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2013年6月3日月曜日

[CDレビュー]  Cyntia「Lady Made」


Cyntia「 Lady Made」
(2013/3/20) 

1. 深愛エゴイズム
2. I Will
3. IV
4. Fly away
5. Chilly Nights
6. Lady Made
7. Jewel Stars 
8. 箱庭のイデア
9. Wish  
10. Raison d’etre
11. 睡蓮と蝶
12. メロリィ (ボーナストラック・通常盤のみ)
お気に入り度:★★★★★★★★☆ (9.5/10)





ガールズメタルバンド・Cyntiaのメジャー1stアルバム。
念願のメジャーデビュー作となった今作も、前作のインディーズアルバム同様に
メロディアスで聴きやすいHR/HMナンバー中心のアルバムとなっています。

世間でのメタルのイメージとはおそらく全然違う、キラキラとした楽曲の数々には
華やかさを感じさせてくれる。これこそがCyntiaの最大の魅力。
ボーカルのSAKIさんの声質も良い上に、歌唱力も着実に前作より上がっている。
ガールズバンド好きならば多くの人に受け入れやすい位のポップさを持ちつつも、
それでいてHR/HM的といえるドラマチックな編曲は健在だというから素晴らしいです。

1曲目「深愛エゴイズム」や、6曲目「Lady Made」といった曲は、
女性的な魅力を全面に押し出した歌詞世界とメタリックなサウンドが融合した、
これぞ女子メタル!といえる名曲です。
7曲目「Jewel Stars」のような明るく前向きな曲、そして8曲目「箱庭のイデア」
のようなダークさを帯びた楽曲も共に魅力的。
さらには、5、9曲目などのバラード系の曲の綺麗さにはもはや感心させられる。
「一歩一歩 少しずつでいい」と優しく歌ってくれる9曲目「Wish」には癒されます。
メタルの要素を取り入れつつも、メロディと歌唱の美しさが抜群に光るバラード曲を
作れるというのは、個人的には聖飢魔Ⅱにも通じるものがあるなと思いました。
11曲目「睡蓮と蝶」は今作でも一番の展開美と哀愁を感じさせてくれる曲で
ラストにして最高の曲でアルバムを締めてくれたなと感じました。

欲を言えば前作でいう「幻覚の太陽」のような圧倒的大作が
1曲ぐらいはあっても良かったかなと思いましたが、
それでもメジャーデビュー作にしてこれだけ魅力的かつバラエティに富んだ作品を、
期待通りにリリースしてくれたのはとても嬉しかったです。
音楽ポータルサイトのインタビューでは「みんなで歌えるメタルがあってもいい」
「みんなに聴いてほしいからわかりやすい楽曲にして提示し、メタルを知るきっかけに」
などといったコメントを残していたのも印象的。これは素晴らしい活動精神だと思いますし
実際、その夢が現実になることがこれから期待できるような曲を歌っているバンドです。
なのに、レコード会社が「ツンデレ女子メタル」とかいう、
一部のオタク向けと誤解されかねないようなキャッチコピーをつけてしまったのは
やっぱりどうなのかと・・・ 「女子メタル」だけか「メタル女子」で良かったのに。
ともあれ、今最もオススメしたいガールズバンドだという気持ちは変わらないので、
男女年代問わず多くの人に、どうか幅広い層に聴いて欲しい作品です。




2013年6月2日日曜日

お知らせ

リンク集を追加しました。

・hawaiibem's music blog 
hawaiibemさんの音楽ブログ。アルバムレビューを中心に
メジャーからマイナーどころまで幅広く音楽作品を紹介しているブログです。
これは当ブログに近いなと、勝手に思ってると同時に、
文章の質・更新頻度ともに私のブログはこちらのブログに完全に抜かされたと思ってます。
ぜひオススメしたい、まだ見ぬたくさんの名曲に出会えるブログです。


[ライブレポ]  THE BOOM CONCERT TOUR 2013「24」

5月12日(日曜日)、奈良県橿原市・かしはら万葉ホールにて開催された
THE BOOM CONCERT TOUR 2013「24」に行ってきました。

以前から館内の図書館にてCDをレンタルさせて頂いていることで個人的におなじみの
かしはら万葉ホールにて17時にライブ開始でしたが、この日は草野球の試合があり
つい30分前までグラウンドを駆け回っていたため、5分ほど遅れてしまいました。
それでもグラウンドから車を走らせ約30分でかしはら万葉ホールに着き、
目の前の無料駐車場に停めて、わずか1分もかからずにホール内へと入れた時は、
なんて便利なんだ!とあらためて感じました。
これが大阪のライブハウスとかならば、まず駐車場を探すのに困る上に駐車料金も高いし
何より車で1時間以上かかるから4時半出発ではとても間に合わない。なので、
もういっそのこと好きな歌手全組かしはら万葉ホールでライブをやってくれたらいいのにと!
あらためて、THE BOOMがこの地でライブを開催してくれたことに感謝したいです。



[セットリスト]


(ライブ終了後に会場前に貼り出されていました。これは素晴らしいサービス精神だ!
 これは私同様にケータイで撮影している人が何人もいました)



ライブ序盤、「なし」「星のラブレター」「きっと愛してる」といった
初期のスカバンド路線の曲を3曲続けて歌ってくれたのは意外でしたし嬉しかったです。
そしてMCとなり、ボーカルの宮沢和史さんがしゃべりを聞いてまず感じたのは、
声が渋いなぁと。歌声とはまた違った良い声。
まず、先ほど歌われた「なし」について、最初この曲を出そうとした時は
タイトルがなしとはどういうことだとスタッフから怒られてしまったたが
「梨」という意味だということを説明したら納得してくれたとのこと。
さらに初期の頃は、この曲がライブで演奏されると、観客がステージに向けて
梨を投げてきたことがよくあったらしいです。これが怖くてたまらなかったと、
どうせ投げてくれるなら「ダイアモンド」という曲にすれば良かったと言ってました(笑)
そして、この流れで新曲のお知らせが。
「次のシングルのリリースが決まりました。タイトルは「金券」。」
これには会場から一斉に笑いが起きていました。
さらに、今回のライブで奈良に来る前にテレビにて、笑い飯が奈良の史跡の数々を
訪れながら紹介する番組を見たそうで、これを見てスゴいなと思ったと。
この話の中で歯を指さしながら「しせき(歯石)のことじゃないからね」
などと言って笑いもとる場面もありましたが、しかしこのように、
アーティストのMCにて奈良のことが語られるというのは地元民として嬉しかった。
今まではこのMCで語られる地元ネタといったらみんな大阪のことだったんですよと!
大阪で行われるライブばかり行ってるから当たり前なんですが。
ぜひこれからもかしはら万葉ホールで歌手のライブが観たいなと思いました。


ライブ中盤には、まずピアノのみの演奏で「からたち野道」を聴かせてくれました。
この曲を「日本のロックとして作られた曲」と言っていたのは意外で印象に残りました。
さらに新たな試みと称してアコースティックコーナーが。
メンバーの1人が沖縄でコーヒーショップを経営しているらしく、
その店内BGMとして流している、「気球に乗って」のインストバージョンが
まず演奏され、さらには歌入りで「釣りに行こう」もやってくれました。
ちなみにこの曲を歌う前に「川釣りもいいね」と言ってくれたのは海無し県民への配慮か。
こういう細かい気配りができるのもさすがだなと!


そして後半は、前半とは変わって沖縄テイストの曲をたくさんやってくれました。
「ひのもとのうた」では前の方の観客が沖縄風の踊りを始めたりして大盛り上がり。
そりゃこの曲を生で聴いたら踊り出さずにはいられないよなと!
しかし私の周りの席の人は、立ち上がることすらせず座ってる人ばかり。
なんでこうなるんだ、座席運が無い・・・ 私の周りで踊ってる人は自分1人だけでした。
続く「シンカヌチャー」では一転して荘厳な雰囲気に。
このステージには思わず感動しました。生だからこそ伝わる迫力がある。
そして、ラストには誰もがご存知の名曲「島唄」が。これを歌う前のMCで、
「最初にこの曲を歌った時には、沖縄の人間でない者が沖縄の曲を歌うことへの
反発もあった。しかしそれでも歌い続ければこの曲の意味を分かってくれると思った」
と言っていたことが、とても印象的でした。
この信念が実を結び、世界中で愛される名曲へとなったのだから素晴らしい!
少なくとも私はTHE BOOMがきっかけで沖縄音楽の魅力を知りましたし、
さらには世界平和について考える一つのきっかけにもなった。
こう思ってるのは私だけではないはず。世界中の多くの人が思ったはず。
いつか生で聴きたい曲だと思っていたので、聴けて嬉しかったです。


アンコールでは、まず6月にニューアルバム「世界でいちばん美しい島」が
リリースされるという紹介がされましたが、そこでボーカルの宮沢和史さんから、
世界で一番美しい島とは果たしてどこなのかと、観客のみなさんへ問いかけが。
これには歓客からは真っ先に「沖縄!」「日本!」などの声が。
中には「バリ島!」、さらには「淡路島!」などという声も挙がりましたが、
そんな観客たちに対する答えは「皆が生まれたふるさとの中にある」と。
そして新曲「世界でいちばん美しい島」、さらには「島唄」に並ぶ代表曲である
「風になりたい」を、CDの原曲とは全く違ったアレンジで聴かせてくれました。
CD版はノリノリのラテンナンバーでしたが、今回のライブバージョンの方は
大人のバンドサウンドを聴かせてくれたといったところでしょうか。
そしてラストの「不思議なパワー」は会場総立ちで大盛り上がり。
終わってしまうのが惜しくなるほどでございました。


今回初めてTHE BOOMのライブを体験しましたが、もはや期待以上でした。
盛り上がるところは盛り上がり、じっくりと聴かせるところは聴かせ、
さらにMCでは笑いありの楽しい内容でなおかつボーカルの宮沢さんの人柄の良さも
伝わってくるという、これぞまさにオールラウンドな魅力が詰まったライブでした。
デビュー24年目のベテランバンドでありながら、
歌唱力も演奏もしゃべりも衰え知らずというのが素晴らしい。
本当に行って良かったと思えるライブでした。よくぞ橿原に来てくれました!




2013年5月30日木曜日

[CDレビュー]  アカシアオルケスタ「ヒョウリイッタイ」


アカシアオルケスタ「 ヒョウリイッタイ」
(2013/3/20) 

1. グンモニ
2. スーパースター
3. 花魁道中
4. シャボン玉
5. 絶ッテ
6. 大暴走
7. 嘘
8. 日々草々
9. ハイライト
10. ヒコウキ雲
11. ショウタイム
12. オモチャ箱
お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10)





アカシアオルケスタの3rdフルアルバム。
紅一点ボーカルにキーボード、ベース、ドラムの計4人組編成にて
2007年に結成されたインディーズバンドの作品です。

ピアノロックをベースに、曲ごとにジャズや昭和歌謡などの音楽要素を
取り入れたバンドサウンドは、どこか懐かしくも新鮮。
ギターがいないというバンドも珍しいですが、今作ではギター不在を
穴だと感じてしまうようなことは全く無いです。
そんな彼らを知ったきっかけである、2曲目「スーパースター」は、
とにかく明るくてポップで軽快。さらに、優しく背中を押してくれるかのような
ボーカルの藤原岬さんの歌唱&歌詞にも元気をもらえる。
「♪君はスーパースター」だなんて歌ってくれるのが、とても嬉しく感じます。

そして、より歌謡曲色が強くなる3曲目以降の曲も名曲揃い。
ジャズ歌謡に和楽器をミックスさせたサウンドと、
妖艶さを感じるボーカルの歌唱が、共にスリル満点な「花魁道中」、
力強い歌唱&ピアノの演奏の中にも抜群の哀愁が漂うバラード曲「絶ッテ」、
Aメロの低音部分の歌唱にはカッコ良さを感じ、サビで高音になると同時に
曲の方も一気に盛り上がる、レトロな雰囲気のピアノロック「大暴走」、
今作の中で最もロック色が強く、バックの演奏の弾けっぷりがスゴい
「ハイライト」といった曲は、特に素晴らしいと思いました。

そんなアルバムの中におけるクライマックスで、個人的にも最も素晴らしいと
感じた曲は、11曲目の「ショウタイム」でした。
そのあまりのメロディの良さと、希望の未来へ向かって突き進むかのような歌詞には
もはや感激せずにはいられない。ピアノの音を全面に押し出したアレンジで、
ここまで躍動感を感じさせてくれる曲が作れるというのは、これぞ彼らならではの実力。
聴けば聴くほど、今まで味わったことのないような感動が広がっている。
この曲はシングルでも全然いけるぐらいにキャッチーで、万人に勧められる曲でも
あるにもかかわらず、PVすら作られずに埋もれてしまっているのが惜しく感じます。

これだけの実力と魅力があるバンドが、なぜインディーズなのだろうか。
メジャーから未だ声がかからないのか、それとも自らインディーズで活動することを
選んでいるのか、どちらなのかは分かりませんが、ともかく彼らはもっと評価されるべき!
ロックフェスにて偶然出会ったのがきっかけで、まさかここまで大きくハマることに
なるとはその時は自分でも思わなかった。良い音楽に出会えたことに感謝したいです。




2013年5月25日土曜日

[CDレビュー]  LIGHT BRINGER「genesis」


LIGHT BRINGER「 genesis[通常盤]」
(2012/1/18) 

1. 創世 (インスト)
2. ark
3. noah
4. merrymaker
5. Babel
6. カルンシュタインの系譜
7. Just kidding!
8. 光の王女
9. espoir
10. 風
11. Love you
お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10)




2012年1月にリリースされた、LIGHT BRINGERのメジャー1stアルバム。

紅一点ボーカル擁する5人組HR/HMバンドの作品。今作を聴いただけで、
その実力は既に最近の若手バンドの中ではトップクラスではないかと思いました。
エモーショナルでありながらもメロディの良さが光る楽曲の数々と、
ボーカルのFukiさんの抜群の歌唱力が、共に素晴らしい。
インストを挟んで実質1曲目の「ark」を聴いただけで分かるように、
どの曲もまずイントロの時点からいきなり胸に迫りくるかのように
ドラマチックな曲展開が押し寄せる。そのギターやキーボードの旋律の一つひとつに
凄みを感じる。編曲と演奏技術のレベルの高さを感じさせてくれる曲ばかりです。

特に、先行シングル曲でもある3曲目「noah」と、9曲目「espoir」の
疾走感&破壊力は素晴らしいの一言。さらには歌詞についても、「noah」のサビの
「強いことは辛いだろう 気のすむまで眠ればいい」というフレーズには
さすがのセンスを感じた。
弱い自分が辛いだとか、そんな弱い自分を変えたいなどと歌う曲はたくさんあるが、
強い自分を守り抜くということも辛いんだと歌う曲は、そう滅多に無い。
これぞ目のつけどころが並みの歌手とは違う! 実力者だなと感じさせられました。

さらにアルバム全体を通すと、意外なぐらいにポップな曲が多いのも特徴で、
ガールズロックやアニソン系が好きな人ならば今作は特に聴きやすいかと思います。
特に、タイトルからしてアニソンっぽい8曲目の「光の王女」は、上品かつ
まるで天使のような輝きを感じるミドルナンバーで、後半の曲の中で一番ハマりました。
6曲目「カルンシュタインの系譜」はFuki嬢の圧倒的歌唱力が存分に堪能できる
パワーバラード曲で、さらに歌詞についても「百年土の下で」「千年灰となろう」
といったようにスケールの大きな、一万年と二千年前から愛してる的世界観が広がる名曲。
こういう曲を聴かされるたびに、アニソンとメタルは紙一重だなと思ってしまいます。
ラスト曲の「Love you」はメロディはポップで爽やかなのに、バックの演奏は
まるで洪水のようにドドドドーッとヘヴィサウンドが鳴り響くというのが面白い。
こういう曲でアルバムを締めるのは陰陽座みたいだなと思ったら、
所属レコード会社が同じでした。ついでに言うと水樹奈々ともレコード会社が同じ。
それならば彼らにもアニメ主題歌を1つぐらい回してくれてもいいのに!
と思ってしまいました。

せっかくメジャーデビューしたのに、ほとんど知名度が無いままな現状は残念に思います。
今の音楽性のまま、より多くの人に彼らの音楽が受け入れられる可能性は持っているはず。
いっそのこと、これからリリースされるシングル曲全てにアニメタイアップをつければ
今のALI PROJECTぐらいの知名度と人気は得られるのではないかなとか思ったり・・・
どんな形であれ、これからさらなる躍進を遂げて欲しいバンドの1組です。
まもなくリリースされる2ndアルバムにも期待しています。






2013年5月24日金曜日

[CDレビュー]  怒髪天「ドリーム・バイキングス」


怒髪天「 ドリーム・バイキングス」
(2013/4/24) 

1. 威風怒道 ~愛と栄光のテーマ~(インスト)  
2. 独立!俺キングダム
3. 神様は小学生
4. ドリーム・バイキング・ロック
5. 濁声交響曲
6. あたし、SUPERツラい…
7. 砂上の楼閣 part.2
8. WAZAN
9. ロックバンド・ア・ゴーゴー
10. 男、走る!
11. 愛の出番だ!  
お気に入り度:★★★★★★★★☆ (8.5/10)





怒髪天の通算7枚目のフルアルバム。

まずは1曲目、これぞ入場テーマ曲のような派手なインストから始まり、
続く2曲目「独立!俺キングダム」は、A・Bメロにて演奏される
ノリの良いスカのリズムと、自身を世界の国家に例えた歌詞が面白い。
いつもと少しテイストの違う曲2曲で始まりましたが、どちらも良かったです。
そして3曲目以降は、安定の歌謡ロック。今作もR&E(リズム&演歌)という
独自のスタイルは全くブレていないです。

そんな今作は何よりも、歌詞の素晴らしさが印象に残りました。
3曲目「神様は小学生」は、なぜ神様はなかなか自分に振り向いてくれないのかという
誰しも一度は思うことについて歌った曲ですが、
そんな神様の姿を「やんちゃな小学生」に例えてしまうという、この発想は素晴らしい!
4曲目「ドリーム・バイキング・ロック」は、サビの歌詞が特に熱い。
「俺達ゃまだまだいけちゃう野郎ども」などと歌うバンドが今どき他にいるだろうか!?
こんなことはザ・コブラツイスターズですら言わなかったですよ!
さらに5曲目「濁声交響曲」では、ボーカルの自身の声質を逆手にとって、
そのダミ声を誇りに思うんだとばかりにこんな曲を作ってしまう。
ここまで自分をさらけ出した上で、なおかつ質の高い楽曲を作ってしまうという
その姿はもはや憧れすら感じてしまいますし、聴いてる方も元気になれそうです。

アルバム全体では、後半もう一押しあればもっと良かったかなと。
しかし10曲目「男、走る!」は最も怒髪天らしい、ど演歌ロックナンバーで
後半の曲の中では一番のお気に入りでした。
こちらも歌詞について、男まっしぐらな姿を「まるで夢見る乙女さ」と
例えてしまうそのセンスが素晴らしい。
ただひたすらガツガツした歌詞ではなく、人間の強い一面と弱い一面、
光と影の両面を歌い、色々あるけどそれでも前向きに頑張って走っていこうという
メッセージがアルバム全体に込められているからこそ、聴いていて勇気をもらえます。

ベテランバンドの底力を感じた作品でした。
私も彼らのように、たとえ何歳になったとしても熱いハートを持ち続けていたいです。




2013年5月21日火曜日

[CDレビュー]  妖精帝國「PAX VESANIA」


妖精帝國「 PAX VESANIA」
(2013/3/27) 

1. 序
2. Astral Dogma
3. Solitude
4. 狂気沈殿
5. ココロサンクチュアリ
6. 月鏡反魂シネラリウム
7. Siege oder sterben
8. missing 
9. The Creator
10. Herrscher
11. 空想メソロギヰ 
12. 葬詩
13. 機械
お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10)





妖精帝國の通算4枚目のフルアルバム。
過去3枚のフルアルバムはベストアルバム名義となっていたことから、
純粋なオリジナルフルアルバムのリリースは今回が初。
メンバーチェンジを経て、ツインギターの5人体制になってからも
初のアルバムとなりました。

初期の「打ち込み系ユニット」から「メタルバンド」へと完全に脱皮したのが
伝わってくる作品。今まで以上にギターの音が全面に出たサウンドと、
お城的歌詞が炸裂する2曲目「Astral Dogma」に、いきなり圧倒されます。
しかし、続く「Solitude」は、今作の中では最も分かりやすい歌詞で
新たな自分へと生まれ変わるんだという決意表明を歌ったメロスピナンバーで、
独自色は残しつつも、応援ソングとして質の高い曲を作ってくれました。
キュートな声質ながらも力を込めて歌う、紅一点ボーカルのゆいさんの歌唱にも
勇気づけられる。こんな曲も歌ってくれるんだというのが、嬉しく思いました。

前半の2~4曲目の疾走感は、たまらないぐらいに最高。
中盤には民族音楽的な要素の入った「月鏡反魂シネラリウム」などの
ミディアムテンポ曲を入れ、そして8曲目「missing」で再び加速。
そして唯一のシングル曲である11曲目「空想メソロギヰ」は、これぞ必殺級の、
彼らにとっての王道であるシンフォニックメタルナンバーで、アルバムのクライマックス。
そして実質ラストである12曲目は、バラード曲の「葬詩」で締めてくれました。
このように、今作はアルバム作品としての構成の美しさも素晴らしい!
やっとオリジナルのフルアルバムとして、完成度の高い作品をリリースしてくれたことが
何よりも嬉しいです。元々これぐらいの作品を作る実力はあると思ってました。

最後に、今作の中でボーナストラック的に収録されている13曲目「機械」は、
なんと筋肉少女帯のカバー曲。
私が本当に好きなバンドというのは、カバーソングを作ったとしても、
これまた昔から大好きだったバンドの曲のカバーを作ってくれるんだなと・・・
シンフォニック成分とゴスロリ成分の加わった、原曲に勝るとも劣らない
さすがの名カバー曲を作ってくれました。こちらも必聴といえるでしょう。