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2019年3月20日水曜日

[CDアルバムレビュー]  佐々木李子「瞼の裏に映るモノ」


佐々木李子「 瞼の裏に映るモノ(初回限定盤)(DVD付)」
(2018/8/22)

1. 海の底へ…  (Instrumental)
2. Imperfect
3. Recollections  [公式PV]
4. 寄り道  [公式PV]
5. 酩酊  [公式PV]
6. 今宵、永遠の誓いを
7. FLAMING
8. カサブタ  [公式PV]
9. Walkin’ Walkin’
10. tell you, tell me  [公式PV]
11. ミライドライブ
12. 明日への風  [公式PV]
13. Finale
14. ユメノアト
お気に入り度:★★★★★★★★☆ (8.5/10)



佐々木李子の1stアルバム。声優や女優としての活動実績もありながら
本業は歌手だと言わんばかりの、シャープながらもどこか哀愁漂う歌声の魅力が抜群。
どう聴いても声優歌手というよりはアニソン歌手みたいで、
以前当ブログにてエモい新人アニソンシンガーと紹介した和島あみさんに近いと思った。
なので佐々木李子さんには声優エモシンガーと名付けたい。むしろなんで声優やってるのと
思ってしまうほど。これが90年代ならばガールズロックシンガーとしてデビューして
広く売り出されて化粧品や宝石のCMタイアップ曲を歌ってそうだったのに。

まずはインスト曲で始まり、続く2曲目「Imperfect」からアニソン系歌手らしい
シンフォニックアレンジの加わったロックナンバーを聴かせて一気に盛り上がる。
続く3曲目「Recollections」はイントロのコーラスからしてLiSAさんの曲みたいな
エモロックチューンでなおかつ歌唱力が半端ない。90年代の歌手に例えるならば
鈴木彩子さんや中村あゆみさんを彷彿させるほどに、今作の曲の中でも最も
ハスキーがかっていて魂のこもった歌声を聴かせてくれる。
メロディの振り幅が大きくて音程をとるだけでも難しそうな曲なのにスゴいとしか言えない。
必死な歌唱を見せてくれる歌手はジャンル関係なく心を揺さぶられるものだ・・・

この路線で突き進むのかと思いきや5曲目「酩酊」ではアダルトな雰囲気の
ジャズナンバーを聴かせたり、6曲目「今宵、永遠の誓いを」では
ピアノバラード曲をじっくり聴かせたりと、アレンジが多種多彩なのは
アニソン系アーティストらしい所でもある。7曲目「FLAMING」は軽快なピアノロック調の曲で
そのピアノ以上に響く歌声を聴かせる。やっぱりこういうロック路線が一番合ってると思う。

そして8曲目「カサブタ」は先行シングル曲ながら今作最大のクライマックスといっていい。
たとえ傷ついても突き進むんだという熱き想いのこもった曲を渾身の歌唱で聴かせる。
その姿は傷だらけの天使、翼の折れたエンジェルと呼びたくなるほど。
あまりにも胸にくる、2018年の年間ベストソングの上位にも入れたかったほどの傑作だが
既に2016年の時点でシングルリリースされていたようで。もっと早く知りたかった。

アルバム後半の曲ではメロディが洋楽ポップス風の10曲目「tell you, tell me」
などもいいアクセントになっている。この歌唱力があるから一層映える。
そして11曲目「ミライドライブ」ではこれまでの曲とは一転して
キラッキラの声優ポップスを可愛~い声で歌うというまさかのどんでん返しが。
もはや完全に別人が歌ってるみたいで何を血迷ったのか、タイアップの関係なのか、
以前には喜多村英梨さんの1stアルバムの後半部分でこれと似た展開があったなと
思い出したりもしたが、その次の曲からは元の歌唱に戻ってくれた。
12曲目のミドルバラード曲「明日への風」ではAメロで掠れ気味の歌声を聴かせてからの
サビで一気に解放されたかのような歌唱とメロディが良い。夢と希望を感じさせられる。
てかサビの歌詞は「空に舞った過去を」と聴こえたのだが正しくは「空に舞ったカードを」
だったのか。カードゲームのアニメタイアップの関係か。この歌詞だけ何だか中途半端。
そしてラストナンバーは神秘的な和風バラードの「ユメノアト」で締めてくれる。
作詞作曲の佐々木久夫さんはSeanNorthのメンバーでもある実力派作曲家だが
同じ佐々木ということで、まさか親戚だったりするのか?

これほどまでの逸材がなぜ埋もれてしまっているのか。タイアップの内容が全体的に
知名度不足だからなのか。12曲目のデュエルマスターズぐらいしか聞いたことないし。
それでも今作のオリコン初登場205位という順位はあまりにも過小評価。
以前には暁月凛さんの1stアルバムがオリコン188位でこれでは今後活動できるか
不安だと書かれた記事を見たが(参照)佐々木李子さんはそれよりも低いじゃないかと。
そりゃこのセールス実績で歌手活動を続けていけるのかは心配だと思いきや、
今年1月にめでたくニューシングル「紡ロジック Music Selection」を
リリースすることができたのは良かったですね。やはり音楽関係者の中には
歌手としてちゃんと高く評価してる人がいるからこそなのか。ともあれこのまま
無名の声優歌手で終わってしまうのはあまりにもったいない。いっそのことバンドに加入して
そのボーカルとして再デビューして欲しいとすら思ってしまうんですけどね。






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