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2016年12月16日金曜日

[CDレビュー]  CYNTIA「Urban Night」


CYNTIA「 Urban Night(DVD付)」
(2016/12/14)

1. introduction
2. Urban Night
3. ハピネス
4. Bless of the Fire
5. Life Goes On
6. Un!verse
7. 不眠症シンデレラ
8. if
9. Call Me
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)




Cyntiaの5thアルバム。前作のリリースから1年10ヶ月が経過、
その間にボーカルのSAKIさんが「バンドが色々あって大変だった」と語っていた通りの(参照)
ドラマー脱退などの苦難を乗り越え、待望のニューアルバムがついにリリース。

まず1曲目の「introduction」は約1分半のインスト曲。
そして2曲目の「Urban Night」は、これぞCyntiaの魅力の1つである、
夜の街のネオンサインのようなキラキラ感に満ちたロックナンバー。
演奏技術、編曲そして歌唱のレベルの高さが存分に伝わる。シンセの使い方も相変わらず上手い。
さらに音楽用語が数多く登場する歌詞も面白い。フェルマータの記号って
パソコンに入ってないぞ・・・どうやって歌詞カードに出したんだ?まさかの手書きか?


3曲目「ハピネス」はポップで明るいアッパーチューンながらも
ギターのスパイスの効きっぷりは前アルバム「WOMAN」の収録曲以上のものがある。
「♪ラフめにさぁ SPINしよう」でGacharic Spinを連想のは私だけでしょうか?
今まで何度か対バンしてきただけに。実際ガチャピンの最新アルバムに入ってそうな感じの曲だ。


4曲目「Bless of the Fire」は前々アルバム「Limit Break」までの
歌ものメタル路線が復活したかのような曲。こういう曲が再び聴けたのは嬉しかった。
これまで多くのハードロック・メタル系ガールズバンドの曲を聴いてきた中でも
Cyntiaの曲だけはそれら他のバンドにはない質感と魅力があった。
スパイシーな中にもまろやかなコクがあるとでも形容すべきか・・・
全てを包み込むかのように綺麗な歌メロと歌声が加わった楽曲たちは、
メタルを聴きやすい形で多くの人に届けるというコンセプトにふさわしい曲ばかりだった。
それが帰ってきた。今作のリードトラックにしても良かったほどの、一番のお気に入り曲。
なおこの曲ではAldiousのトキさんがギターで参加しているというのも
大きな注目点。同じレコード会社所属となりましたからね。


5曲目「Life Goes On」は前アルバムの中心路線を受け継いだかのような
シンセを生かしたダンスロックナンバー。
こちらもギターの演奏の迫力は前作以上。間奏のキーボードソロ→ギターソロの流れは
さすがハードロックの影響を受けたガールズバンドの曲って感じで好きなんですよね。
6曲目「Un!verse」は優しい雰囲気のミドルチューン。バンドサウンドの良さは相変わらず。

7曲目「不眠症シンデレラ」はイントロからシンセ大活躍の曲で
こちらも2曲目同様夜の街のキラキラ感を演出しつつも、演奏の重厚感は2曲目以上。
ガールズバンドらしいカッコ良さが詰まったハードロックナンバー。
8曲目「if」では再びHR・HM路線復活を告げる曲をやってくれた。
人間愛を歌った歌詞が、疾走感のあるサウンドの中でガツンと響く。やっぱり名曲だ。

9曲目「Call Me」はメタリックな演奏が美メロと共に輝きを放つロックバラード。
つくづくこのバンドはバラード系の曲も良い。
私の中ではバラード曲が良いアーティストとなるとDo As Infinityを超えるアーティストは
一生現れないだろうと考えてたが、もはやCyntiaのバラードはDoAsに並ぶレベルだと思えてくるほど。
一度バラード曲をシングル曲かアルバムリード曲にしてタイアップもつけてPVも作って
大々的に売り出してみてもいいのにと思うんですけどね。

前作の4thアルバム「WOMAN」では大胆な路線変更でポップなダンスロックナンバーが増えて
音楽の幅は広がったものの、これまでの歌ものメタルの魅力はほとんど消えてしまった。
だがその一方で前作リリース直後に行われたライブでは、1st~3rdアルバムまでの楽曲と
4thアルバムの楽曲が見事に融合した、素晴らしいステージを見せてくれた。
そして今作ではまさに1stアルバムから現在までのCyntiaの全てを凝縮したかのように
メタリックな曲からポップな曲まで多彩な輝きを放つ作品をリリースしてくれた。
そもそも前作もこれぐらいのバランスでいってたら、オリコンの順位が前々作よりも
一気に下がるなんてことはなかったんじゃないかなぁと思うが、
どんな系統の曲であれ、よくぞここまでメロディの良い曲を量産できるものだなと今作もまた感心させられた。
なお今作はAldiousと同じインディーズレーベルからのリリース。そうなるとメジャー時代よりも
売り込みをかけられる機会は大きく減りそう・・・できればメジャーレーベルに居続けて欲しかった。
Cyntiaほどメジャー感のある良曲をたくさん作れるガールズバンドなんてそう滅多にいないのだから。
今作への収録を期待していた、暁のヨナ主題歌第3弾として作られた「笑顔の連鎖」と
Youtubeに振り付け動画がアップされている「ZOO」が共に未収録なのもレーベルが変わったせいなのか・・?
かつてカバー曲を歌わせてもらった浜田麻里さんも、初期のハードロック・メタル路線から
ポップ路線に転向してその後また初期路線の曲もやり始めて現在の大活躍に至るわけだから
Cyntiaもまだまだこれからですよ。どうかまた浮上してきて欲しいです。



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