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2020年12月29日火曜日

[CDアルバムレビュー]  LOVEBITES「ELECTRIC PENTAGRAM」


LOVEBITES「 エレクトリック・ペンタグラム (完全限定盤A:CD+DVD)」
(2020/1/29)

1. Thunder Vengeance
2. Holy War  [MV]
3. Golden Destination  [MV]
4. Raise Some Hell
5. Today Is The Day
6. When Destinies Align  [MV]
7. A Frozen Serenade
8. Dancing With The Devil
9. Signs Of Deliverance
10. Set The World On Fire
11. The Unbroken
12. Swan Song
お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10)



LOVEBITESの3rdフルアルバム。
2020年の初頭、ガールズバンド界に大きなサプライズが起きた。
それは今作がオリコン週間ランキングで初登場9位にランクインを果たし、
同じガールズバンドで同日にリリースされたSHISHAMOのアルバム(初登場16位)に
順位で上回ったという、まさかの下剋上をやってのけたということ。
LOVEBITESといえば歌詞は全曲全英語詞で、海外志向の強い本格派の
ハードロック・メタル系ガールズバンドであるが、その一方で
日本でブレイクを目指すことは最初から諦めてるのかなぁと思えてきて
メジャー時代のCYNTIAなどとは対照的な感じなのが個人的には複雑な気持ちだっただけに、
そんなバンドがここまで売れたというのは驚き。これは実力の高さが評価されたに違いない。

というわけであらためてこのバンドの新作アルバムを聴いてみると、
洋楽を聴いてるような感覚ながらも、このメロディの良さはジャパメタにも影響を受けた感。
子供の頃は洋楽はメロディが単調だから好きになれないと思ってた自分が
生まれて初めて大好きになった洋楽アーティストである、
HELLOWEENのガールズ版みたいだなと聴くほどに思えてきてどんどんハマっていった。
ボーカルのasamiさんの歌唱も若手ガールズバンドの中では当然の如く
トップクラスの地点まで来ている。今作のリード曲である6曲目
「When Destinies Align」のラストの「♪Cally on! あああああああああああ~~っ!!」
この超絶ハイトーンには思わずうおおおおおおおおーーっ!って歓喜するレベル。
さらにこのバンドの大きな魅力の一つは間奏部分のギターソロ。
なんせ歌詞カードにもギターソロの存在が明記されているバンドだというから
そりゃもう素晴らしい。しかも全曲あるのだから。以前にとある音楽系サイトにて
近年は世界的にギターソロが減ってきているという記事を見た時は残念に思ったし、
実際昨年にリリースされたBABYMETALの3rdアルバムなども良い作品ではあったが
唯一引っ掛かった点はギターのメロディにグッとくる場面が少ないということだった。
(レビューはこちら)なので今作は自分みたいなギターソロ大好きリスナーにはたまらん。
アニメのOP曲もしくは格闘技系の選手入場曲みたいなメタリックなギター演奏最高だ。

そして今作は序盤の1~4曲目からしてモノが違う。2曲目「Holy War」は
これぞ王道中の王道楽曲で疾走感も抜群、メタル戦士が光臨を告げるかのような曲で
アニソンで例えるならばJAM Projectの曲みたいな世界観がカッコ良過ぎ。
そして3曲目「Golden Destination」では今作屈指のポップ感を持たせつつも
イントロから2020年私的No.1クラスのギターソロが炸裂。この飛翔感がたまらん。
大きな翼を広げてどこまでも行けそうな・・・Aメロは遠藤正明さんの「エンジン」に
似てるよなと何度聴いても思うのだが、それでも全然かまわないと言えるほどの名曲。
その次の「Raise Some Hell」はLOVEBITESの自己紹介的な曲でさぁ一緒に踊れと
歌う姿が痛快でこんなん聴いたらライブに行きたくてたまらなくなるだろ。
間奏部分のザクザク感溢れるギターで一緒にヘドバンしたい。

この前半だけでも素晴らしいのに、さらに後半の9~12曲目でも大きく盛り上がると
いうのだからスゴい。今作一なまでにヒロイックそのものな「Signs Of Deliverance」、
ダークな炎を燃やす「Set The World On Fire」、前曲とは一転してハッピーな
ラブソングを高らかに歌い上げるasamiさんの歌唱が大笑福な「The Unbroken」、
そしてラストナンバーにはピアノのメロディを加えた豪華かつ劇的な疾走楽曲
「Swan Song」で終わるのも素晴らしい。ラストがバラードよりもこっちの方がいい。

喜怒哀楽の全てが詰まっていて、なおかつメタルの多種多彩な魅力が詰まった名作。
近年のラウド・メタル系のバンドは若手の男性ボーカルバンドだと
デスヴォイスやミクスチャー要素を組み込んだバンドが多く、
正統派かつクリーンボーカルでメロディアスな曲の方が
逆に評価されにくい時代になってしまったのかと感じる時もあるものだが、
本来はむしろメロディの良い曲の方がより多くの人に受け入れられる可能性が高いはず。
あらためてこのオリコン初登場9位の快挙を機に、LOVEBITESのようなメロディアスな
ハードロック・メタル系のガールズバンドにも光が当たる時代になって欲しい。
各種音楽系メディアでもまだまだ取り上げられる機会が少ないように思うだけに・・・






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