ES-TRUS「 True or False」 (2020/4/8) 1. ReBirth (Instrumental) 2. Despair Refrain [公式PV] 3. iL MiO [公式PV] 4. NOT HATCH~True or False ver~ 5. 媚愛 6. 暁-akatsuki- [公式PV] 7. 君がいて [公式PV] お気に入り度:★★★★★★★★☆ (8.5/10) ES-TRUSの初の全国流通盤となる1stミニアルバム。 これまで当ブログにおいてはGOLD RUSHガールズ編などのライブレポで何度も登場していた 「名古屋発紅一点発情期系エモーショナルロックバンド」の作品。 かつては女性ボーカル歌物ロックバンドというキャッチコピーなはずだったが、 いつの間に発情期系と名乗るようになった? いいぞいいぞ!今のバンドシーンに足りないのは このような野性味だ。これからもウッホウッホと興奮させられるような曲を 歌い続けて欲しい。CDの帯のキャッチコピー通りのエモくて多彩で熱い作品でした。 まず1曲目にはデジタル色の強い収録時間約1分のインスト曲「ReBirth」で始まり 2曲目「Despair Refrain」へとノンストップでつながっていく。この曲こそが 昨年5月のGOLD RUSHガールズ編(レポはこちら)に行く前に、まだ知らないバンドで いいバンドはいないかなと思い探した結果見つけた、空前の大傑作曲だった。 「♪僕が進む道を 絶望が塞ぎ邪魔していても 屈辱はいつも 始まりに変わって 僕は」 もうこの歌い出しやイントロの時点からモノが違うとすら感じた。 何度も絶望を味わされて、屈辱にまみれて、そんな人生を歩んできた自分には たまらなく刺さる曲だった。それでも何度も立ち上がって、絶望をも乗り越えていこうと 歌うその姿こそが希望になる。ヒロイックでカッコいいを極めた、 最高のガールズロックだと思う。たとえYouTubeコメント欄で誰が何と言おうと ES-TRUSの皆さんにはこれからもこの曲のパワーを信じて突き進んで欲しい。 3曲目「iL MiO」は公式YouTubeのリリックビデオを見聴きすれば分かる通りの ダンサブルでボカロ曲っぽい今風のロックナンバー。 この系統の曲を歌うバンドはボーカルの声が細くて楽曲が軽く感じるバンドも多いのだが、 ES-TRUSのボーカルのkyokaさんはサビを中心に力強い歌声が出ていて、 なおかつ楽器隊の演奏にも迫力があるから素晴らしいと思えた。 4曲目「NOT HATCH」はリズムゲームアプリ「Leaping Destiny」の主題歌として 2019年8月にカミツキ、CODE OF ZEROとのスプリットシングルで先行リリースされた曲。 こちらもアニソン風でキャッチーなメロディと共に聴かせるロックナンバーながら 歌詞の方は「♪血を吐いてでも抗え」「♪世界中が敵だ 真っ当な世界じゃない」など これぞ発情しまくりと言えるようなシリアスかつハードな内容。Leaping Destinyは そんな過激なゲームではないはずなんですけどね。でもそんな歌詞が好き。 アルバムバージョンでは新たにジャズテイストを加えたというのは 最初どこだと思ったが後半の間奏部分で確かに入ってました。 編曲が多彩で良いと感じられる曲が多いのは、メンバーそれぞれの異なる音楽性が うまく組み合わさっているからだろうなとSkreamのインタビュー記事を見て感じましたね。 5曲目「媚愛」はミドルバラード系のラブソングでありながらも、歌詞の内容は 裏切りを歌う部分もあったりと一筋縄ではいかないようなエモーショナルロック。 こちらも発情してる。曲名とは裏腹にリスナーには媚びてないよなって思う。そこがいい。 6曲目「暁-akatsuki-」ではラテンっぽいテイストが入ったりスクラッチ音や変拍子を 組み込んだりとこれまで以上にミクスチャー色の強い曲で、なおかつサビの疾走感は 今作で一番。ライブで盛り上がりまくりそうなノリの良い曲でもあるが、 歌詞をよく聴くとこれまたダーク。「♪差し伸べられた手 汚れている」とか 「♪いっそ傷も利用して 騙していけ」とか、屈折していて人間不信なのかと 思ってしまうフレーズが多く出てくる。これは個人的に分かるし感情移入してしまう・・・ それでも最後には「♪逃げ続けるのはやめた 僕は僕の道を進んでいくよ」と 前向きな希望を持って終わるのがカッコ良くて素晴らしい。自分もそうでありたい。 7曲目「君がいて」ではラストナンバーにして最もポップな曲を聴かせてくれた。 ここまで泥だらけの感情を吐き出してようやく最後に希望という花が咲いた。 「♪君がいなきゃ僕は歌う意味がない」この「君」というのは今作のリスナー全てに 向けて歌ってくれているように聴こえる。これぞ感謝の言葉だ。 公式YouTubeにてLiSAさんの曲のカバー動画を2本も上げていたことからも分かる通り 対バン常連のカミツキ同様に、キャッチーなメロディが魅力のアニソン志望バンドかと これまでは思っていたが、今回あらためてCD作品を聴いて、ライブだけでは気づけなかった 魅力を発見することができた。まさかここまで歌詞のメッセージがエモいバンドだったとは。 6曲目なんかはエモいを通り越してエグいって思ったほど。サバイバー感満載で 同じように泥水すすって生きてきた者としては共感そして応援せずにはいられない。 あの時ガールズシーンで頑張っている数々のバンドの中からES-TRUSが真っ先に 目に留まったのはやはり間違いじゃなかった、このバンドと出会ったのは必然だったと あらためて思えた。今作のほとんどの楽曲を作詞作曲しているボーカルのkyokaさんは 可愛いルックスからは想像もできないほどキレ味抜群のシンガーソングライター。 いかにもリア充なラブソングばかり歌う歌手やバンドとは対極の道を行くようなところが 個人的にはすごくハマった。ロックフェス現場にはいそうであまりいないタイプの 女性ボーカルバンドだと思うので、ぜひガールズシーンからそこに殴り込みを かけて欲しいと思うし、ぜひ4曲目のようにアニソン・ゲーソンを歌うことなどを きっかけにブレイクして欲しいと思う。メジャーであれだけ売れてもなお「ADAMAS」 のような超絶にドラマチックでエモい楽曲をシングル曲で出せるLiSAさんのような アーティストにES-TRUSもなってくれたらいいのになぁ。これからにも期待してますよ。
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2020年4月29日水曜日
[CDアルバムレビュー] ES-TRUS「True or False」
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