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2015年12月10日木曜日

[CDレビュー]  妖精帝國「SHADOW CORPS[e]」


妖精帝國「 SHADOW CORPS[e](シャドウ コヲプス)(DVD付)」
(2015/8/5)

1. Attack!! (instrumental)
2. “D” chronicle
3. 闇色corsage
4. 白銀薔薇奇譚
5. 残夜の獣
6. calvariae
7. Infection
8. 檄
9. ancient moonlit battleground (instrumental)
10. Shadow Corps
11. 体内時計都市オルロイ
お気に入り度:★★★★★★★☆ (7.5/10)




妖精帝國の6thアルバム。
今作は先行シングル曲もタイアップ曲も無い完全オリジナルアルバムとしてリリース。
キャリアを重ねるごとに、シンフォニックメタルバンドとして進化を遂げているのが分かる作品。
実質1曲目の「“D” chronicle」から間奏部分でギターやキーボードのテクニカルな速弾きが
次々と飛び出すところなどを見せつけられると、ここまで深化したかと驚くばかり。

しかし、これまでの作品と比べるとメロディのキャッチーさは全体的に後退した印象。
アルバム中盤のミドルテンポ曲や、収録時間4分台と6分台のインスト曲計2曲などは
とりわけメロディが分かりにくくて耳に残るものが無かった。
なお今作のラストナンバーとして11曲目に収録された「体内時計都市オルロイ」は
アニメ「少女革命ウテナ」の主題歌のカバー曲らしいですが、
この曲こそが、7曲目「Infection」と並んで一発で耳に残ったというのは何ということか。
ゆいさんのキュートなボーカルが生きているし、何より「♪ゴーンゴーンキンコンカン」は
1回聴いただけで口ずさみたくなる。やっぱりアニソンはキャッチーなんですよね。

これだけ本格志向を打ち出すならば、今後は国内の有名どころのメタルバンドと対バンしたり
はたまた海外進出を目指したりもするのか?と思いきやそれも無いというのであれば
いったい誰得なのか。やはり前作までの路線に戻した方がいいように感じるし、
おそらくこういう作風は今回だけで、次からはこれまで通りアニメタイアップ路線の
曲を中心にリリースしてくれると思う。そのように期待してますので・・・







2015年1月29日木曜日

[CDレビュー]  妖精帝國「Hades:The other world」


妖精帝國「 Hades:The other world(DVD付)」
(2014/12/24)

1. Hades:The end
2. 神的創造
3. Dea × Crisis
4. 昏き世界の慟哭
5. 絶望plantation
6. filament
7. 覚醒、冱てる魂と運命の境界線
8. 神、ノゾム世界と箱庭幻想
9. Fata Morgana
10. 愚かな結末
11. 糸遊のしたで
12. Mischievous of Alice
13. 救世’Aργυρos
お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10)




妖精帝國のメジャー5thアルバム。今作も荘厳なシンフォニックメタルサウンドと
ボーカルのゆいさんの甘い歌声のハーモニーが響く、唯一無二の音楽作品となりました。
前アルバムよりツインギターによる5人編成のバンドとなってからは
より楽器隊の演奏の威力が増しましたが、今作はその前作をも超えるほどに
最初から最後までシンフォニックメタルを極めた、迫力満点のアルバムです。
サウンドだけ聴けばアニソン系アーティストとは思えないでしょう。ボーカルはアニメ声ですが。

1曲目~5曲目までひたすらアッパーチューンが続き、
6曲目「filamen」でミドルテンポの曲が来たと思いきや7曲目以降再び加速。
静かなバラード曲は11曲目「糸遊のしたで」のみ。
7、8、13曲目などのシングル曲やタイアップ曲ほど疾走度が強いというのはお見事です。
アルバムオリジナル曲で特に印象に残ったのは、
シングル曲並みの疾走感と、神々しさを合わせ持った2曲目「神的創造」と
「♪侵略!戦闘!突撃!」と歌う10曲目「愚かな結末」の2曲でした。
どちらも式典(ライブ)で盛り上がること間違いなしの曲で、
文字通り帝國の領地の拡大に向けて、一緒に声をあげたくなる曲ですが、
しかしそういうことを歌っている割には、現状では式典の回数があまりにも少なく感じてしまう。
海外に進出してもいいぐらいの高い音楽性を持っているにもかかわらず、
日本ですら式典が少ないのは残念。以前には名古屋のライブイベントなどにも出演したように
これからは各種フェスなどにも突撃していっていいと思うんですけどね。

楽曲の多様性という点では2ndアルバム「Gothic Lolita Doctrine」の頃の方が一枚上で、
初期の頃の電子音を取り入れた打ち込み系楽曲が懐かしくなる時もあるのですが、
彼らに限って言えば今の金太郎飴な作品でも構わないと思えたぐらいの名作でした。
ここまでサビメロの良い曲をズラリと並べられたのは圧巻。
一見マニアックな音楽を、より多くの人に向けてよりキャッチーに聴かせることが
できるというのは、アニソン系アーティストならではの技でしょう。
それでもやはり万人ウケからは程遠い曲の数々ではあるでしょうが、
とはいえ個人的には非常に好きな音楽なので、久しぶりに式典にも行きたいと思いました。







2014年5月2日金曜日

[CDレビュー]  妖精帝國「使徒覚醒」


妖精帝國「 使徒覚醒」
(2014/3/7)

1. 使徒奏デシ破滅ノ竪琴
2. 覚醒、冱てる魂と運命の境界線
3. 神剣乱舞 




妖精帝國の3曲入りシングル。
まず1曲目「使徒奏デシ破滅ノ竪琴」には、いきなり驚かされました。
これまでのシングル曲の中でも轟音度ナンバーワンといっていいぐらいの、
すさまじい迫力と疾走感を持ったシンフォニックメタル。これぞ音の洪水。
歌詞はこれまたゴシック風で難解。こんな曲を、よりにもよってシングル表題曲として
リリースしてしまうバンドはそう滅多にいないでしょう。
一応アニソン系アーティストに含まれるバンドでありながら、
そんじょそこらの一般アーティストよりもよっぽどやりたい放題やってる感が
素晴らしいです。これからもその調子で我が道を突き進んで下さい。

2曲目「覚醒、冱てる魂と運命の境界線」は1曲目に比べると明るい雰囲気で
なおかつ開放感を感じられるシンフォニックロックナンバー。むしろこちらの方が、
表題曲っぽい上にアニソンっぽい。実際ゲームのタイアップが付いてますが。
歌詞についても、独自色は残しつつも比較的分かりやすいと言える。
Aメロ部分ではダークさを漂わせつつも、サビでは光が差しているかのよう。
「不本意でも不条理でも 生きる姿は美しい」という歌詞は特に好きです。

3曲目「神剣乱舞」はクサメロスピナンバー。Dragon Guardianみたいだなと感じました。
歌メロの印象度は今作の計3曲の中でナンバーワン。
剣士の姿を歌ったと思われる歌詞の方もカッコいいです。

2014年の私的No.1アルバム候補はまだレビューしていませんが、
「私的年間ベストシングル」ならば、今作でほぼ決まりです。
これほどまでに3曲全てが素晴らし過ぎるシングル盤が他にあっただろうか。
同じく今年3月リリースのGacharic Spinのシングルも3曲全て素晴らしかったですが、
妖精帝國の今作はそれをも超えた。まぁ決して万人ウケすることは無い作風でしょうが、
それでも彼らは日本屈指の実力派アニソン系アーティストであり、
なおかつ実力派HR/HM系アーティストであると、当ブログ上で宣言したいです。







2013年5月21日火曜日

[CDレビュー]  妖精帝國「PAX VESANIA」


妖精帝國「 PAX VESANIA」
(2013/3/27) 

1. 序
2. Astral Dogma
3. Solitude
4. 狂気沈殿
5. ココロサンクチュアリ
6. 月鏡反魂シネラリウム
7. Siege oder sterben
8. missing 
9. The Creator
10. Herrscher
11. 空想メソロギヰ 
12. 葬詩
13. 機械
お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10)





妖精帝國の通算4枚目のフルアルバム。
過去3枚のフルアルバムはベストアルバム名義となっていたことから、
純粋なオリジナルフルアルバムのリリースは今回が初。
メンバーチェンジを経て、ツインギターの5人体制になってからも
初のアルバムとなりました。

初期の「打ち込み系ユニット」から「メタルバンド」へと完全に脱皮したのが
伝わってくる作品。今まで以上にギターの音が全面に出たサウンドと、
お城的歌詞が炸裂する2曲目「Astral Dogma」に、いきなり圧倒されます。
しかし、続く「Solitude」は、今作の中では最も分かりやすい歌詞で
新たな自分へと生まれ変わるんだという決意表明を歌ったメロスピナンバーで、
独自色は残しつつも、応援ソングとして質の高い曲を作ってくれました。
キュートな声質ながらも力を込めて歌う、紅一点ボーカルのゆいさんの歌唱にも
勇気づけられる。こんな曲も歌ってくれるんだというのが、嬉しく思いました。

前半の2~4曲目の疾走感は、たまらないぐらいに最高。
中盤には民族音楽的な要素の入った「月鏡反魂シネラリウム」などの
ミディアムテンポ曲を入れ、そして8曲目「missing」で再び加速。
そして唯一のシングル曲である11曲目「空想メソロギヰ」は、これぞ必殺級の、
彼らにとっての王道であるシンフォニックメタルナンバーで、アルバムのクライマックス。
そして実質ラストである12曲目は、バラード曲の「葬詩」で締めてくれました。
このように、今作はアルバム作品としての構成の美しさも素晴らしい!
やっとオリジナルのフルアルバムとして、完成度の高い作品をリリースしてくれたことが
何よりも嬉しいです。元々これぐらいの作品を作る実力はあると思ってました。

最後に、今作の中でボーナストラック的に収録されている13曲目「機械」は、
なんと筋肉少女帯のカバー曲。
私が本当に好きなバンドというのは、カバーソングを作ったとしても、
これまた昔から大好きだったバンドの曲のカバーを作ってくれるんだなと・・・
シンフォニック成分とゴスロリ成分の加わった、原曲に勝るとも劣らない
さすがの名カバー曲を作ってくれました。こちらも必聴といえるでしょう。







2009年10月25日日曜日

[CDレビュー]  妖精帝國「Gothic Lolita Doctrine」


妖精帝國「 Gothic Lolita Doctrine」
(2009/8/26) 

1. Gothic Lolita Doctrine 
2. Valtica 
3. 機械少女幻想 
4. 赤い扉 
5. Schwarzer Sarg
6. Hades:The bloody rage 
7. Wisdom 
8. Destrudo 
9. 彩の無い世界 
10. 至純の残酷
11. Simulacra 
12. 霊喰い 
13. Alte Burg 
14. Wei β Flugel 
お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10)




妖精帝國の2ndベストアルバム。
ボーカル、ゆいさんとキーボード・ギターの橘尭葉さんによる
2人組ユニット(当時)の作品でございます。
このアーティストの曲を聴いてみようと思ったきっかけは、
以前にとある音楽レビューサイトにて、主にアニソンやゲーム界で
活躍するアーティストでありながら、メタル的な要素を取り入れた
音楽をやっているという話を聞いて、興味を持ったからです。
そしてこのアルバムを聴いてみると、まさにその期待通りといっていい
内容の曲を聴かせてくれました。

元々は「打ち込み系ユニット」というプロフィールを持つ彼らの音楽性は
テクノなどの電子音楽をベースとしながらも、それに加えて
バイオリンやオーケストラの音を取り入れたメタル、いわゆる
「シンフォニックメタル」を融合させたという、独特なサウンドが広がっています。
5・6曲目などは特にシンフォニックメタル的です。
音の作り自体は打ち込みが多いので、ズシっとしたヘヴィな音が
響くという感じではないですが、それでも壮大な世界観を持った
これらの曲の数々には、個人的には最高にハマりました。
今の日本のメジャーアーティストでこんな音楽をやっている人は本当に少ないです。
それに対して、2・8曲などはテクノ・トランス色の強い曲で、
思わず体を動かしたくなるようなサウンドが広がっています。
ちなみにこの妖精帝國というアーティストは、いわゆるアニソンの
世界においてはALI PROJECTと比較されることが多いと聞きましたが、
サウンドの多様性、作風の振り幅の広さにおいては、
こちらの方が上かもしれないと思いました。

そして歌詞も独特の世界観を持っています。
2曲目でいきなり「絶対運命迷子人間 冷酷心情最高」といったような歌詞が出てくるのには驚きました。
さらに3曲目の「機械少女幻想」は、そのタイトル通りとでもいうべき
機械・ロボットになってしまった人たちの世界を描いた曲でこちらにも驚き。
その後も全編通して、濃すぎるぐらいに濃い世界観が広がっています。
そしてこれらの歌詞やサウンドをバックに、ボーカルのゆいさんの、
まるでボーカロイドのように高くて甘い声がからんでくるという
この組み合わせは、まさに唯一無二といっていいでしょう。

彼らの曲はおそらく合わない人には全く合わないと思いますが、
しかしそれでも音楽的には本当にすごいと思いました。
ただベストアルバムとなると、若干似たような印象のある曲が
何曲か重なってしまう傾向があったので、
次はぜひオリジナルのフルアルバムをリリースしてくれることを期待したいです。
(調べてみたらここまでベストアルバム2枚とミニアルバム1枚のリリースで、オリアルが0という歌手も珍しい・・・)
ライブにも機会があれば行ってみたいです!