KOKIA「 trip trip」 (2002/1/23) 1. 調和 2. 次会う時は 3. Say Hi!! 4. The rule of the universe 5. Princess EHIME 6. 天使 7. ぴんくの象 8. Hello passing days 9. 花 10. 人間ってそんなものね 11. 足音 12. tomoni 13. a gift お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10) 2002年にリリースされた、KOKIAの2ndアルバム。 多彩な楽曲を、抜群の歌唱力で情念たっぷりに歌う作品でございます。 まず1曲目の「調和」に、いきなり圧倒されました。この曲はまるで広大な大地の その果てまで轟くかのようなスケール感を持った、民族音楽風の曲。 かつてTBS系列で放送されていた番組「神々の詩」のオープニング曲などを思い出しました。 (果たして知っている人はどれぐらいいるでしょうか) こぶし・ビブラートを存分にきかせたその声で、「KOKIA語」という独自の言語を 歌い上げるその姿は、まさに神が宿ったかのよう。 このように1曲目からいきなりとんでもない曲を聴かせてくれましたが、 その後の曲についても、まず5曲目の王道バラード「天使」は曲終盤の歌唱がスゴい。 どこまでも伸びていく声、さらにその声の数々が重なり合うところなどは圧巻。 さらに、つぶ入りみかんジュースの中に溶けていくかのような「Princess Ehime」や ちょっぴりアフリカンな童謡「ぴんくの象」といった幻想浮遊系ナンバーも印象的。 しかし今作のクライマックスはなんといっても後半の10~12曲目でしょう。 特に10曲目の「人間ってそんなものね」には、心から癒されました。 この曲はまず歌詞が素晴らしい。1番もさることながら2番の歌詞も良い。 「迷惑をかけるのはイヤだなんて 一人で歩いて来たつもりなの?」 これには胸をつかまれました。 そして、サビで一気に盛り上がるバンドサウンドに乗せて、 「人間ってそんなものね 許し逢えるって素晴らしい」といった メッセージの数々をその美しい声で歌われたら、もはや感動するしかない。 ここまで人間愛に満ち溢れた曲が聴けるとは・・・ そして、ポップで明るい曲ながらノスタルジーな雰囲気も感じさせてくれる「足音」、 自然の尊さを歌った曲で、まるで日本の原風景が目に浮かんでくるかのような 民謡風のメロディと伸びやかな歌唱に、1曲目同様神々しさを感じる 「tomoni」といった曲も素晴らしいです。 アルバム終盤にして、この怒涛の名曲ラッシュには参りました。 今作はポップな曲から、どこか神秘的な曲まで聴けるといったように 楽曲の幅が広い上に、これらどんな曲種であったとしても 魂のこもった歌唱を聴かせてくれるから、その曲がより一層名曲に感じる。 聴けば聴くほどに味があるスルメ作品であると同時に、女性ソロ歌手のアルバム作品は このようにアレンジが多彩な方が好きだなと、あらためて感じました。 今までKOKIAさんの作品は他には3rdアルバムぐらいしか聴いたことがなかったですが、 仮にこれから今までリリースされたアルバム全てを聴いたとしても、 今作が私的最高傑作になりそうだなと思いました。 ここまで素晴らしいシンガーソングライターだったとは。これから本格的にハマるかも・・・
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2013年6月16日日曜日
[CDレビュー] KOKIA「trip trip」
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