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2020年4月3日金曜日

[CDアルバムレビュー]  Gacharic Spin「Gold Dash」


Gacharic Spin「 Gold Dash【初回限定盤A】(CD+DVD)」
(2020/3/11)

1. Gold Dash  [公式PV]
2. 起死回生Forever
3. 永久No mission
4. the first star
5. ルラララ
6. 超えてゆけ
7. 道化ism
8. rewind
9. Lux
10. FRUSTRATION
11. 逆境ヒーロー  [公式PV]
お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10)



Gacharic Spinのメジャー通算4枚目のオリジナルアルバム。
新メンバー2人が加わってドラムボーカルのはな兄さんがギターボーカルに
コンバートされてからは初となるオリジナル作品で、第5期の新たな幕開け。

まず1曲目「Gold Dash」はイントロからキラキラとした電子音の弾ける
お得意のデジロック路線の曲でありながらも、Aメロからガツンと重低音の響く演奏も
聴かせてくれるところがガチャピンならでの素晴らしさ。これには頭を振りたくなった。
パラスポーツプロジェクトの応援ソングなだけあって歌詞のメッセージも熱い。
誰もが人生の金メダルを目指すことができるんだと歌ってくれている、
聴き手に寄り添った応援歌。ちなみに歌詞カードの一番最後には金メダルの絵が。

2曲目「起死回生Forever」はメタルギタリストの大村孝佳さんが作曲と編曲を担当。
その期待通りの超絶カッコいい傑作。サビで一気にテンポアップして盛り上がる曲展開と
歌メロの振り幅の大きさがドラマチックでさすがだとしか言えない。
加えてコーラスを担当するアンジーの歌声もカッコ良くなっていたのには驚かされた。
もしかすると初代ボーカルのアーミーさんを意識してるのかと思うような声だった。
はな兄さんとのツインボーカルのハーモニーは第5期ガチャピンの大いなる魅力と成り得る。

3曲目「永久No mission」は作曲のクレジットに海外の作家陣が並んでいるだけあって
洋楽テイストかつミドルテンポでじっくりと聴かせるハードロック系楽曲。
キーボードを加えたアレンジが曲を一層輝かしいものにしている。
こちらではアンジーがメインボーカルをとり、はな兄さんはコーラスとラップを担当。

4曲目「the first star」はこれぞヒロイックでカッコいい路線真っ只中の傑作。
ピアノのメロディを効果的に生かした編曲もスター感あってアニソンっぽくもある。
サビで2段階加速して「♪もう1回もう1回 立ち上がるよ」と歌う所は特に心を突き動かされるし
何度も脳内リピートしてしまうほどのインパクトがある。そりゃもう1回聴きたくなるって。

5曲目「ルラララ」はTOMO-ZOさんがワンマンで歌うバラード曲。
バラード系の曲を歌うとなると歌唱にもうちょい表現力が欲しいところかな。
それでも声量はそれなりにあるだけに聴き応えもある。

6曲目「超えてゆけ」はTHE BACK HORNの菅波栄純さんが作詞作曲を担当した
ラウド・パンク系楽曲。歌い出しから大航海を予感させるようなワクワク感がある。
そしてサビでは疾走感やコーラスの一体感がうおおおーおーおーっと迫ってくるのが良い。
バクホンは歌詞が良いイメージがあるのに対しこの提供曲は歌詞がベタ過ぎないかとも
思ってしまったが、ひた向きさは感じられるのでガチャピンのイメージには合ってる。

7曲目「道化ism」でここに来て初めてデジタルポップ寄りの曲が登場。
そしてここに来て初めてラブソングが登場。ファンキーで踊れる。
間奏でキーボードソロが飛び出したりとオレオ様の演奏の活躍っぷりは今作一かも。

8曲目「rewind」では再びイントロからハードロック路線。それでいてポップでもある、
初期のガチャピンを彷彿させる曲。エフェクトをかけたボーカルや
テクニカルなギターソロを加えた編曲の素晴らしさは相変わらずで見応えある。

9曲目「Lux」は王道ガールズロック。サビの「♪Fly high!! Fly high!!」のリフレインは
1度聴いただけで耳に残る。4曲目同様にアニソンっぽくもあるしこういう曲に
アニメタイアップをと思ってしまう。そこからブレイクする可能性を持ってるバンドなのに。
個人的にはリード曲の1曲目よりも、ふらいはいふらいはいでおなじみのこの曲か
もしくはもう1回もう1回でおなじみの4曲目の方がキャッチーだと思うんですよね。
余談だが、ふらいはい!!ってのはかつて対バン常連だったがんばれ!Victoryの曲にも
あったなと思い出してしまった。この2組でガールズシーンを引っ張って欲しかったのに。

10曲目「FRUSTRATION」はイントロからチョッパーのベース演奏の活躍っぷりが
ガチャピンらしさ全開。Bメロでたたみかけるようなツインボーカルの迫力も抜群で
そこから「♪正真正銘世界一へ」と歌うサビはヒロイックの究極形ではないかと思えるほど。
思わず体が動きそうになるほどダンサブルでノリの良さもあるし早くライブでも聴きたい。
2、4曲目と並んでトップクラスに大好きな曲。結成10年を超えてもこんな傑作楽曲を
出してくれるバンドをずっと追いかけ続けてきて良かった・・・間違いじゃなかった。

11曲目「逆境ヒーロー」は昨年リリースのベスト盤にも収録された名曲であり
今作のエンディングで聴くと一層エモく感じられる。ちなみにミュージックビデオの
映像となっているライブには管理人も参加しました(参照)映ってなかったけどね。


今作は過去のアルバム作品と比べるとデジタル色やエンタメ色は薄めな、
ガチロックバンドと呼びたくなる作品をぶつけてきた。これには正直驚かされるほどだった。
編曲の質と演奏技術の高さは相変わらずガールズ界のトップにあると言えるし、
それに加えてパラスポーツの応援ソングを歌うことになったのがきっかけからか、
メンバー完全自作の計8曲も、外部提供を加えた計3曲もほぼ全て作風が応援歌的で
歌詞と歌声と旋律にありったけの夢と希望と勇気とパワーが詰め込まれている。
これぞヒロイックでカッコいいを極めた、ガールズロックの王道を行く最高の音楽。
それでいてメロディはポップでもあり、よくぞここまで11曲全てキャッチーな歌メロを
作り出せたものだと思うほど。こういうバンドこそ数多くのフェスにも呼ばれて欲しい。
ロックフェス現場にはいそうであまりいないタイプの曲を歌う女性ボーカルバンドだけに。
初期のインディーズ時代は好きだったけどメジャー路線に行って離れたというような人や
メジャー1stAL「MUSIC BATTLER」は良かったが次の「確実変動-KAKUHEN-」で離れた人も
また改めて聴いてほしい、そういう人も再び引き戻せるような作品になったと思う。
正直なところ2020年の私的No.1アルバムは、RAISE A SUILENが1stアルバムを出せば
9割方それに決定だろうと思っていたが、今作の登場で全く分からなくなった。
2020年を代表するレベルの傑作が誕生した瞬間だった。やっぱり10年続いている
ガールズバンドの底力は半端ない。なのにレコード会社は売り出す気があるのかと
いうのは不安になる面もあるが、ようやく「Gold Dash」のミュージックビデオが、
それも久しぶりにフルバージョンにて公開されたのは良かったですね。
そうだ近年躍進しているガールズバンドはみんなMVをフルで公開してる。
ちなみに初回限定版の付属DVDには今作のアルバム曲から全4曲のスタジオライブ映像が
計24パターン収録されているので、そちらの中からも1~2曲ぐらいは公開されれば
いいなと思ってしまった。なんせ当ブログでもぜひ紹介したいと思える名曲なだけに。
最後に今作の中で唯一物足りなかった点を挙げるならば、
キーボード担当のオレオ様が活躍する場面が少ないと感じてしまったことですね。
あれだけ歌が上手いのに今作ではボーカルを務める場面がとうとう無くなってしまった。
これでは宝の持ち腐れだ。せめてもということで存在感を取り戻すために今こそライブで
セクシーお姉さんキャラを復活させて下さい。ライブの面白さは第5期以降も健在ですよね?






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