GLIM SPANKY「 Next One(初回限定盤)(DVD付)」 (2016/7/20) 1. NEXT ONE 2. 怒りをくれよ 3. 闇に目を凝らせば 4. grand port 5. 時代のヒーロー 6. 話をしよう 7. NIGHT LAN DOT 8. いざメキシコへ 9. 風に唄えば 10. ワイルド・サイドを行け お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10) GLIM SPANKYの2ndフルアルバム。長野県出身の男女2人組ユニットの作品。 70年代洋楽ロック風の曲やブルース調の曲を基調にした音楽性から 先行シングル曲などを聴いた当初はポストSuperfly的な存在かなと思ってましたが いざ今作を聴いてみるとそれだけではない魅力を持った作品でした。 このユニットの楽曲の大きな特徴は、旅情を感じさせる曲が多いということ。 人生という名の旅の途中ですれ違う景色や人間模様などを描いた曲の数々は、 ドライブや鉄道旅行などで田舎の牧歌的な風景や、海辺の風景を眺めながら聴きたくなるような曲ばかり。 ボーカルの松尾レミさんのハスキーボイスが楽曲に荒涼感を加えているのも良い。 今作はまず2曲目「怒りをくれよ」がカッコ良さ抜群のアッパーチューンで 一気にもっていかれた。映画版ワンピース主題歌として作られたシングル曲で、 夢を追う冒険者たちの衝動と情熱に溢れた曲。 「♪馬鹿は馬鹿げた夢 追うしかできねえんだ」がたまらなく好き。 曲の雰囲気はアニソンっぽくないが歌詞にはアニメ的スケール感も詰まってる。 3曲目「闇に目を凝らせば」は真夜中に旅立つ者をテーマにした シブいブルースを聴かせてくれる。実際に真夜中の車で流すとブルーな気持ちになりそうだが。 4曲目「grand port」は海辺の街で暮らす絵描きの姿を歌った曲で のどかな港町の風景が目に浮かぶかのよう。しかしそれと同時によく歌詞を読むと、 この曲は海を超えて大きな夢をつかみにいけというメッセージソングでもあることに 気が付かされた。一歩が踏み出せない者の姿を絵描きに例えた、歌詞の比喩表現がお見事。 5曲目「時代のヒーロー」はミドルテンポ曲ながらこちらもまた雄大さを感じられる。 大空をひとっ飛びしてどこかへ行けたら気持ちいいだろうなと思えてくる。 アルバム中盤の曲では、6曲目「話をしよう」が人間愛に溢れたバラード曲で素晴らしい。 「♪声無き声に勇気を 口に出せる勇気を」 「♪ただ思ってるだけじゃ何も無いことと同じさ ほら」 こんなこと優しく語りかけてくれる人がいたならばどれだけ嬉しかっただろうか・・・ 子供の頃からそういった話をする勇気が無かった者としてはとりわけ心に響く。 アルバム後半では、8曲目「いざメキシコへ」で海外にひとっ飛び。 今作の曲の中でもとりわけ荒涼感があり、なおかつ洋楽テイストの強いミドルチューンで、 岩がゴロゴロ転がっている半砂漠の荒れ地を走るハイウェイで聴きたくなるような 異国情緒満点の曲。こんな風景はおそらく日本には無さそうだ。 かと思えば9曲目「風に唄えば」では景色が一転、牧歌的なアコースティックバラードを 聴かせてくれる。「♪のどかな草原超えて」という歌詞がピッタリはまってる。 そして、旅情と愛情に溢れた今作の総決算ともいえる曲が 10曲目「ワイルド・サイドを行け」。2曲目と同じぐらいの勢いを感じられるほどの アッパーチューンにのせて、皆と一緒に未来へ突き進めと高らかに歌い上げる。 「♪人とつるむのが下手同士も 同じ涙で繋がれるんだ」 「♪仲間とこじ開ける未来は絶景さ」 これはなんて希望と愛に溢れた世界なんだと・・・ ぜひ自分もその仲間に入れて欲しいと思えてくる。この歌を通してGLIM SPANKYの2人と 心を繋げられる。ライブではさぞかしみんなで盛り上がれるだろうなぁ。 ラストナンバーにしてこれほどまでの傑作曲に出会えるとは予想してなかった。 ちなみにこの曲も2曲目同様ワンピース主題歌に起用してもいいのではと思える歌詞ですね。 期待以上の作品でした。まずボーカルの松尾レミさんが描いた歌詞がこれほどまでに 素晴らしいとは驚き。さらに曲調の方もそれなりに多彩な一面を見せてくれたので 大人のロックといった感じのミドルテンポ曲はあまり好みではない自分でも 今作は十分楽しめました。欲を言えば2、10曲目のようなアッパーな曲が もうちょいあればなお良かったが、それでも人生という名の旅の途中と名乗る当ブログで CDレビューを書くにふさわしい作品に出会えたことは何より嬉しく思う。 次はライブも体験してみたいと思える、そんなユニットに出会えて良かったです。
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2016年9月9日金曜日
[CDレビュー] GLIM SPANKY「Next One」
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