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2019年6月18日火曜日

[CDアルバムレビュー]  ガールズロックバンド革命「UPDRAFT」


ガールズロックバンド革命「 UPDRAFT」
(2019/4/24)

1. VOLTAGE  [公式PV]
2. RUNNERS HIGH
3. STEP BY STEP
4. Shout it out
5. Never ending
お気に入り度:★★★★★★★★ (8/10)



ガールズロックバンド革命の2ndミニアルバム。
大阪を拠点に活動しながらも事務所には所属せずに完全インディーズで頑張っている
3ピースガールズバンドの最新作で、今年5月に開催されたGOLD RUSH(レポはこちら)の
ライブ終了後の物販にて購入した作品。なおバンド名の由来は、
ガールズバンドといえばカッコいいよリも可愛い系のバンドが多い中で、それとは違う、
男性のロックバンドとも勝負できるような音楽をやってシーンに革命を起こそうという
意思を持って名付けられたとのこと。その通りに今作の収録曲の数々はこれぞ
ヒロイックでカッコいい音楽の究極形。さすが次世代正統派ハードロックを名乗るだけある。

今作はまず1曲目の「VOLTAGE」に何より圧倒された。
Aメロからサビまでの音域がとても広くて豪快さ抜群のメロディと
ギターボーカルのASAKAさんの迫力抜群な歌声が聴いていて最高に気持ちいい。
サビの高音部分の歌唱にはとりわけ魂がこもってる。
さらにドラムのJUNNAさんは既にガールズバンド界ではトップクラスのドラマーだと
評判になっているほどの実力者であり、この曲でも超絶テクが炸裂。
曲中盤の「♪壊して 燃やして」というメッセージと共に高速で迫りくるドラムは
とりわけツボにハマった。さらに間奏部分ではベースのSERINAさんの演奏が
活躍する場面もあって、1曲の中にメンバー3人全ての個性が出ている。
それに加えて歌詞が素晴らしい。個人的にこれぞ音楽に求めていたものと言っていいほどに
超絶なまでにヒロイックで、魂を揺さぶられる、生きる希望と勇気をもらえる音楽。
Aメロの「♪悔しさ殺して 溢れ出したヘイト こぼれ落ちた屈辱」の時点から
自分のような屈辱だらけの人生を歩んできた者には刺さる。悔しくて情けなくて、
だがそれでも生きたいんだ、いつか輝きたいんだという希望を爆発的に放つかのような
サビの「♪光を掴む猛者へ こんなもんじゃないだろ?」「♪地の底からでも這い上がるんだ」
には泣けるほどに感動。いったいどうすればこんな曲を作れるんだ・・・
それはきっと無所属バンドが地下のライブハウスから這い上がってやるんだという思いを込めて
歌っているからに違いない。音楽に懸ける熱き想いが詰まった曲だからこそ感動する。
歌詞の素晴らしさでいえば4曲目の「Shout it out」の
「♪何度間違えたっていい 欠陥品の下剋上」にも心を揺さぶられた。
欠陥品だとか不良品だとかいったレッテルを貼られようが、
いつか下剋上を起こしてやるんだと歌う、これこそが個人的に音楽に求めていたものだ・・・
今作の計5曲の中にラブソングは皆無。ここまで硬派で激アツな作風だと
同性ウケはしづらいのではないかと心配になってしまうほど。
なんせラブソングしか歌わないような女性歌手が15年近くも売れ続けてしまうぐらいに
特に女性は歌い手も聴き手も恋愛至上主義者が多いというのに。だがそんな風潮にも
革命を起こしたいという思いであえてこんな曲ばかりにしたのだろうか。
そんな中でラストを締めくくる「Never ending」は今作一なまでにキャッチーなメロディが
ハッピーエンド感満載で、これまた最高にハマった。今すぐアニソンに起用されても
いいほどの曲。この曲でも終盤のドラムの高速演奏があることにスゴみを感じる。

普段は3人ともゆるふわ系で、日記帳と称した公式YouTubeチャンネルの方は
蒙古タンメンに牛乳を入れて食べる動画などをアップするほどまろやかな作風なのに
(参照)それがライブステージとなると一転するところは最高の
ギャップ萌えバンドだなと思う。こういうの大好き。ライバルはBAND-MAIDだなと。
ミニアルバムを聴く限りでは楽曲のバリエーション的には広くなくて
同系統の曲が多いというところもBAND-MAIDと印象がかぶるよなと思ったが、
でもこれだけ熱き魂のこもった音楽を届けてくれるならばこのまま突き進んで欲しい。
インタビューによると今の無所属の状態のまま日本武道館を目指しているとのようだが、
その一方でシングルは自主レーベルのうちは出さないと言っているということは
メジャーレーベルに行くことは考えているのだろうか? ライブレポの記事にも書いたが
実力的には既に今年の夏フェスでひっぱりだこになってもいいほどのレベルなのだから、
ぜひ一刻も早く大規模フェスなどのメジャーの舞台で活躍して欲しいバンドですね。






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