと・・・
シンフォニック成分とゴスロリ成分の加わった、原曲に勝るとも劣らない
さすがの名カバー曲を作ってくれました。こちらも必聴といえるでしょう。







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