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2015年8月4日火曜日

[CDレビュー]  HERe:NE「Grimoire」


HERe:NE「 Grimoire」
(2013/6/29)

1. Re: (instrumental)
2. endless 29th moon
3. Zenesis
4. Sapphire -judgement game-
5. G'Z
6. 蝶よ、華よ。
7. SABATTH(Grimoire ver)
8. MIRROR
9. evade
10. GATE
11. 零~ZERO~
12. MEVIUS (instrumental)
お気に入り度:★★★★★★★★ (8/10)




2013年にリリースされた、HERe:NE(ヘレーネ)の1stアルバム。
魔法の国(仙台)からやってきた3人組ガールズバンドの作品です。

当ブログのライブレポではすっかりおなじみの女性ヴィジュアル系バンド。
ぽっちゃり系ボーカルのオカンこと和鬼子さんが巨大しゃもじを振り回しながら歌い、
さらにMCではその達者なしゃべりで観客たちをドッカンドッカン笑わせてくれるという
イメージが強かっただけに、そんな中でいざこのアルバムを聴いてみると、
えらくシリアスかつ真面目な作風で逆にビックリしたというのが第一印象でした。

神秘的なインスト曲「Re:」から始まり、続く2曲目「endless 29th moon」では
地を這うような低音歌唱から始まるバラード曲を聴かせる。
歌詞もダークな内容で、こんな重い曲を歌うバンドだったのか!?と驚かされた。
しかし、続く3曲目「Zenesis」は荘厳な電子オルガンのイントロから始まる曲ながら
Aメロ手前に入ると重厚なギターサウンドを聴かせるアップテンポ曲となり、
ようやく盛り上がってくる。こういう曲を期待していました。

アルバム中盤の「Sapphire -judgement game-」「蝶よ、華よ。」「SABATTH」
などもラウド系のアッパーチューンで、シンセなどを絡めた曲展開の多さと
非日常的な世界観を持った歌詞の数々は、V系ロックの王道でいい感じ。
8曲目「MIRROR」は中盤まで重々しい雰囲気のラウドロックとデジタル系サウンドが
交互に絡み合ったかと思えば、終盤一気にダンサブルでノリノリな曲になるという
劇的展開を持った曲。ライブでも毎回のように盛り上がる曲でございます。

そして10曲目「GATE」は今作の曲の中でも最もハマりました。
これまではアップテンポながらもどこか影のある曲が多かった中で、
この曲の開放感は素晴らしい。歌詞からも希望を感じさせてくれる。

それだけに、ボーカルのオカンこと和鬼子さんの声が小さく聴こえるのが惜しい。
今作はこの曲に限らず全体的にボーカルが声量不足に感じてしまう。
しかしこれまでライブを見てきた中だと、オカンの歌唱は十分に上手いし声量もある。
ということは、今作はあえてボーカルよりもサウンドの方を全面に押し出すような
アレンジにしたのか、それとも今作リリース後の約1~2年の間でオカンの歌唱力が
一気に上達したのか、そのどっちかだと思いますが・・・

女性V系バンドとしての確かな個性を持った作品ながら、しかしそれでも、
HERe:NEの大いなる魅力はこのCD音源だけでは十分に伝わるものではないでしょう。
やはり彼女たちが本領を発揮するのはライブだと! あらためてそれを実感しました。
今年7月にリリース予定だった2ndアルバムは、オカンの体調不良などが原因で
完成が遅れてしまっているようですが、そちらの方も待ち遠しいです。
ライブで聴く限りでは、今作がリリースされた2013年当時よりは現在の方が確実に
実力が上がり、楽曲の幅も広がっている。それだけにより一層期待したいです。







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