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2012年3月31日土曜日

[CDレビュー]  中ノ森BAND「Do the Rock」


中ノ森BAND「 Do the Rock」
(2006/11/22) 

1. 聖なる夜の詩
2. Cannonball
3. ポラリスピケトラ
4. Hey You!!
5. 君の中のム・ゲ・ン・ダ・イ
6. New Year Party  
7. Fly High
8. remember me...(Acoustic Version)
9. Say Good Bye
10. Tomorrow  
11. One☆Two☆Diving
12. キスしてほしい(トゥー・トゥー・トゥー)
13. 罠
14. 花物語
15. i Need Love
16. バス停小町
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)





中ノ森BANDの2ndアルバム。前作以上に洋楽ロックテイストを感じる曲の数々を、
文字通りたっぷり詰め込んだアルバムとなりました。
どっちかというと邦楽寄りかなと思う曲は5、7、10曲目ぐらいでしょう。
そして、全16曲も入っていながらも、トータルでは59分という収録時間。
16曲中12曲が4分以下の曲となっており、そして良い意味で軽快な曲が多いので、
ボリュームたっぷりながらも最後まで飽きずに一気に聴けるアルバムとなっています。

それでいて、メロディの良さと、若さや勢いを存分に感じさせてくれる楽曲の数々は今作も健在。
前半の曲では、今までになく編曲に重厚さを感じる「Cannonball」や、
疾走感抜群な「ポラリスピケトラ」といった曲がとても良いですし
そして中盤は、やはり先行シングル曲でもある「Fly High」が素晴らしい。
まさに元気いっぱい、聴いててこちらまで元気をもらえる応援歌です。
後半の曲も、洋ロック風のパーティーチューンで、なおかつCメロの展開が良い
「One☆Two☆Diving」は今作の中でも一番、中ノ森BANDらしい曲といえますし、
さらにはブルーハーツのカバー曲もあったりというように、最後まで勢いが落ちないです。

5曲目のサビが間延びした感じがしたのと、9曲目と14曲目のサビが似ていること以外は、
全16曲もありながら最初から最後までほぼ完璧な内容。
ただ欲をいえば、前作の「new world」のような、歌詞に深みを感じる曲、
ラブソングや応援ソング以外の曲も聴いてみたかったかなと感じましたが、
それはまた今後の作品に期待したいなと、そう思ってたのですが・・・




以下は完全に余談になりますが、
直筆サイン入りのCD。イベントライブの会場にて頂くことができました。 中ノ森さんにはソロになっても頑張って末永く音楽活動を続けて欲しいなと思います。

[CDレビュー]  中ノ森BAND「Oh My Darlin’~Girls having Fun~」


中ノ森BAND「 Oh My Darlin’~Girls having Fun~」
(2006/1/11) 

1. smile&wild
2. ピンクモンスター
3. Whatever
4. Oh My Darlin'
5. 恋愛Express
6. TOY
7. ラブ コントロール
8. クイックサンド
9. 空
10. 磁石
11. サテライト
12. new world
13. シークレットプール
14. ラズベリーパイ
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)





今年2月に、約4年間の沈黙を破りソロデビューした、中ノ森文子さんが
かつて組んでいたバンド、中ノ森BANDの1stアルバム。


まずこのバンドの音楽性としては、洋楽ロックテイストの曲が多いのが最大の特徴です。
日本のメジャーシーンにおいて活躍したガールズバンドでは珍しいといえるでしょう。
ただ個人的に洋楽ロックは、やはり海外の人達と日本人とはメロディセンスが違うせいなのか、
歌メロが単調に感じる曲が度々出てきてしまうというイメージがあるのですが、
ところが、このアルバムではほぼ全曲メロディの質が高い。
適度にポップさがあって聴きやすいですし、そして何より、
それらの曲を歌うボーカルの中ノ森文子さんの歌唱・声質が素晴らしい!
聴いててスカっとする、この一言に尽きる。当時まだ20歳でこれだけ歌唱力があるのはすごい。
そんなボーカルに加えて、歌詞の方も若さに溢れていて、明るく前向きな曲が多いです。
ただ、作詞作曲ともに自作と提供曲が混在し、色んな人が曲を作っている割には、
似たような雰囲気や世界観の曲が多いという一面も・・・
しかし、唯一歌詞が他とは大きく違うのは、12曲目の「new world」。
争いの絶えないこの世の中を嘆き、そんなのはもう終わりにして、さぁこれから
「新しい世界」へ行こうよと力強く歌う曲。自作ではないとはいえ、歌詞がすごく良いです。
このアルバムの曲の中では異色ながらも、これがあると無いとでは大違い。


1stアルバムにして早くもバンドとしての個性を確立した、良い作品を作ってくれました。
ここからさらにどう進化していくのか、これからの展開も楽しみにしてましたし、
なおかつこの当時からレコード会社も彼女達を積極的に売り出していたので、
当然これから本格的にブレイクするものだとばかり思っていたのですが・・・


2012年3月28日水曜日

3月28日(水曜日)の日記

このブログでは最近すっかり、水樹奈々やangelaなどといったアニソン系アーティストの
CD作品を紹介する機会が多くなりましたが、個人的にそれらのアーティストを知るきっかけと
なったのは、まずアニメ好きの友人のオススメがあったということがすごく大きいです。
そしてその友人以上に私の方がそれらのアニソン系アーティストにハマるというパターンが
ここ数年ずっと続いていたわけですが・・・


なんと、そのアニメ好きの友人が生まれ育った町である、奈良県下市町が、今度の4月より、



アニメの舞台になることが決定いたしました。



これってスゴいことじゃないか!?
自分の住んでる町が、全国放送のアニメの舞台になるなんて!
それこそアニメファンからしたら、とても嬉しいことでしょう!(実際喜んでました)




そのアニメというのが、こちらです。




「咲-Saki- 阿知賀編」
公式サイト http://www.saki-anime.com/




ちなみに、タイトルの「阿知賀」というのは、奈良県下市町に実在する地名でございます。




そして内容については、麻雀をする女の子達のアニメということらしいです。
当然、このアニメは見ます! 録画してでも毎週欠かさず見たいと思います。
ちなみに放送時間を見ると、関西では、テレビ大阪にて4月14日(土)より
毎週土曜日深夜2時25分から放送されるらしいです。あまりにも時間が遅過ぎる!
なのでどちらにしろ必然的に録画ということになりますが・・・



ただ問題は、テレビ大阪の受信環境。地デジになってから逆に映りが悪くなってしまったり、
もしくは全く映らないことも昼間を中心にあったりするので・・・
てか下市町ではテレビ大阪が映るのか!? 山に囲まれた町なのでなおさら受信環境が心配。



しかし、このアニメがヒットすれば、「聖地巡礼」と称して
下市町やその周辺にアニメファンの観光客がたくさん来たりとかするのでしょうか?
この吉野郡一帯は、町に年々活気がなくなってきてるらしいので、
これをきっかけに、咲-Saki-で大々的に町おこしをしてもいいのでは!?




ともかく放送開始が楽しみです。アニメを毎週見るなんてのは7年ぶりぐらいかな・・・


2012年3月27日火曜日

[CDレビュー]  在日ファンク「爆弾こわい」



在日ファンク「 爆弾こわい」
 (2011/9/7) 

1. イントロの才能
2. こまくやぶれる
3. 爆弾こわい
4. マルマルファンク
5. 城
6. 夜
7. よみがえり (インスト)
8. はやりやまい
9. 毛モーショナル
10. むくみ
11. ピラミッド
12. 才能あるよ
お気に入り度:★★★★★★★★ (8/10)




2011年9月にリリースされた、在日ファンクの2ndアルバム。
この作品を聴くことになったきっかけでもある、アルバムタイトル曲「爆弾こわい」は
1回聴いただけで忘れられないぐらいの強烈なインパクトがあり、
この曲を筆頭に、いい感じでぶっ飛んだ曲が多いアルバム作品となっています。

何より、メロディセンスが日本人離れしている。本格志向のファンクというものを
存分に感じさせてくれます。いわゆるJ-POP的なメロディの曲は5曲目ぐらいでしょう。
このメロディに日本語の歌詞をうまく乗せているというのが、このバンド最大の個性。
そしてその歌詞がまたユニークで、センスを感じさせてくれます。
ノロウイルスに感染した人の姿を歌った、8曲目の「はやりやまい」などは特に面白い。
ただ、4、12曲目のような内輪ネタの歌詞はどう捉えるか・・・
個人的には4曲目の中盤以降はちょっと暴走し過ぎかなと思いました。


アルバムの曲調に関しては、5,11曲目のようなバラード曲もいい味を出してますが、
やはり3、8、10曲目のようなぶっ飛んだアップテンポ曲が一番良かったです。
こういう曲を聴くと、やはりライブパフォーマンスがどんな感じか見てみたくなりますね。




2012年3月21日水曜日

[CDレビュー]  飛蘭「Dead END/蒼穹の光」


飛蘭「 Dead END/蒼穹の光【通常盤】」
 (2012/1/25) 

1. Dead END 
2. 蒼穹の光





飛蘭の通算12枚目のシングルは、初の両A面シングル。
まず1曲目の「Dead END」は、全英語詞のヘヴィなデジロック。
鳴り響くギターの重低音と、随所で弾け飛ぶシンセの音と、
予測不能なメロディの数々が、曲の中で縦横無尽に暴れまくる。
過去のシングル曲に比べると、歌メロのキャッチーさでは一段落ちるかもしれないが、
しかし聴けば聴くほどに、その曲展開の超絶さに気づかされ、どんどんハマっていく。
何より、こんなにも歌いこなすのが難しい曲を豪快にカッコ良く歌い上げてしまう
飛蘭さんの歌唱は、素晴らしいとしか言いようがないです。
これは間違いなく、2012年を代表するレベルの超名曲でしょう。


両A面の2曲目「蒼穹の光」は、1曲目と似た雰囲気の曲ながら、
それよりはややポップ寄りで電子音が多めかなといった感じの全日本語詞曲。
メタリックなイントロや間奏や、真の勝利を目指せと歌う歌詞なども含めて、
やはりこちらもカッコ良いです。


以上、2012年の1発目から、凄い作品をリリースしてくれました。
前作の「Blood teller」と今作の「Dead END」で、もはや頂点を極めたとすら思ってしまうぐらいです。


こうなったら後は3rdアルバムが本当に楽しみだ・・・




2012年3月20日火曜日

[CDレビュー]  飛蘭「Blood teller」


飛蘭「 Blood teller【通常盤】」
 (2011/11/9) 
   
1. Blood teller
2. PIANOTE





飛蘭の通算11枚目のシングル。2ndアルバムから1ヶ月半後にリリースされた作品ですが、
そのわずか1ヶ月半でさらに進化を遂げたとすら思えてくる、素晴らしい曲を作ってくれました。

まず、タイトル曲「Blood teller」では、
愛する人に「会いたい」と「会いたくない」との間で揺れ動く心の葛藤、愛憎劇を歌う。
「嘆き、恨み、焦り、殺意」といった言葉までもが飛び出す、そんなこの曲は、
以前レコチョクにて発表されていた「歌詞がドロドロしてる曲ランキング」にて
私的にはこれを1位にして欲しかったと思ったぐらい。
そんな愛と憎しみのストーリーを、鋭くもカッコ良く表現したこの曲の世界観がたまらない。
イントロからうなりを上げるギター音と、重厚でハイレベルな編曲、
そして今までの曲の中でも一番歌声にハスキーさを感じる、飛蘭さんの歌唱、
これら全てが説得力抜群。最高としか言いようがないです。


カップリング曲「PIANOTE」は、メロディの美しいピアノバラード曲。
しかしこちらの方は、いかんせんタイトル曲がスゴ過ぎたせいてかすんでしまったかな・・・


そして、この次の作品もすごいことになっているというから・・・




2012年3月19日月曜日

[CDレビュー]  FLOW「BLACK&WHITE」


FLOW「 BLACK&WHITE」
(2012/2/22) 

1. Hey!!!
2. ロッククライマーズ
3. 革命
4. この際はっきりさせとこうか!
5. 感情行進曲
6. チェルシーガール
7. おはようジャポニカ
8. BLACK & WHITE
9. 旅立ちグラフィティ
10. 光
11. ON THE LINE
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)






FLOWのメジャー通算6枚目のオリジナルアルバム。
ロックをベースとしながらも、多彩なアプローチで攻めた作品です。
2、3曲目のような激しいロックもあれば、9、10曲目のような穏やかで優しい曲もあり、
さらには7曲目では、ラップを全面に押し出したラウドロック曲、
そして8、11曲目ではポップ感を増したカラフルなバンドサウンドもありといったように、
サウンド面で飽きさせない作品構成になっています。


さらに歌詞に関しても、思ってた以上に良い曲が多かったです。
3曲目の「革命」ではトランプゲームの「大富豪」をモチーフにした歌詞に言葉の力を感じ、
7曲目の「おはようジャポニカ」ではラップのリズムに乗せた鋭い社会風刺の数々が良い。
そしてアルバムタイトル曲の「BLACK & WHITE」は今作の中でも特に素晴らしい!
白と黒、光と影の間で踊らされ続ける人々の姿を描いた歌詞と、
ディスコっぽい雰囲気のサウンドが絶妙に合わさった曲で、こういった曲を聴くと
このバンドはいつの間にこんなに実力をつけていたのかと、驚かされるぐらいです。


このように、前半~中盤まではどれも良い曲ばかりでしたが、
9曲目以降、特に「旅立ちグラフィティ」はもろにファンモンみたいな曲だなとしか思えなかったのが個人的にはちょっと・・・
歌詞も全部どこかで聞いたことのあるフレーズばかりになってしまってましたし。
その次の「光」も同じ系統の曲ですがこちらはまだ1番部分の歌詞が練られているだけ良いかなと。
ラストは、歌うことの喜びを歌った「ON THE LINE」で綺麗に締めたのは良かったです。


今回初めてオリジナルアルバムを聴きましたが、総合的には期待以上の出来だったと思いました。
ボーカルの声質が好きなタイプな上に、メロディに爽快感を感じる曲が多いので、
とりあえずこれから過去の作品も聴いてみたいです。



2012年3月15日木曜日

[CDレビュー]  飛蘭「ALIVE」




飛蘭「 ALIVE」
(2011/9/21) 


1.ALIVE
2.I don't know
3.Last vision for last
4.正直に生きろ!
5.本能のDOUBT
6.亡霊達よ野望の果てに眠れ
7.灯-TOMOSHIBI-
8.LOVED SEASON  
9.記憶の秘密
10.しずかな蜜より赤い蜜
11.DEAR BEST FRIEND
12.INFINIT CRISIS
13.螺旋、或いは聖なる欲望。
14.MOTHER!
15.素晴らしい世界へ
お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10)






2011年9月にリリースされた、飛蘭の2ndアルバム。

まず、1曲目のアルバムタイトル曲「ALIVE」が、最初の自己紹介といえる曲で、
彼女の熱いメッセージがこもった、力強いロックチューンを聴かせてくれます。
そして4曲目の「正直に生きろ!」では、今まででも一番ロックバンド色の強いサウンドの中で
今までで一番の、豪快な歌いっぷりを見せつける。
「格好悪い姿が むしろイケてるぜ」と歌うところなんかは特に最高。
これは自分のテーマソングにしたいなと、そう思わせてくれるぐらいの曲です。

この2曲に代表されるように、今作では、飛蘭といえばロックだという軸が固まり、
さらに前作にあった、まんま水樹奈々が歌ってそうなストリングス多用の曲は今作では無くなり
他の歌手とは違うはっきりとした個性、魅力が出てきたと思いました。


今作はとにかく最初から最後まで、攻めに攻めまくった姿勢が全面に出ている。
バラード曲はラストの1曲のみ、それ以外は全部激しいアッパーチューン。
そして何より、その楽曲の質がどれもこれも高過ぎる。
本人作詞作曲の、洋楽ポップス的でありながらロックな雰囲気も感じられる「I don't know」、
予測不能な曲展開、これぞエレガの編曲のすごさを感じさせる「Last vision for last」、
サビの途中からさらに加速、突進をみせ、間奏のシンフォニックメタル的な展開も迫力満点な
「亡霊達よ野望の果てに眠れ」といった前半の曲は、全部素晴らしいです。

そして今作の中でも一番の大傑作と呼べるのが、7曲目の「灯-TOMOSHIBI-」。
サビの歌唱・メロディの伸びやかさに、圧倒的な開放感を感じ、
「立ち上がれ」というフレーズが特に印象的な、本人自作による歌詞に一層のパワーを感じる。
この曲世界の全体に広がる、あまりの美しさと力強さには感動の一言・・・

さらに後半の曲も、一昔前の小室ファミリーの曲のようなアレンジで、
このアルバムの中では変化球的な曲「LOVED SEASON」に始まり、
イントロからシンセ音がうなり、アッパーながらも
同時に曲全体を包み込むミステリアスな雰囲気がたまらない「しずかな蜜より赤い蜜」、
そして、12・13曲目の「INFINIT CRISIS」「螺旋、或いは聖なる欲望」
はまさに終盤のクライマックス。このすさまじい突進力に、またしても興奮が止まらない。
歌詞もメロディも編曲も歌唱も最高としか言いようがないです。

そしてラスト2曲は、本人作詞の、自身の子供の頃からの思い出と母への感謝を歌った
「MOTHER!」、静かなバラード曲「素晴らしい世界へ」でこのアルバムを締めてくれました。
最後の最後でバラード曲という構成は、良かったと思いますが、
ただ一つ引っかかったのは11曲目「DEAR BEST FRIEND」のようなR&Bナンバーは個人的にはいらなかったかと。
アルバムの流れ的にも、せっかくの勢いがここで一旦途切れた感じを受けましたし、
この曲の代わりにロックバラード曲あたりを入れてくれていたら、もっと嬉しかったです。


しかしまさかここまでハマるとは思いもしなかった。本当に聴けば聴くほど素晴らしいです。
そしてこの後にリリースされたシングル曲も、すごいことになっているというから・・・


2012年3月14日水曜日

[CDレビュー]  飛蘭「Polaris」



飛蘭「 Polaris」
(2010/9/8) 

1. Polaris
2. mind as Judgment
3. SERIOUS-AGE
4. AROUSING SOUL
5. Distance point
6. 泡沫の小鳥達
7. scat blue
8. ありがとう ~to dear you~
9. Dark Side of the Light
10. Day of the fate
11. 飛翔の刻
12. fortitude
13. I sing by my soul
14. Errand
15. spring ~君とのメロディ~
16. 希望の扉 ~All I can do is singing for you~
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)






2010年9月にリリースされた、飛蘭(フェイラン)の1stアルバム。
名前からして台湾あたりの出身なのかなと思いきや、実は埼玉県出身の、
主にアニソンの世界を中心に活躍中の女性シンガーです。
今作の作曲・編曲はElements Gardenのメンバー達が担当、
さらに作詞については畑亜貴さんやyozuca*さんといった作詞家が手掛けており、
まさにプロ中のプロと呼べる人達が作った楽曲ばかりなので、
どこからどう考えても良い作品になることは保証済みだったわけですが、
その期待通りの作品になったと思います。


ハードポップ・ロックを軸とした、これぞ私が150%ハマるタイプの作風で、
それでいて編曲がどれも素晴らしい。ドラマチックな展開を見せてくれる曲が多いです。
14曲目「Errand」のサビの途中で転調するところなんかは最高ですし、
さらに10曲目「Day of the fate」では、打ち込み、ピアノ、ヘヴィなギター音などの
それら全ての音が曲の中で交わり、まさに息もつかさないほどのすさまじい展開を見せる。
これらの曲は特に、つくづく聴けば聴くほどにすごさを感じます。


それ以外の曲では、メロディの美しさが光るバラード曲「泡沫の小鳥達」、
全英語詞の「Dark Side of the Light」、激しいメタル的なサウンドの「fortitude」
などといった曲も印象的で、曲のバリエーションもそれなりにある作品となっています。


ただ、この飛蘭という歌手・アーティストとしての個性というのは、
まだこの1stアルバムの時点ではあまり感じられませんでした。
1曲目はMay'nの曲にそっくりだと感じましたし、さらに2、3曲目については
まんま水樹奈々が歌ってそうなストリングス入りの曲(実際同じ作家が作っていますし)
だなと感じました。作風にしてもボーカルにしても、これだという特徴があれば
さらに上のステージに行けるのではないかと、1stを聴いた時点ではそう思いました。


そして、2ndアルバム以降はさらにすごいことに・・・


2012年3月13日火曜日

[CDレビュー]  eufonius「フォノン」



eufonius「 フォノン」
 (2011/11/23) 

1. phonon
2. サイクレイション
3. 比翼の羽根
4. マナ
5. キラリクルリ
6. ゆきなみき
7. fugace
8. 分解能
9. 涙の記憶
10. きらきら
11. My Smile
12. 光のフィルメント
13. 遥かな日々
お気に入り度:★★★★★★☆ (6.5/10)






主にアニソンの世界を中心に活躍中の男女2人組ユニット、eufonius(ユーフォニアス)の
メジャー通算4枚目のフルアルバム。
透明感のあるボーカルと、曲全体を包み込む優しい雰囲気が印象的な作品でございます。
それはアップテンポ曲であっても、打ち込みや電子音の多い曲であっても、
素朴で優しい感じの雰囲気が味わえるというのは、まさにこのユニットならでは。
アーティストとしての楽曲の世界観を確立しているといえるでしょう。


個人的に最も素晴らしいと思った曲は、8曲目の「分解能」。
今作の中でもひときわメロディの良さが際立っていて、切なくも美しい。
まるで透き通った水の中を泳いでいるかのような、そんな感覚に浸れる名バラード曲です。


ただそれ以外の曲は、全体的にメロディが弱いのか、
一度聴いただけで引き込まれるというような曲はほとんど無かったのが残念。
さらに、ボーカルのriyaさんが作る歌詞が普通だなと思いました。
決して悪い歌詞ではないですし、2曲目あたりは歌い出しの国籍不明な言語からして
不思議な感覚に浸れる曲なのですが、しかし他のアニソン系アーティストの歌詞レベルが
軒並み高いということを思えば、どうしても見劣りしてしまうかなと・・・ 
特にバラード系は、これらの何倍も素晴らしい歌詞を持った曲を知っているだけに。


もう少しハマってもよさそうだと自分でも思うのになぜかハマりきれなかったという作品でした。
曲の雰囲気は良いので、気に入る人は気に入ると思います。


2012年3月12日月曜日

[CDレビュー]  サンボマスター「サンボマスター 究極ベスト」

サンボマスター 究極ベスト」
 (2011/4/6) 

ディスク:1 
1. 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ   
2. 希望の道
3. 世界をかえさせておくれよ
4. できっこないを やらなくちゃ
5. 光のロック
6. 青春狂騒曲
7. ラブソング
8. 歌声よおこれ
9. 君を守って 君を愛して
10. 美しき人間の日々
11. very special!! 
12. I Love You
13. きみのキレイに気づいておくれ
14. 手紙
15. 全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ
16. 月に咲く花のようになるの
17. そのぬくもりに用がある 
お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10)

ディスク:2 
1. さよならベイビー
2. これで自由になったのだ
3. 熱中時代
4. ふたり
5. 新しく光れ
6. 人はそれを情熱と呼ぶ
7. 週末ソウル
8. 夜汽車でやってきたアイツ
9. 想い出は夜汽車にのって
10. 愛しさと心の壁
11. 新しい朝
12. 朝
13. 愛しき日々
14. スーパーガール
15. 絶望と欲望と男の子と女の子 [Live]
16. 夜が明けたら Naked
17. あなたといきたい [Live]
お気に入り度:★★★★★★☆ (6.5/10)





2011年4月にリリースされた、サンボマスターの初のベストアルバム。
ディスク1がシングル曲中心の「サンボマスター グレイテスト・ヒッツ」、
そしてディスク2の1~13曲目がアルバム曲から選ばれた「日本語ロックの金字塔」、
14~17曲目が「あなたに贈る完全未発表音源」という構成になっています。


彼らの曲については、過去にオリジナルアルバム1枚を聴いただけで、
好きそうなタイプのバンドなのになぜか今まであまり聴く機会がなかったわけですが、
こうやってあらためてベスト盤で曲を聴いてみると、やはり良い曲が多いなと感じました。
特にディスク1の方は名曲揃いです。
その中でもひときわ素晴らしいのが、「世界をかえさせておくれよ」や
「美しき人間の日々」といった曲の、この破壊力満点の叫びっぷり。
これだけ熱唱・絶叫できたら最高に気持ちいいですし、思わず一緒に叫びたくなる。
さらには、サビの熱い歌唱と歌詞に励まされる「できっこないを やらなくちゃ」、
疾走感抜群の「光のロック」といった曲もすごく好きです。


そして、歌唱についてはただ叫ぶだけではなく、緩急や歌い分けもしっかりとできていますし、
さらにサウンド面についても、多彩な魅力を発揮しています。
「全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ」なんかは、
バックの音だけ聴いたらおしゃれな感じがする曲ですし、
それ以外にも、ポップでファンタジーな世界が広がる「君を守って 君を愛して」や、
ピアノとストリングスを取り入れたバラード「ラブソング」などといった、
彼らの世間一般のイメージからすればかなり意外性のある曲調もあり、
そして、それらどんな曲調であっても、最後にはまさにサンボ流に熱く泥臭く染め上げてしまう。
このスタイルは確かに好みは分かれるでしょうが、個人的にはすごく好きです。


しかしディスク2の曲は、ディスク1と比べるとメロディの質が落ちるかなという印象でした。
以前オリジナルアルバムを聴いた時は、どうも楽曲の出来にムラがある、
あまり作りこまずに出してしまったような曲があるのではという感じを受けたので・・・
常時ディスク1レベルの曲が出せればもっと良い作品が作れるのにと感じました。


ともあれ、これだけの熱唱っぷりを見せつけられたら、いつかライブにも行って
この魂のこもった歌の数々を生で聴きたいと思いました。
最近の音楽シーンにありがちな、ベスト出して契約終了パターンでなければいいですが・・・


2012年3月11日日曜日

[CDレビュー]  Do As Infinity「TIME MACHINE」


Do As Infinity「 TIME MACHINE(DVD付)」
(2012/2/29) 

1. TIME MACHINE
2. アリアドネの糸
3. Why?
4. PRIDE
5. 黄昏
6. 誓い
7. 御伽話
8. 恋歌
9. Sun Shower
10. もう一人の僕へ
11. 君の為に今できること
12. Go Ahead!
お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10)





Do As Infinityの通算9枚目のオリジナルアルバム。
先行シングル曲がどれも大傑作だったのでこの作品には期待せずにいられなかったのですが、
その期待通りに、アルバムオリジナル曲も傑作揃い。
2012年2月29日のうるう年に、この年を代表する名盤アルバムが誕生しました。


まず今作は、バラード系の曲がどれも素晴らしいです。
シングル曲の「黄昏」のスケール感、「誓い」の突進力もさることながら、
それに並ぶぐらいの大傑作だと思った曲は、11曲目の「君の為に今できること」。
「悲しい景色が 拡がるこの国を」という歌詞が特に印象的なこの曲は、
やはり震災のことを歌った曲に聴こえました。そんな中で、
僕たちはアーティストとして何ができるのか、それは歌で励ますことだと言わんばかりに、
DoAsのメンバー全員が、傷ついた人たち全員に優しく歌いかけている、
この曲はまるで、絶望的な暗闇の中に灯る一筋の光のよう。
これぞ、歌の力というものを感じられる、感動の名曲が誕生いたしました。

さらにそれ以外のバラード曲も、4曲目の「PRIDE」はAメロBメロの歌詞がすごく良い。
これぞ心の底まで響く、プロの歌詞だなと。
8曲目の「恋歌」も、Aメロ、サビの良さと伴ちゃんの歌唱がともに味わい深く、
どちらも聴けば聴くほど心にしみる曲だなと思いました。


そしてアッパーチューンにおいては、やはりアルバムタイトル曲「TIME MACHINE」が良いです。
この曲を聴く前の時点では、過去のアルバム1曲目でいえば「空想旅団」や「ETERNAL FLAME」
のような壮大な曲を期待していただけに、最初に聴いた時はイメージと違うと思ったのですが、
しかし聴きこむうちに、特にギターアレンジの良さにどんどんハマっていきました。
ライブでも盛り上がること必至の曲でしょう。
この1曲目から、2曲目の「アリアドネの糸」へと突き進むという流れは最高です。
さらに7曲目の「御伽話」は、再結成後の伴ちゃん作詞の曲の中では一番歌詞の質が高いですし、
3曲目の「Why?」は相変わらず誰が作詞したか見なくても分かってしまう曲ですが、
これはこれで曲全体の雰囲気が良くて、結構いいなと思いました。
ラスト曲の「Go Ahead!」も、前曲から心機一転といった感じの明るい曲で、
最後に希望を手にしてこのアルバムを締めくくるという意志が感じられて、良かったです。


前作アルバムの「EIGHT」は、このアルバムでいえば3曲目のような
日常的な世界を歌った曲が多かったですが、それに対して今作「TIME MACHINE」は、
身近な曲から壮大なスケール感を持った曲まで、楽曲のテーマの幅が本当に広く、
前作よりも断然良い作品だと思いました。


それなのに、CDセールスがどんどん低下していってるという現状はもはや理解できないです。
この圧倒的な実力が、十分に世間に知られてないという今の現状が悲しいです。
再結成後の曲も素晴らしい曲がいっぱいです。
解散前の曲の方が良かったという人はそういう先入観で見てるからとしか思えないです。
さすがにこれをもって契約打ち切りは無いとは思いますが、
(この売り上げレベルで切られるならm.o.v.eはとっくの前に切られてる)
今後さらにセールスが下がるようなことがあれば本当に心配・・・


それでも、2012年を代表する名盤アルバムが誕生したことはとても嬉しいです。
今年の私的名盤アルバム第1位は、早くもこの作品に決まったか!?