秋 赤音「 ぼろぼろな生き様。【通常盤】」 (2012/4/18) 1. Give Me Your Light 2. Flash B ack 3. 参月の雨 4. 修羅ノ庭 5. antinotice 6. バイビーベイビーサヨウナラ 7. 花弁 8. 文学少年の憂鬱 9. sleeping beauty 10. 弾かれた空は蒼 11. 100度目のロックスター 12. Lost Story 13. Out Of Eden 14. ホントハドッチ お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10) ニコニコ動画発の歌い手、秋 赤音の1stアルバム。 今作は正式なオリジナル曲というのは少なく、ニコニコのクリエイターが作った 初音ミクなどのボーカロイド曲を「歌ってみた」楽曲が中心のアルバムとなっていますが、 やはり人間が歌うと、その楽曲の数々に新たな命が吹きこまれていくかのよう。 しかもその歌い手の歌唱力が、抜群にスゴいというのだから最高です。 1曲目「Give Me Your Light」はKz(livetune)作曲のトランスナンバーで、 この曲は良い曲ではあるがアルバムの全体の中では浮いている。 次曲の「Flash B ack」から、一気にエンジンがかかったかのように、 ハードなロックサウンドが鳴り響く楽曲が続き、ハイトーン歌唱が炸裂する。 2曲目から最後まで、とてつもない疾走感と破壊力を感じることのできる作品です。 その中でも特に素晴らしいと感じた曲は、まずは4曲目「修羅ノ庭」。 この曲は陰陽座インスパイアといっていいような、和楽器の音を随所に取り入れた 高品質ハードロックナンバーで、さらにサビのキーの高さは本家以上。 こんな楽曲を、ここまで完璧に歌いこなしてしまうという歌唱もこれまた見事。 さらに、いきなりのシャウトから始まる6曲目「バイビーベイビーサヨウナラ」は Aメロからサビの間で、丸ごと1オクターブ上がるのには驚き。 しかもそれでいて終盤には転調してさらにキーが上がるというからスゴ過ぎる。 ラストのサビの「♪バイバイ サヨナラ ルキンルキンベリー」はまさに圧巻。 11曲目「100度目のロックスター」も、超高音で叫ぶように歌う 「♪ぱっぱっぱーぱらぱっぱっぱー」というサビは一度聴いたら頭から離れないインパクト。 どうしたらここまで高い声が出るんだ!?と思わずにはいられないです。 3曲目「参月の雨」や10曲目「弾かれた空は蒼」のような、 どこか哀愁漂うロックナンバーを得意としているのも特徴で、 UNLIMITSあたりが好きな人はハマりそうだというのは納得。 切ないバラードナンバーの「花弁」「文学少年の憂鬱」や、 ゆよゆっぺ作曲のハードロックバラード「Lost Story」といった曲も良く、 近未来的なポップロックナンバーの13曲目「Out Of Eden」もまた違った味があって良い。 どれもニコニコ動画界の人気楽曲なだけあって、収録曲全曲レベルが高いです。 その中でも特筆すべきなのは、歌詞がみんな素晴らしいということ。 「花弁」のサビの「I love youを誰かが 死んでもいいと訳してた」 というフレーズは真っ先に印象に残りましたし、 「文学少年の憂鬱」に至っては小説をほとんど読まない私ですら 曲の世界に思わず引きずり込まれてしまうぐらいに歌詞の完成度が高い。 ニコ動の音楽はいわば同人音楽であるにもかかわらず、さすがプロが作ったと 思えるような歌詞ばかりで、良いと思う表現を1つひとつ挙げていけばきりがないぐらい。 この作品を聴いていると、少なくとも日本のポップス界においては、 歌詞についてアマチュアとプロの逆転現象が起きてるような気がしてならない。 プロが「ストレートな歌詞」という言葉に甘えて、それ本当に真剣に作ったのかと 疑わしくなるような誰でも作れそうな歌詞や曲を平気で世に出しているのを聴くと なおさらそう思ってしまう。今の10代にニコ動の楽曲が人気なのはうなずけます。 今作はハードロック好きな人には特に聴いて欲しい作品です。 仮にロックバンドのカテゴリの中に入ったとしても十二分に通用するぐらいの 圧倒的な歌唱力と、ハイレベルな楽曲があるだけに、 ぜひこれからはニコ動の枠を超えてブレイクすることを期待したいです。
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2013年6月5日水曜日
[CDレビュー] 秋 赤音「ぼろぼろな生き様。」
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