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2017年12月26日火曜日

[CDレビュー]  筋肉少女帯「Future!」


筋肉少女帯「 Future! (初回限定盤A)」
(2017/10/25)

1. オーケントレイン
2. ディオネア・フューチャー
3. 人から箱男  [公式PV]
4. サイコキラーズ・ラブ
5. ハニートラップの恋
6. 3歳の花嫁
7. エニグマ  [公式PV]
8. 告白
9. 奇術師 (instrumental)
10. わけあり物件
11. T2 (タチムカウver.2)
お気に入り度:★★★★★★★★☆ (8.5/10)




筋肉少女帯の通算19枚目のオリジナルアルバム。カバー曲無しの全曲オリジナル曲のみで
構成されたアルバムは久しぶりなことからも分かる、ベテランバンドの意欲作。

まず1曲目「オーケントレイン」はブラスバンドのメロディにのせて
未来への旅を歌った曲。アルバムのオープニングを飾るにふさわしい楽曲。
2曲目「ディオネア・フューチャー」はイントロからメタルで最高にテンションが
上がる曲ながら、サビではガラっと癒し系に表情を変える曲展開が意外で面白い。
3曲目「人から箱男」は筋少×カラオケDAMコラボ曲としてシングルリリースされた曲。
日頃は声をあげることなんて滅多にできないが、ここならば思いっきり大きな声が出せて
感情を解き放てられる、だから歌うことって素晴らしいことだ。
そんな気持ちでよくカラオケに行っていたあの頃を思い出させてくれる傑作曲。
10代の頃にカラオケで筋少のメタル曲を歌ってそれを気に入ってくれる友人達がいたことは
今思えば出会いに恵まれてたんだなと実感する。
これがもし大人しめの音楽ばかり聴いて歌う人達しか周りにいなかったら
今以上に肩身が狭い思いをしてただろうなぁ・・・それこそヒトカラでしか歌えなくなってた。

4曲目「サイコキラーズ・ラブ」は一転して大人しめのバラード曲かと思いきや
アコギ中心のアレンジから徐々に盛り上がっていく曲展開が良い。
何よりオーケンの歌唱に魂がこもってるからこそ盛り上がる。
5曲目「ハニートラップの恋」は筋少流GSサウンドが楽しめる曲。歌詞もムーディー。
6曲目「3歳の花嫁」は余命宣告された父親が娘と結婚式を挙げる曲。
お父さんが大好きな娘さんの定番のセリフ「大きくなったら、パパと結婚するんだ♪」
を曲にしてしまうという時点で相変わらず発想力が素晴らしい。面白いのに泣ける。
ウェディングソングはパパの趣味でQUEENの曲を流すという歌詞もいいなぁって思った。
自分の父親も洋楽ハードロックなどを聴いてくれていたら良かったのにと思ってしまう。
なんせ今までまともに音楽の話をしたことすら無いわけですからね。

7曲目「エニグマ」は今作のリード曲でファンからの評価は高いようだが
個人的にはメロディが分かりにくくてハマりきれず。
8曲目「告白」はポップなメロディながらもひねくれ感あるアレンジが印象的。
こんな曲調でもオーケンの歌唱にに魂がこもってるからこそ伝わるものがある。
9曲目「奇術師」は収録時間約5分のインスト曲。ギターはさすがの泣きメロ。
10曲目「わけあり物件」は怪談をテーマにした曲らしいミステリアスな
雰囲気漂うロックチューン。サビメロはクリーンでノリが良くてカッコいい。
11曲目「T2 (タチムカウver.2)」はDDTプロレスの入江茂弘選手の入場曲として作られた曲。
この曲のver.1となる1997年リリースの「タチムカウ -狂い咲く人間の証明-」は
カラオケで熱唱しながら涙を流すほどに泣ける空前絶後の大傑作曲だと思ってるので
その続編というだけで期待度が上がりまくってしまった。さすがにそのレベルまでには
及ばなかったものの、サビの痛快かつダイナミックなノリはさすがの気持ち良さ。
なお調べてみると入江選手は以前まではver.1の方のタチムカウを入場曲にしていたと知って
一層親近感を持ちました。やっぱり下剋上目指すファイターならこの曲の気持ち分かりますよね?

相変わらず凝りに凝った歌詞世界の魅力は持ち合わせつつ、アルバムタイトル通りに
全体的には未来志向の前向きで明るい作品に進化したというのが第一印象で分かる。
かつてはもっとダークで屈折した感じの曲も多かったはずだったが
いろいろあってバンドを解散した後に再結成されてからは
音楽を思う存分楽しんでる感も伝わってきて、それもまた良いものだなと。
個人的には7~9曲目にそれほどハマれなかったのと、あと何よりも
2、3、10、11曲目のようなアッパーで気持ち高ぶるハードロック・メタル系の
楽曲こそ最も求めているものだったのでそういう曲中心ならば最高だったのだが、
それでも楽曲の質の高さは健在なので、これからも命が続く限りは
もう解散なんてせずにずっと活動を続けて欲しいなと願うばかりですね。







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