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2016年12月25日日曜日

[CDレビュー]  MOROHA「MOROHA Ⅲ」


MOROHA「 MOROHA III」
(2016/10/5)

1. RED
2. それいけ!フライヤーマン
3. 宿命
4. Apollo 11
5. スペシャル
6. VS
7. tomorrow
8. GOLD
9. Salad bowl
10. 四文銭
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)




MOROHAの3rdアルバム。2人組アコギ弾き語り系ラップユニットの作品。
全曲通してアコースティックギター1本のみの演奏をバックに
ボーカルのAFROさんが全力のラップを聴かせるという、唯一無二の音楽スタイル。
なおボーカルの芸名はアフロだが実際の髪型は坊主頭。さらにツイッターには野球部時代の
集合写真を大きく載せているのを見てあらためて、この歌いっぷりはまさに
高校球児達がグラウンドで必死に声をあげてるのと同じぐらいの、溢れる情熱を感じられるなと。
こういうのはたまらなく心に響くんですよね・・・自分も同じ野球人(?)として。

まず1曲目「RED」では2人の出身地である長野県上田市から、自己紹介と決意表明を歌う。
以前に当ブログで絶賛した「上京タワー」同様に、田舎の町の景色が目に浮かぶ。

続く2曲目「それいけ!フライヤーマン」はライブの宣伝をする自分たちの姿を歌った曲。
「それいけ!アンパンマン」にかけた歌詞が面白い。ノリの良い曲で聴いてて盛り上がれる。

3曲目「宿命」は前曲よりテンポを落とした曲であるが、ボーカルの熱量は前曲以上。
「今日の空振りは明日の素振り」ってのは野球部出身らしい歌詞でこれまた良いなと思ったが
それ以上に「弱い犬だからよく吠えるんだよ 黙ってどうなる? 吠え続けろ!!」
という魂の叫びに感動した・・・先日奈良で対バンもした、ガガガSPの傑作曲「弱男」に並ぶぐらいに。
こういう下剋上的な歌詞にはとても共感してしまう!

4曲目「Apollo 11」はバラード調でじっくり聴かせるラブソング。優しい一面が出ている。
5曲目「スペシャル」は何気ない日常を歌った曲だがそこからの歌詞の広がりがスゴい。
この曲だけは打楽器系の音が数多く入ってるように聴こえるが、
おそらくギターを叩いてるのだと思う。6曲目「VS」は曲中でテンポが変わったり、
アフロさんの歌いっぷりも抑揚に富んでいたりと、これまたいいアクセントになっている曲。

7曲目「tomorrow」は野球少年たちの姿を見て、それと今の自分とを照らし合わせて・・・
という歌詞が心に響く。私も同じく、本当それにひきかえ自分は何なんだと思えてくるよなぁ。

8曲目「GOLD」では再び優しい一面をみせてくれる。
「大丈夫 大丈夫 きっと大丈夫」という言葉の暖かさが身に沁みる。
チームのピッチャーが満塁のピンチを迎えた時などもこのように大丈夫大丈夫と
励まし続けてきたんだろうな。これには同じく励まされるものがある。

9曲目「Salad bowl」は今作の曲の中でも最もアコギの演奏が控えめで
シンプルなラブバラード曲かと思いきや、曲終盤でアフロさんがあーーーーっ!!と
思いっきりシャウトするのはさすがとしか言いようがない。ただでは終わらないとばかりに。

10曲目「四文銭」はラストを飾るにふさわしい、圧倒的なまでの熱意のこもったバラード曲。
曲終盤の歌詞カードに無い部分の歌詞が、PV版とCD版で違うことに一番驚いた。
CD版では今この作品を聴いているリスナーに向けて、激励の言葉を次々と投げかける。
「次はお前の番だ」これには泣けるほどに励まされた。今回このアルバムを聴く際には
パソコンにCDを入れて聴いていたのだが、この終盤の熱い語りでは
某ホラー映画みたいに画面の中からアフロさんが出てくるんじゃないかと思うほどだった。
それぐらい時空を飛び越えて思いが伝わってきた・・・

シンプルなアコギ弾き語り曲は2曲も聴けば飽きてしまうほどの体質の私が
全10曲最後まで一気に聴けてしまうほどに、グイグイと惹き込まれる作品でした。
言葉の力がこれでもかとばかりに伝わってくる。何よりもボーカルのアフロさんの
魂のこもった歌唱が感動的なまでに素晴らしい!
これだけでも今作を聴いて良かったと思う。いつかライブの方にも行ってみたいですね。









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