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2019年3月19日火曜日

[CDアルバムレビュー]  SALTY DOG「ELiXiR」


SALTY DOG「ELiXiR」
(2019/2/15) 

1. Screams Within  [公式PV]
2. Meteor  [公式PV]
3. 5 Minutes To Self Destruction
4. アクセラレータ
5. The Revolutionist  (Instrumental)
6. Loser City (ねめ山ねめをVer)  [公式PV(インゲルVer)]
お気に入り度:★★★★★★★ (7/10)
(CD版はライブ会場限定リリース。1~3曲目は配信リリース有り)



SALTY DOGの通算4枚目のEP。2011年に結成されたノルウェー出身の女性ボーカリストを
擁する4人組ラウドロックバンドだったが、2017年にボーカルのインゲルさんが脱退。
活動休止中はアニソン歌手のMay'nさんに「Belief」「天使よ故郷を聞け」などの
名曲の数々を提供した上でライブサポートでも実績を積み、
そして2018年に新ボーカリストのSERAさんを迎えてバンド活動を再開。
「アニラウド」というキャッチコピーを新たに掲げての復活第一弾リリース。

6曲入りの実質ミニアルバムかと思いきや1~3曲目は過去の楽曲のリメイク。
しかし1曲目「Screams Within」は2014年リリースの1stEP収録曲と同タイトルながら
もはや別モノの曲と言ってもいいほどに、曲展開だけでなくメロディ自体も変わり
これまで以上にキャッチーなアニソン風シンフォニックロックナンバーに生まれ変わった。
SERAさんの力強くも美しいハイトーンボイスは新人歌手とは思えないほどで
サビの「♪届け届けこの想い」にはどこまでも天高く突き抜けていくような
圧倒的スケール感がある。2番部分でラウドな演奏を聴かせたり展開の多彩さも健在。
2019年リリースの楽曲の中で現時点でのナンバーワンではと思えるほどの傑作が誕生した。

続く2曲目「Meteor」は原曲に近いアレンジで聴かせてくれる。
デジタルサウンドとラウドロックの高度な融合が健在で、ベーシストのTOMOYAさんの
スクリームも加わり男女ツインボーカル楽曲としての魅力も存分出ている。
3曲目「5 Minutes To Self Destruction」はシンフォニックメタルの影響を受けたような
荘厳なアレンジも加わる一方で、サビは電子音満載でなおかつハイトーンボイスが気持ちいい。
そしてこれら1~3曲目までの曲は歌詞が元々は英語詞だったのに対して、
今回のリメイクバージョンでは日本語詞の割合が大幅に増えた。
これだけでも曲の印象が変わってよりキャッチーになったと感じられた。
ぜひ近いうちにGacharic Spinや魔法少女になり隊と対バンして欲しいとも思える音楽。

そしてSERAさん加入後1発目の新曲となる、4曲目「アクセラレータ」は
これまで以上にノリが良くてダンサブルなデジロックナンバー。
歌詞に翼というフレーズが何度も出てくるところなどもアニソンみたいで
カッコ良さ抜群。たたでさえキーが高いのに終盤で転調してさらにキーが上がるところを
見事に歌い上げるSERAさんの歌唱も圧巻。ライブでもこの曲含めて全てキーを下げることなく
歌ってたというのだから、これって新人歌手としてはスゴかったんだなと実感。

5曲目「The Revolutionist」はデジタルアレンジの効いた約1分半のインスト曲。
そして6曲目「Loser City(ねめ山ねめをVer)」は2015年リリースの2ndEP収録曲の
リメイク曲でドラマーのねめさんがボーカルをとる曲だが、これがどう聴いても
カラオケ屋で酒を飲んで酔っぱらいながら歌ってるのを収録したとしか思えない。
5曲目までのシリアスでカッコいい雰囲気を全てぶち壊すかのような破滅的歌唱。
他のメンバーの方々の笑い声も音源に入ってるし、歌詞カードも変なことになってるし
てかこれって酔っぱらってるのではなくコカインでも吸ってるんじゃないかと心配したくなる。
「ねめ山ねめを」って名前もシャブ山シャブ子からとったんじゃないかと思ってしまったし
こりゃ2019年の現時点のワースト曲だな。上と下の両方で1番とはスゴいぞ大物の証明だ。

最後の曲はさておき、ついに復活してくれて本当に良かったと思える作品を届けてくれた。
むしろ復活前よりもさらにアニソンっぽくなってより大好きな方向に行ってくれたし、
それでいて激ロック系バンドらしい屈強な演奏は健在で最強の興奮と感動が詰まっている。
バンドサウンドの中にどんなに電子音を入れようが、
どんなにストリングスを入れようが、
どんなにシャウト・スクリーム・デスヴォイスを入れようが、
どんなに壮大で劇的な展開が詰まった曲を歌おうが、
全て大歓迎で受け入れる。
そんなド派手で華やかなバンドが大好きな方々にお勧めしたい音楽。
これこそが天職だと思った。上記の全てが当てはまる音楽がSALTY DOGだった。
Gacharic Spinなども一応全部当てはまってるが2番目と4番目は要素少なめだし。
せっかくの記念すべき復活作なのだから今作はライブ会場限定リリースと言わず
早く全国リリースして欲しいとも思える。過去曲のリメイクは今回だけということにして
次作では全曲オリジナル曲のアルバムも期待したいし、メジャーにも行って欲しい。
May'nさんと同じフライングドッグからメジャーデビューしてアニソンを歌えたならば最高なんですけどね。






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